電話応対でCS向上事例
-株式会社ファンケル-人材教育プログラムの一環として「企業電話応対コンテスト」「電話応対技能検定(もしもし検定)」を効果的に活用
2014年に持株会社制に移行したファンケルグループ。社員教育やスキルアップ制度を積極的に導入し、組織のレベルアップとともにお客さまへの応対品質向上にも着実な成果を上げています。
御社の事業内容について教えてください。
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▲株式会社ファンケル
ファンケル大学 研修部
コンタクトセンターグループ
課長
川上 直美氏「弊社は1981年、当時社会問題となっていた『化粧品による肌トラブル』から『添加物をいっさい使わず、使う人の肌を美しくする本物の化粧品を届けたい』との想いで創業しました。その後、健康食品事業、肌着や雑貨販売にも進出しました。昨年4月には事業会社を分社化し、持株会社制へと移行、ファンケルはグループ会社の管理・統括を行っております」(川上氏)
グループ全社員を対象に、さまざまな研修プログラムを持つ「ファンケル大学」
「ファンケル大学」とは、どんな組織なのでしょうか。
「ファンケル大学は、創業者の『社員教育の強化を図りたい』という考えのもと、人事及び店舗と窓口部門の教育部門を統合し、発足しました。全社の正社員、店舗スタッフ、コンタクトセンターのTC(テレコミュニケーター)の教育にあたっております」(川上氏)
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▲ファンケル大学内に掲示されている大学の行動指針と、創業者の理念が伝わる日めくりカレンダー
御社の電話応対への取り組み、品質向上への努力について教えていただけますか。
「弊社は通信販売から始まったこともあり、電話応対については業界をリードしてきたという自負があります。ただ現在は他社に追いつかれているという実感から、今一度注力しているところです」(川上氏)
品質向上を目指すための教育カリキュラムは、どのようになっていますか。
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▲株式会社ファンケル化粧品
マーケティング本部
美容情報開発推進部
美容相談グループ
部長 兼 課長
高橋 市子氏「大学内のトレーナーはTCの電話応対の基本教育を行うほか、現場のOJT教育の向上のために、事業会社のフロアトレーナーを教育し、そのフロアトレーナーが現場でTCの指導・教育を行っております」(川上氏)
「TCの教育には『スキルアップ制度』を採り入れています。TCはまずスタッフ社員(パート社員)として入社し、半年ごとの評価で査定をします。そして昇給・昇格に応じた研修を受け、上を目指すという流れです。給与はレベルに連動します。上位レベルからは契約社員、正社員へのキャリアパスもあります。TCは自分の将来像を描けますし、現場出身の社員もTCと理解度の高いコミュニケーションが可能となるのです」(高橋氏)
客観的な評価と他社との比較ができる「企業電話応対コンテスト」
コンテストへの参加動機について教えてください。
「コンテストでは、客観的な評価と、業界他社と比べどんなポジションにあるかが分かります。そのため弊社では複数の部署で参加しています」(川上氏)
ファンケル大学は、コンテストにどのようなサポートを行っているのでしょう。
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▲株式会社ファンケル
ファンケル大学 研修部
コンタクトセンターグループ
トレーナー
栁 麻由氏「上位入賞だけが目標ではなく、ふだんの応対品質を高める努力が入賞に結びつくことが理想です。大学トレーナーがフロアトレーナーと密接にコミュニケーションや研修の共有化を図り、理想の実現化を目指しています」(川上氏)
「大学の行動指針は『響育』『驚育』『競育』という“三つのきょういく”です。コンテストはこの“三つのきょういく”の価値観を学び、発揮する良い機会です。またコンテストの“当事者”であるTCに他社も含めた上位入選した応対を聞いてもらうことによって、すぐれた部分を学び取ろうという意欲につながっています」(栁氏)
コンテストの参加で「お客さまを見て感じて伝えること=コミュニケーション」を確信
実際にコンテストに参加することで、現場の意識や応対に変化はありましたか。
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▲株式会社ファンケル化粧品
マーケティング本部
美容情報開発推進部
美容相談グループ
フロアトレーナー
石井 明代氏「コンテストに参加された企業さまで、お客さまが求める情報を一気に伝えるのではなく、お話をうかがいながら優先度の高い情報を選別し、順序立ててお伝えしている応対がありました。この経験が、自分たちは『伝えたい』という思いだけが先行しているのではないかという反省につながりました。またコンテスト参加当初は、電話がかかるたびに『頑張って良い応対を』という気負いがありました。しかし現在は『ふだんの対応をそのまま評価してもらえれば』と、リラックスができています。コンテストを“楽しむ”とまではいきませんが、“素の状態”でどれだけ良い応対ができるか、TC個人個人が考えています」(石井氏)
「コンテストに参加したことで、『マニュアルを伝えること=インフォメーション』、『お客さまを見て感じて伝えること=コミュニケーション』という考え方が明確化しました。大学としては、この『コミュニケーション』の方向で指導していけるよう、心がけています」(栁氏)
昨年は「美容相談室」がコンテストで上位入選しました。
「これは組織として応対品質向上に取り組んできた成果だと思っています。この結果は所属メンバー全員に大きな喜びと自信を与え、さらに品質を高めようという意識につながりました」(高橋氏)
「大学としても、取り組みの方向が正しかったことが分かり、うれしく思います。今後も参加部署すべてが上位入選できるよう、サポートしていきたいと思っています」(川上氏)
「もしもし検定」の有資格者は、社内外の研修で活躍中
御社は「もしもし検定」の実施機関でもいらっしゃいます。今後の「もしもし検定」への取り組みについてお聞かせください。
「指導者級資格保持トレーナー、ほか大学トレーナーが、日々の社内研修、お取引先さまを中心とするビジネスマナー研修、電話応対研修を行っています。今年度はまず大学のトレーナーが受検し、有資格者となることを目標としています」(川上氏)
最後に、ユーザ協会に対してのご要望などがあれば、お願いします。
「弊社ではシニア対策、またメールやSNSなど新たなメディアへの適切な対応が課題になっています。自社でもこれらの課題に対応すべく研修などを行っておりますが、より時代の流れにキャッチアップした情報をご提供いただけるとありがたいです」(栁氏)

▲専門スキルを持ったTCを配置した美容相談室のコールセンター

会社名 | 株式会社ファンケル |
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設立 | 1981年(昭和56年)8月18日 |
所在地 | 神奈川県横浜市中区山下町89-1 |
代表取締役社長 執行役員 |
宮島 和美 |
資本金 | 107億9,500万円 |
事業内容 | グループ会社の管理・統括(グループ会社:化粧品、健康食品、発芽米、青汁の製造・販売) |
URL | http://www.fancl.jp/ |
電話応対技能検定実施機関
株式会社ファンケル
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