電話応対でCS向上事例

-FSX株式会社-
お客さま一人ひとりに合わせた応対を「新しいおもてなしの創造」につなげる

記事ID:C20020

新型コロナウイルスが猛威をふるう以前から、抗ウイルス・抗菌の技術を用いたおしぼりを開発するなど、おしぼり事業を中心に拡大してきたFSX 株式会社。「新しいおもてなしの感動を創造し、世界中に笑顔をお届けする」という企業ミッションを実現するために、電話応対で心がけていることをお聞きしました。

事業概要についてお聞かせください。

専務取締役 秋葉 勝氏

 レンタルおしぼり業の『藤波タオルサービス』として、1967年(昭和42年)に創業しました。その後、レンタルおしぼりの売上を伸ばしていくだけでは事業基盤が弱いと考え、全国約30社の同業社と組んで、商品の提供やバックヤード業務の支援を行うパートナー事業を手がけるようになりました。近年では、『VB※(ブイビー)』という抗ウイルス、抗菌の特許技術を持つサイエンス事業に力を入れています。事業を拡大する中で「Fujinami のService を無限に掛け合わせる(eXpress)」という想いを込めて、創立50年を機に『FSX株式会社』に社名を変更しました。(秋葉氏)

おもてなしを表現するために、電話応対の品質を一から見直すことに

電話応対の体制や、これまでの取り組みについてお聞かせください。

  • 総務部 総務課
    係長 日下 恵利子氏

     総務部の7名の社員ですべての電話に応対しています。以前は「電話応対が良くないね」というクレームをいただくことがありました。電話はお客さまとのファーストコンタクトとなるので、おもてなしを表現するために、一から見直しを図りました。音声のモニタリングや模擬応対に始まり、最近では音声を文字に起こし見直しています。音声を聞くだけでは素通りしてしまうことも、文字に起こすと視覚的に捉えられるため、口ぐせや文章の長さが一目瞭然になります。それらを見ながら、どうすれば伝わりやすい表現にできるかを皆で考えています。見直しを始めてからお褒めの言葉をいただくことが多くなり、励みになっています。(日下氏)

電話応対において、御社が心がけていることを教えてください。

総務部 総務課
伊藤 麻衣子氏

 会社のミッションである「新しいおもてなしの感動を創造する」を、電話応対でも表現できるよう、お客さま一人ひとりに合わせる応対を心がけています。お客さまには接客のプロであるホテルの方もいらっしゃれば、日本語があまり得意ではない外国の方もいらっしゃいますので、相手の立場に立った分かりやすい言葉で伝えることを大切にしています。(日下氏)

 例えば、外国の方からおしぼりの配達日を聞かれた際に、「明日、お持ちいたします」と言っても通じないことがあります。そういう時は、すぐに「明日、持っていきます」という平易な言葉に切り替えるなど、相手や状況に合わせた応対を意識しています。(伊藤氏)

 他にも、CTIシステムを導入して、受話器を取る前にお客さまの情報を把握できるようにしています。そうすることで、スムーズな応対が可能になり、社員にとっても電話の相手がわからないというストレスが軽減されたように思います。(日下氏)

電話・FAX注文を減らすため、お客さまが簡単に注文できるアプリの開発に取り組む

少人数ですべてのお問い合わせに応対するために工夫していることを教えてください。

 総務部の通常業務を行いながら電話に応対しているため、いかにお客さまとの電話接点を効率化するかが課題でした。そこで2年ほど前から、スマートフォン・タブレット・パソコンなど、どのような端末からでも簡単に注文できるアプリを開発しました。その結果、徐々に電話やFAXの注文は減ってきました。現状のアプリには、お客さまからのお問い合わせに応える一方通行のコミュニケーション機能しか備わっていないのですが、今後はこちらからもお知らせを送信できるプッシュ通知機能も搭載したいと考えています。(日下氏)

電話応対技能検定(もしもし検定)で築いた応対の土台が、相手に合わせる「おもてなし」につながる

もしもし検定や電話応対コンクールに参加して、何か成果を感じていますか。

 相手に合わせた応対をするためには、確固たる応対の土台が必要です。その土台があるからこそ、相手に合わせた応対ができると思っています。もしもし検定は、電話応対だけではなく、接客の基礎をしっかりと学べるので自分たちの応対に自信が持てるようになりました。また、コンクールでは、一つのケースに対して言葉の意味や話の流れを深く考えるので、日常の電話応対においても、説明の順番や言葉の選び方を意識するようになったと思います。さらに、外部研修で社外の方から評価していただくことも自信につながっています。社内研修では、常に同じメンバー同士で評価し合うので、「本当に正しい応対なのか」と不安になることがあります。外部講師の方からの評価は、そうした不安の解消にもつながっていると思います。(伊藤氏)

 FSX では人事制度改革の一環として、もしもし検定の取得を条件とする資格制度を検討しています。資格制度があると、会社が求めるスキルや人物像が明確になり、「応対スキルを高めたい」というモチベーションにつながると期待しています。また、もしもし検定は、級が細かく分かれているので、段階的にスキルアップができる点も良いですね。私自身も、取引先やお客さまからお褒めの言葉をいただくと、会社全体が褒められているような気がして嬉しいんです。一人ひとりがスキルアップすることで、会社全体の「おもてなし」につなげていきたいと思っています。(秋葉氏)

コロナ禍で注目が高まる抗ウイルス・抗菌のVBの技術を活用して、海外にも積極的に進出したい

最後に、今後の目標について教えてください。

本社外観

 人財開発、商品開発、研究開発、それぞれの面でチャレンジしたいですね。実は、『VB(ブイビー)』は10年以上前から開発してきたのですが、これまで、なかなかお客さまに響かなかったんです。コロナ禍で、ウイルスを抑制することが価値として認識され、その技術が高く評価されるようになりました。これをきっかけにサイエンス事業を一つの柱として、今後は海外展開にも積極的に取り組みたいです。(秋葉氏)

 これからも、お客さまに笑顔をお届けできる応対を目指したいです。今は、変化の激しい時代で、会社も大きな変革の時を迎えています。それに合わせた応対スキルや業務知識を身につけることはもちろん、これまで培ったおもてなしの心を大切にしながら、お客さま一人ひとりに対して臨機応変な対応をしていきたいです。(日下氏)

 私個人としては、もしもし検定1級に挑戦したいです。私は、もしもし検定を受けることで、電話応対の確固たる土台を築き、お客さま一人ひとりに合わせた応対ができるようになってきたと思っています。今後もさらに応対力を磨いて、自信につなげたいと思います。そして自分が学んだことを後輩たちにも伝え、メンバーが自信を持っておもてなしの応対ができるようサポートしていきたいです。(伊藤氏)

※ VB(ブイビー):東京工業大学と慶應義塾大学発の合同ベンチャーとFSX の共同研究によって生まれた、抗ウイルス・抗菌を安全に叶える特許技術(特許第6739772号)。

会社名 FSX 株式会社
創 業 1967年(昭和42年)9月20日
本社所在地 東京都国立市泉1-12-3
代表取締役社長 藤波 克之
事業内容 業務用おしぼりの販売・レンタル業、サイエンス事業など
URL http://www.fsx.co.jp/
〔ユーザ協会会員〕  

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