電話応対でCS向上事例
-株式会社長坂養蜂場-“ぬくもり”を合言葉に経営理念を作成し、お客さま満足度もスタッフの満足度も向上
はちみつの生産販売を軸に事業を展開している長坂養蜂場。1935年に初代・長坂 喜平氏が創業し、現在は三代目の長坂 善人氏が80年続く同社の技術とこだわりを受け継ぎ、高品質な純粋はちみつの生産・販売をしています。商品の品質だけでなく、すべてにおいて“ぬくもり”を大切にすることで、CSとES、両方の向上を目指しています。そんな同社に、“ぬくもりへのこだわり”についてうかがいました。
御社の沿革について教えていただけますか?
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▲代表取締役社長
長坂 善人氏「創業は昭和10年。私の祖父が初代になります。もともと身体が弱かった祖父がはちみつにより健康を取り戻し、これを事業にしたいと考えたところから弊社はスタートしています。ここ静岡県三ヶ日町は、みかんの産地として江戸時代から知られる町です。みかんの花は5月に咲くのですが、そこから採れるはちみつが香り高く、見た目もきれいで美味しい、というのが、現在も弊社がこの町を拠点にし続けている大きな理由です。また、この土地の温暖な気候が養蜂に向いていることも、その理由の一つです。初代の頃は、はちみつを生産するだけでしたが、二代目である父の頃から『いつでもはちみつが食べたい』というお客さまの声に応え、加工食品として『はちみつ飴』の販売をスタートさせました。その頃から、生産だけでなく加工食品の販売にも力を入れるようになりました」(長坂氏)
スタッフの大切さを再認識し、経営理念を作成
御社では“ぬくもり”を大切にしているとのことですが、その理由を教えていただけますか?
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▲社内に掲示された「創業の精神、経営理念、行動指針」
「私は入社後にさまざまな改革を行い、売り上げを向上させることはできました。しかし、社内の雰囲気はどこかギスギスしたものになっていました。その頃の弊社は『お客さま第一』を旗印にしていたのですが、ある講演会で、私は一つの言葉に出合いました。『企業が一番大事にしなくてはいけないのは、スタッフとその家族である』。その時に初めて私は、ESの大切さを知り、“会社は誰のためにあるのか”を考えるようになりました。そこから一年をかけて熟考し、“ぬくもり”を合言葉に、『ぬくもりある会社をつくりましょう』という経営理念を掲げました」(長坂氏)
“ぬくもり”を合言葉にしたのはなぜですか?
「“ぬくもり”、というのは、人を思いやる気持ちです。“ぬくもり”(思いやり)が弊社スタッフを通じて社会にリレーしていってほしいと考えたからです。これからも日々、この店舗から“ぬくもり”を発信していきたいと思っています」(長坂氏)
スタッフの満足度を向上させるために、されていることはありますか?
「スタッフと家族との関係に、“ぬくもり”がなくては、仕事にも悪影響を及ぼします。ですので、スタッフにもつねづね『家族を大切にしてください』と伝え、3月8日の“ミツバチ”の日には、いつも支えてくれている家族に恩返ししてほしいと、各スタッフに家族孝行手当を支給したりしています」(長坂氏)
接客や電話応対においても“ぬくもり”を重視
電話応対においてもやはり“ぬくもり”を大切にされているのでしょうか?
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▲お客さまからの電話に応対する「ぬくもり通絆室(つうはんしつ)」
「電話応対は、顔の見えない声だけのコミュニケーションですが、“ぬくもり”を届けることを意識しています。電話に応対したスタッフに会いに、お客さまがわざわざお店にお越しくださったこともあります。技術も大切ですが、それ以上に、接客においても電話応対においても『お客さまにぬくもりを届けたい』というマインドの部分を重視しているのです」(長坂氏)
“ぬくもり”を届けるために、具体的にはどのようなことをされているのでしょうか?
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▲ほっとメッセージ(付箋)とスタッフ手製の地域情報
「商品を発送する際に、『ほっとメッセージ』という手書きのメッセージを封入しています。しかし必ず書くことは難しいので、スタッフには『できる範囲、で書きたいことがあった時に』と伝えています。たとえば、『お買い上げありがとうございます』と書いてあるにしても、手書き、というだけで“ぬくもり”を届けられますよね」(長坂氏)
「もしもし検定」を知識の補完に活用
「もしもし検定」を知識の補完に利用されていますね。
「はい。弊社ではこれまで、方法論よりも、『人としてのあり方』を勉強することに比重を置いてきました。つまり、やり方よりも気持ちを大切にしてきたのです。そのため、ビジネスマナーといった基本的なことが、おざなりになっていた部分がありました。そんな時に『もしもし検定』の存在を知りました。『もしもし検定』は電話応対だけでなく、言葉遣いや正しいマナーなど、社会人にとって必要なスキルを多く学べると感じました。また、私自身もまだまだ未熟ですので、『もしもし検定』を通してさらに成長できればと考え、2級を受検し、取得しています」(長坂氏)
電話応対コンクールへの参加もされていますが、参加された感想をお聞かせください。
「以前、スタッフの一人が地区予選を通過し、県大会に出場した際、スタッフと一緒に応援に行きました。出場したスタッフも喜んでいましたが、応援することを通じて、社内の絆も深まりました」(長坂氏)
今後は、「もしもし検定」をどのように活用されていきたいとお考えですか?
「『もしもし検定』は、電話の応対だけでなく、お客さまとの接客にも活かせる知識が豊富ですので、今後は全スタッフに受検してほしいと思っています。また、検定の合格は自信にもつながります。さらに上位の検定級を目指すスタッフの存在は、ほかのスタッフにとっても刺激になるでしょうし、『もしもし検定』を受検することはお客さまにもスタッフにも会社にも良いことだと考えています。将来的には、企業電話応対コンテストにもチャレンジしてみたいですね」(長坂氏)
▲“ぬくもり”を発信している同社の店舗及びはちみつ加工食品。
会社名 | 株式会社長坂養蜂場 |
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設 立 | 1935年(昭和10年)1月1日 |
所在地 | 静岡県浜松市北区三ヶ日町下尾奈97-1 |
代表取締役社長 | 長坂 善人 |
資本金 | 1,300万円 |
スタッフ数 | 29名(2014年10月1日現在) |
主な事業内容 | はちみつの生産及び販売、はちみつ加工食品の販売 |
URL | http://www.1183.co.jp/ |
電話応対技能検定実施機関
公益財団法人日本電信電話ユーザ協会 静岡支部
http://www.shizuoka.jtua.or.jp/関連記事
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