電話応対でCS向上事例
-日本食研ホールディングス株式会社-電話応対技能検定(もしもし検定)受検は基礎力アップ、電話応対コンクール参加は実力の伸びを測る機会
愛媛県今治市に本社を置く日本食研ホールディングス株式会社は、過去10年にわたり電話応対教育を強化。さらに全国の拠点を結ぶ社内SNSでの情報交換が、社員の積極的な応対品質向上への意識を高めています。
事業概要について教えてください。
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▲愛媛総務部 総務グループ グループリーダー 飛鷹 誠氏
弊社はブレンド調味料を主体に、食材や加工食品を製造から販売まで一貫体制で行う食品メーカーです。小売店の店頭などで弊社製品をお見かけいただいている方もいらっしゃると思いますが、実は小売向けは1割程度で、9割は業務用の食品や調味料となっております。惣菜コーナーを持つスーパー、弁当店などの中食産業、さらには外食産業など、食に関わるあらゆる事業者が、弊社の取引先です。(飛鷹氏)
御社と電話応対との関わりについて教えてください。
弊社は製販一貫体制をとっているため、営業員は今ある製品を販売するだけでなく、得意先のニーズをしっかりと汲み取り、研究部門に伝え、ご満足いただける新製品の開発につなげることが求められています。ただ得意先から電話をいただいた時、外出中の営業員に代わり、内勤の者が応対することもしばしばです。そのためには、さまざまな質問に答えることができる知識と、しっかりとした応対マナーを身につけることが求められます。(飛鷹氏)
正しい応対を社員に学ばせることが社員の幸せにつながると確信
これまでの電話応対で、どのような課題があったのでしょうか。
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▲オーストリアのベルベデーレ宮殿をモチーフに建設された「KO宮殿工場」
2007年、私が総務グループに着任した時にまず感じたのは、大代表の電話に受け応えする部署にも関わらず、その応対品質が今一つだということでした。応対マニュアルは用意されていましたが、一人ひとりにそれを実践する心構えが薄く、言葉づかいも人それぞれという印象を抱きました。個々人の意識レベルから改革していかなければ、お電話をいただくお客さまにご満足いただくことはできないと思いました。(飛鷹氏)
具体的にはどのような対策をとられたのでしょうか。
まず、日本電信電話ユーザ協会に電話応対診断を依頼しました。その結果は危惧していたとおり、言葉づかいに難があり、発声も良くないというものでした。そこで引き続きユーザ協会に講師の紹介をお願いし、ボイストレーニングと電話応対の基礎講習を受けたのです。そしてこの講習で社員を指導する講師の姿を見ているうちにあることに気づきました。それは、電話でも対面でも、きちんとした言葉づかいで相手のことを思いやって会話ができるようになれば、その人の人生がきっと豊かになるだろうということです。そして正しい応対を社員に学ばせることは、社員それぞれの幸せにつながると確信しました。そこで電話応対教育に、一層の力を入れることにしたのです。(飛鷹氏)
電話応対コンクール参加への過程で、電話応対の「深さ」を実感
その後の教育内容について教えてください。
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▲愛媛総務部 総務グループ 主任 木村 水保氏
電話応対教育のプロジェクトチームを組み、まず電話応対コンクールへの出場を目指しました。そして初めて参加した2010年のコンクールで、総務グループの木村が地区大会で優秀賞を獲得し、県大会まで歩みを進めたことで、弊社にも上位を狙える優秀な社員がいることを肌で感じることができました。(飛鷹氏)
電話応対コンクールは、これまで知らなかった電話応対の“深さ”を味わうことができました。参加に向けての練習で、“良い応対”は言葉づかいだけでなく、発声、相槌、間の取り方など、さまざまな要素を組み合わせて成り立っているということを知り、目から鱗が落ちるようでした。(木村氏)
近年急速に、電話応対技能検定(もしもし検定)の受検者数が伸びている理由を教えてください。
もしもし検定は、2010年から新入社員の研修の一環として導入しました。ここ数年受検者数が急増した要因は、「チャター」という社内SNSをイントラネットに設置したためと分析しています。このチャターには、全国で働く4,000名を超える社員の誰もがアクセスできます。(飛鷹氏)
このチャターの「コンシェルジュのミーティングルーム」という電話応対についてのトピックで、電話応対そのものについての議論のほか、もしもし検定や電話応対コンクールに向けての準備、検定に合格してどれほどの効果があったかなどの会話が交わされています。ほかの拠点の活動状況も分かるので、それが拠点相互の競争心を刺激しているようです。(木村氏)
優れた電話応対を身につけることが、これからの人生の宝に
今後の目標について教えてください。
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▲KO宮殿工場のエントランスで来訪者を迎える、日本食研グループのキャラクター「バンコ」の石像
私は現在2級を取得しておりますが、これまでの歩みの中で、自分自身、お客さまのお電話への応対力がどんどん向上しているのがよく分かります。より多くの社員にもしもし検定を受けてもらい、そうした実感をともに味わってもらえればと思います。(木村氏)
弊社では、もしもし検定は基礎力アップのため、電話応対コンクールはどこまで実力が伸びたのかを測る機会と考えています。できることなら、お客さまと直接会話する部署以外の、例えば研究や製造部門の社員にも電話応対コンクールに参加してもらい、電話応対、ひいてはお客さまに接し、ご満足いただくことの大切さを実感してもらいたいと思います。そこにはきっと気づきがあり、それぞれの人生の大きな宝になっていくはずですから。(飛鷹氏)

会社名 | 日本食研ホールディングス株式会社 |
---|---|
設立 | 1973年(昭和48年)2月13日(創業・1971年10月1日) |
本社所在地 | 愛媛県今治市富田新港1丁目3番地 |
代表取締役会長 | 大沢 一彦 |
代表取締役社長 | 大沢 哲也 |
資本金 | 3億8,800万円 |
事業内容 | ブレンド調味料(液体・粉体)及び加工調理食品の販売、研究開発 持株会社としてのグループ戦略立案及び各種事業会社の統括管理 |
URL | http://www.nihonshokken.co.jp/ |
電話応対技能検定実施機関
株式会社オフィスキュー
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