電話応対でCS向上事例

-株式会社STUDIO ARC-
一本の電話からお客様と生涯のおつきあい

記念写真の撮影などの事業を手がけるスタジオアークは、大阪をはじめ、京都、神戸、東京、横浜などで14店舗を展開しています。お問い合わせ手段の多くが電話であることから、その応対の善し悪しが受注を左右するとのこと。そこで、同社では「もしもし検定」を活用して、従業員のコミュニケーション能力の向上に努めています。お客様のご要望にきめ細かく応える応対が新規顧客の開拓に威力を発揮しています。

まず御社の事業の内容および特徴についてお教えください。

  • ▲ヒューマンリソースセクション
    マネージャー
    植田 真名氏

     「当社は七五三や結婚式など記念写真の撮影や販売、製作、そして衣装レンタルを手がけています。先々代の社長が大阪府堺市で写真館を創業したのが原点です。数年前から多店舗化に取り組んでいるところです。当社が大切にしているのは、撮影技術に加えて、お客様とのコミュニケーションを大切にしたサービスです。撮影の前にご要望をじっくりと伺い、きめ細かなサービスの提供に努めています。また、撮影ではお客様の自然な表情をできる限り引き出すように心がけ、ご納得していただけるまで撮影しています」(ヒューマンリソースセクション マネージャー・植田 真名氏)

事業を展開していく上で、電話応対の重要性をどのようにお考えですか?

 「現在、撮影の予約をお受けするのに、電話での応対が中心となっています。お客様の多くはチラシをご覧になって、初めてお問い合わせをされるため、サービスの内容や料金について短時間でわかりやすく伝えることが欠かせません。また、記念写真の撮影では、衣装やポーズ、アルバムの種類などお客様のご要望をお聞きして、それに応える提案が重要です。最初の電話応対の善し悪しで、受注が決まるといっても過言ではないだけに、スタッフ全員が質の高いトークを行うことが求められています」(植田氏)

従来、御社ではどのような課題があったのでしょうか?

  • ▲京都店 店舗管理責任者
    井手 千景氏

    「これまで新入社員の育成は、導入研修とOJTが中心でしたが、それだけでは研修の効果が限定的で、店舗によって電話応対の質にばらつきが生じていました。特に若いスタッフは電話応対で苦戦するケースが見られたのです。一方、京阪神や首都圏へと店舗が増えている中で、サービスの質をそろえて、どの店舗でも同様に高品質のサービスを提供することが課題となっていました」(京都店 店舗管理責任者・井手 千景氏)

どのような経緯でユーザ協会を利用するようになったのでしょうか?

 「一昨年、ユーザ協会から講師の方を派遣していただいたのがきっかけです。その方には電話応対のマニュアル作成で尽力していただいています。また、昨年から新入社員のマナー研修も依頼しました。これに伴い、店長や店舗管理責任者クラスから『もしもし検定』の受講・受検を進めています。現在、3級の合格者が約40名にまで増えました。今後、本部スタッフを含めて社員全員が受講した後、スタッフ全体の約8割を占めるパート・アルバイトの受講・受検も検討していきます」(植田氏)

講師による指導および「もしもし検定」への取り組みを通じて、サービスの提供でどのような成果が出ていますか?

 「講師の方からは敬語の使い方や言葉のアクセント、語尾の注意、声のトーンといった細かい点に至るまで、きめ細かく指導していただいたことで、電話応対のレベルが着実に向上したと実感しています。そのため、新人でも自信を持って電話をとることができるようになりました。今年度中にはマニュアルが完成する予定で、これによってサービス・レベルのさらなる向上を図っていく考えです」(井手氏)

お客様との良好な関係を築く上で、一本の電話が大切なのですね。

 「記念写真を撮影して提供するサービスは、誕生後のお宮参りから始まって、七五三、入学、入社、結婚などと末長く続くものです。それだけに最初の電話応対が、お客様との一生のおつきあいにつながるわけであり、何よりも大事にしなければならないと感じています。まさに一本の電話応対にCSのすべてがかかっているといえるでしょう」(井手氏)

「もしもし検定」をきっかけにして、電話応対に関して、独自の取り組みを行っているとのことですが?

 「受講・受検の成果を確認するため、本社から各店舗に『覆面電話』をかけることがあります。また、社内で年に一回、『もしもしコンテスト』を開催しています。これは「お宮参り」などさまざまなテーマを設けて、それに関連した電話応対を店舗同士で競うものです。参加者はあらかじめスクリプトを考案し、一人当たり3〜5分のトークを行います。その結果を審査して、表彰を行います。店舗同士が互いに切磋琢磨することで、全体の底上げにつながっていると思います」(植田氏)

「講師の方が考案されたスクリプトは、電話応対時にすぐに実践できるものばかりで、CS向上につながると実感しています」(植田氏)

「自ら電話応対に関する指導を受けたことで、それを店内で実践することで、スタッフのコミュニケーション能力の向上に努めています」(井手氏)

「もしもし検定」を有効に活用することで、電話応対のレベルを全社で高める取り組みは素晴らしいですね。 これからのCS向上に向けた活動に期待しています。

▲店内風景

会社名 株式会社STUDIO ARC
創業 1978年(昭和53年)4月
本社 大阪府堺市北区百舌鳥梅町3-44-7
代表取締役社長 泉谷 篤彦
資本金 1,000万円
主要業務 記念写真の撮影・販売・製作・衣装レンタルなど

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