電話応対でCS向上事例

-トランスコスモス株式会社-
丁寧な応対を心がけ、お客さまの気持ちを少しでも癒やしたい

お客さま対応を行うコンタクトセンターを、本社所在地や大都市エリアではなく、遠隔地に設ける例が増えています。沖縄県那覇市で日本コープ共済生活協同組合連合会(以下、コープ共済連)さまの「CO・OP共済」のコンタクトセンターを受託運営するトランスコスモス株式会社に、そのメリットをうかがいました。

まず御社の概要について、教えてください。

  • ▲マーケティングチェーンマネジメントセンター那覇 センター長代理
    吉竹 真一郎氏

    「弊社は、世界18カ国129拠点でビジネス・プロセス・アウトソーシングサービスを展開し、ここ沖縄県ではコンタクトセンターを4カ所設置し、70社以上のお客さまのコンタクトセンター事業を受託しています」(マーケティングチェーンマネジメントセンター那覇 センター長代理・吉竹 真一郎氏)

沖縄県に立地するメリットには、どのようなものがあるのでしょう?

 「ひとつは、県行政の情報産業に対する支援策を享受できることです。沖縄県では、コンタクトセンターのように雇用に貢献する業種では、通信インフラを格安で利用できます。また沖縄県は大都市圏に比べ、人件費も面積あたりのオフィスの賃料も割安です。さらに、BCP的な観点も見逃せません。沖縄県は、地理的な距離が東京や大阪などの大都市圏と離れている上、本土に比べ地震が少なく、また電力も県内の火力発電所から安定的に供給されています。そのため、本土が大規模災害に見舞われても、業務への影響が少ないと考えます」(吉竹氏)

そうしたメリットは、コンタクトセンターを委託する企業さまにも魅力ですね。

 「はい。トランスコスモスでは、まずお客さまの抱える課題やご要望をおうかがいし、沖縄に設置することでお客さまの期待に応えられる場合には積極的にご提案しています。またこうした状況をよくご存じのお客さま企業から、『沖縄に設置したい』というご指名をいただくこともあります」(吉竹氏)

今回おうかがいした「MCMセンター那覇」は、トランスコスモス初の自社ビルとおうかがいしています。

  • ▲自社ビル

     「他のテナントとして入居しているセンターとは異なり、こちらはコンタクトセンターとしての理想を考えて設計しています。ICカードを使った入退管理システム、監視カメラ、フラッパーゲートなどのセキュリティ対策と、自家発電装置も備えた耐障害性で、主に金融機関のお客さまから高いご評価をいただいています。また従業員満足(ES)にも力を注ぎ、ビル内の託児所、広いリフレッシュルーム、ビル内駐車場なども特長です」(吉竹氏)

こちらのセンターで受託されている「CO・OP共済」が、「サービス産業生産性協議会」の「2013年度JCSI日本版顧客満足度指数」の生命保険分野で「顧客満足度(以下、CS)第1位」に選ばれましたね。今回の選出には、こちらのセンターが大きく貢献していると思います。ふだん、どのようなことに気を遣い、お客さまへの受け答えをされているのでしょう?

  • ▲マーケティングチェーンマネジメントセンター那覇 3-24係 スーパーバイザー
    金城 美穂氏

     「こちらでは、全国展開するコープ共済連さまの、西日本エリアからのご請求受付を担当しています。今回の結果は、たいへんありがたいことだと思っています。共済のご請求でお問い合わせされるお客さまは、ご病気やケガによるご心配ごとがあったり、お気落ちされていることがほとんどです。私たちはご請求を受け付ける立場ですが、単に事務的に処理を進めるのではなく、お客さまと言葉のキャッチボールを交わし、そうしたご心配、お気落ちを少しでも癒やすことができればといつも心がけながら応対させていただいています」(マーケティングチェーンマネジメントセンター那覇 3-24係 スーパーバイザー・金城 美穂氏)

「CO・OP共済」には、一般の生命保険とはやや異なる部分があるとおうかがいしています。

 「はい。共済は生命保険に比べ、『相互扶助』という性格が強くなっています。そのため、お客さまが加入されている商品について、お客さまが気づかない保障があればこちらからご案内し、請求忘れ、請求漏れがないよう気配りしているのです」(金城氏)

それには、スタッフの商品知識が要求されますね。

 「新人スタッフは、まず1カ月かけて商品について学び、その後、先輩スタッフの音声をモニタリング、それからOJTに入り、スキルの向上と商品知識を蓄えることになります。お困りごとのあるお客さまを『どう支援できるか』という考えのもと、みな積極的にそうした知識を付けていこうという意識がありますね」(金城氏)

ほか、応対面で気をつけていることはありますか?

  • ▲コミュニケーター
    下 貴代氏

     「共済の手続きは、説明が複雑になったり、ご用意いただく書類が多くなったりすることが少なくありません。またお客さまにはご高齢の方もいらっしゃいます。そのため、お客さまへのご説明でも、『きちんと伝わっているかどうか』を確認するため、ご説明をかみ砕き、さらに要所要所でご説明を区切り、お客さまがご理解いただいたかを確認して次に進むよう、心がけています」(コミュニケーター・下 貴代氏)

応対品質向上やCS向上についての取り組みについてお聞かせいただけますか?

 「6名の品質管理担当が、コープ共済連さまを担当するコミュニケーター約220名の音声を3カ月に一度確認し、品質をチェックしています。また確認後には全員と約30分~1時間の面談を行い、よかった点、悪かった点を共有し、レベルアップを手助けしています。またCSを向上させるには、受け答えするコミュニケーターひとりひとりのモチベーションが大きなカギになりますし、長期的に見て離職率を下げることが、スキル向上と大きな関連を持っています。そのため、弊社ではESも重視し、本人のやる気次第で契約社員から正社員にステップアップするキャリアパスを用意したり、育児休業制度を整えるなどの環境づくりを行っています。経験を積んだベテランは会社の財産ですから」(金城氏)

今後の展望について、教えてください。

 「冒頭申し上げたように、沖縄県はコンタクトセンターを設置する上で、いくつものメリットがあります。弊社の業務も現在さらに拡大中で、この傾向はしばらく続くことになると思います。またコンタクトセンターという部署は、従来会社の『コストセンター』的なとらえられかたをしていましたが、現在はお客さまの“生の声”を聞ける『マーケティングの最前線』とお考えになる企業さまが増えています。弊社はそうした企業さまの声に応えることができるコンタクトセンターづくりに、さらに尽力していく所存です」(吉竹氏)

  • ▲品質チェックの様子

  • ▲約220名のコミュニケーターが応対するコンタクトセンター


本日はお忙しいなか、ありがとうございました。

会社名 トランスコスモス株式会社
設立 1985年(昭和60年)6月18日
本店所在地 東京都渋谷区渋谷3-25-18
代表取締役社長兼COO 奥田 昌孝
資本金 290億円
業務内容 ビジネス・プロセス・アウトソーシング サービス
URL http://www.trans-cosmos.co.jp

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