電話応対でCS向上事例

-ダイキン工業株式会社-
各担当グループがフロアを共有することで、情報共有の円滑化を促進

現代社会において、エアコンなどの空調機器は、快適な生活に欠かせないだけでなく、病院など人の生命にかかわる分野で重要な役割を担っています。また生鮮食品の倉庫やサーバールームなど、私たちの日常生活を支える重要なインフラにも、空調機器は不可欠な存在です。そのため、万一のトラブルの際は、他の工業製品以上に迅速な対応と解決能力が求められます。今回は、空調機器大手であるダイキン工業の東日本コンタクトセンターで、同社のお客さま応対のポイントをおうかがいしました。

まず、お客さま応対について、心がけていることを教えてください。

  • ▲東日本コンタクトセンター室長
    植村 学氏

     「私たちダイキン工業は、『最高の信用』『進取の経営』『明朗な人の和』という社是のもと、『速さ、確かさ、親切さ』をモットーとして、お客さまに応対をさせていただいております。空調機器の故障は、お客さまにとってたいへん不便をおかけするものですから、できるだけ早く駆け付けて、早く、確実に直すことを心がけております。おかげさまで弊社のサポートやアフターサービスは『サービスのダイキン』として、お客さまからも高い評価をいただいております」
    (東日本コンタクトセンター室長・植村 学氏)

こちらのコンタクトセンターには、どのような特徴があるのでしょう?

 「はい。まず、受付は、一般のお客さまも、弊社とお取引のある業者さまなども、ともに同じ電話番号で受け付け、東西2箇所のコンタクトセンターで応対させていただいております。これは、お問い合わせの内容によって電話番号が違ったりすることで、お取引先さまも含めたお客さまにご不便をおかけすることがないよう、配慮したものです。またコンタクトセンターは24時間、年中無休でお電話を受け付けています。空調機器には、病院や冷凍倉庫など、緊急性を要する施設で使われているものも数多くありますから」(植村氏)

  • ▲東日本サービス部・片山 幸則氏

  • ▲東日本コンタクトセンター企画グループ
    佐伯 紗綾香氏

同じ電話番号でさまざまなお問い合せを受けるにあたり、御社内の体制はどのように工夫されていらっしゃるのでしょう?

 「はい、こちらのセンターでは、修理グループ、技術グループ、部品グループ、そして企画グループが、ひとつの同じフロアで執務しております。お客さまのお電話は、そのお問い合せ内容に応じてそれぞれの担当グループが適切な応対をさせていただくことになりますが、場合によっては複数のグループでのやりとりも必要になります。同じフロアでお客さまからのお問い合せをうけたまわることで、コンタクトセンター内の情報共有をスムーズにし、お客さま応対の向上に役立っているのです」(植村氏)

御社の場合、点検や修理は、基本的にお客さまの会社やご自宅を訪問する形になると思います。そうした要員手配等でお客さまをお待たせすることはないのでしょうか?

 「弊社は全国各地にサービスステーションを設置しており、そちらと同じ情報を共有するシステムでネットワークを組んでいます。お客さまからお問い合せをいただいた段階で、そのエリアの担当サービスステーションの最短訪問可能日がわかるようになっているため、まず日程の調整でお待たせすることはありません。またよほどの繁忙期を除けば翌日、緊急と判断される場合は当日にもご訪問出来る体制をとっております。」(東日本サービス部・片山 幸則氏)

またエアコンをはじめとする空調機器は、シーズンごとにお問い合せの件数が大きく異なると思います。そのあたりの体制づくりについてお聞かせいただけますか?

 「東西のコンタクトセンターで、通年業務についている者は、約600名です。空調機器については、やはり夏シーズンに故障等のお問い合せが多くなります。そこで繁忙期には200名ほど増員し、いただいたお電話すべてに応対することを目指しています」(片山氏)

御社は製品数も多く、そうした繁忙期のスタッフの教育は、たいへんではないですか?

 「繁忙期に増員するスタッフは、毎年この業務に就いているベテランもいますが、もちろん弊社での勤務がはじめての方もいます。未経験者は、このコンタクトセンターにある研修室で、10日間のトレーニングを受けることになります。こちらには実際の業務で使うものと同じPCに同じシステムがインストールされており、効率的にトレーニングできるようになっています。また、これと並行し、業務に就く前に4時間の『マナー研修』を義務づけています。これは、商品知識や業務中心の応対だけでは、決してお客さまご満足をいただけないという考えからです」(東日本コンタクトセンター企画グループ・佐伯 紗綾香氏)

  •    ▲コンタクトセンターにある研修室      ▲もしもし検定

そのほか、個別のスタッフのスキルアップについてはいかがでしょうか?

 「社内全体のスキルアップのため、日本電信電話ユーザ協会の『電話応対技能検定(もしもし検定)』に定期的に参加し、技能の向上を目指しています。また社内においても同様のコンクールを実施し、全体スキルの底上げとスタッフ個々人のやる気向上をうながしています」(佐伯氏)

お客さまにご満足いただくためには、スタッフのモチベーションも大切な要素ですよね?

 「はい。そこは非常に重要視しています。コンタクトセンターのスタッフの満足度を高めることで、弊社への愛着心もわき、お客さまへの応対も充実したものになると考えています。弊社ではひとりあたりの作業空間はもちろん、休憩室のスペースなども十分にとり、労働環境に配慮しています。またお客さまから寄せられた満足の声は、コールセンターだけでなく、サービスステーションのスタッフにも共有しています」(佐伯氏)

そうした声が耳に届くのは、本当にうれしいですね。本日はありがとうございました。

会社名 ダイキン工業株式会社
設立 1934年2月11日
本社所在地 大阪市北区中崎西 2-4-12
代表取締役社長兼執行役員社長 十河 政則
資本金 850億3,244万円
事業内容 空調・冷凍機、化学、油機及び特機製品の製造(工事施工を含む)、販売

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