電話応対でCS向上事例

-日本ATM株式会社-
全社一丸となった「社内応対コンテスト」で“求められる電話応対”を追求

銀行ATMを軸に事業展開する日本ATM株式会社は、グループ企業を含めたライブ形式の「社内応対コンテスト」を毎年開催しています。全国から選ばれたファイナリスト10名が優勝を争った「決勝戦」の会場で、社内応対コンテスト開催の動機や同社の目指すものについてうかがいました。

事業概要について教えてください。

  • ▲ビジネスソリューション部門 オペレーションサービス事業本部長 奥村 基昭氏

     弊社はATMの販売、保守、内部アプリケーション開発を事業の中心としている会社でした。その経験を活かしATMを軸として事業を拡大し、現在はATMのリモート監視や、ATMに現金を補充、回収する警備連携業務など、ATMに関わるさまざまな業務を手がけています。(奥村氏)

お困りのお客さまに適切かつ寄り添った受け答えで接遇

御社と電話応対との関わりについて教えてください。

 ATMの横には、お客さまからトラブルの報告や問い合わせを受け付ける受話器が備えられています。弊社が監視するATMでは、受話器を取ると銀行ではなく、弊社のオペレーションセンターに電話がつながるようになっています。現在、国内にあるATMの2台に1台は弊社のセンターにつながるとお考えいただいて結構です。(奥村氏)

そうしたお客さまからのお問い合わせにおいて重視していることを教えてください。

  • ▲オペレーションサービス事業本部 業務改革統括部 サービス品質管理部 教育推進課 内田 佐也子氏

     お客さまが受話器をお使いになるのは、操作が分からない、カードが吸い込まれて返ってこないなど、お困りごとに直面している時です。そのため状況をきちんと把握して適切な対応をとることはもちろん、不安になっているお客さまに寄り添う応対が求められます。そしてATMではご自宅からのお電話とは異なり、周囲にほかのお客さまがいらっしゃることが考えられます。個人情報をうかがう時は「小さな声でお話しください」とお伝えするなどの気配りも欠かせません。(奥村氏)

     またATM以外にも銀行、カード会社の紛失対応業務も受託しております。そうした業務では、お客さまに必要な情報をできるだけ分かりやすく、コンパクトにお伝えすることを心がけています。カードを紛失されたお客さまは、複数社に紛失を連絡しなくてはならない場合が多く、短い時間での適切な応対が求められるからです。(内田氏)

当初の目的は達成、現在は「時流に合った応対」の浸透へ

「社内応対コンテスト」を始めた動機、これまでの歩みについて教えてください。

 社内応対コンテストは今回で13回目となります。そもそもの動機は、拠点数拡大にともない生まれた応対品質のばらつきを解決したいというものでした。第1回はテープ審査でしたが、参加へのモチベーションを高めるため、第2回からは、日本電信電話ユーザ協会の「電話応対コンクール」を参考に、現在のようなライブ形式をとることになりました。さらに、社内及びお取引先さまの見学希望者が増えたことで、第7回から外部の会場を借りて開催しています。(内田氏)

選手はどのように選出されるのでしょう。

 弊社ではお取引先さまごとにチームを作っていて、そのチームから1名が代表として出場、録音審査により選ばれた上位10名がこの決勝に出場します。今年は46チームでの予選となりました。(内田氏)

当初の目的である「応対品質のばらつき」は、すでに達成されたのでしょうか。

 毎年の開催を通じ、品質の均一化には大きな成果がありました。現在は、その品質を保つこと、さらに時代に応じて変化するサービスのあり方を考え、全体に浸透させることを新たな目標としています。(内田氏)

社内応対コンテスト上位入賞でモチベーション向上、チームの一体感も醸成

時代に応じたサービスのあり方について具体的な例を教えてください。

 例えば高齢化社会の到来にともない、「振り込め詐欺」の被害が増えています。私たちは第9回に「振り込め詐欺抑止」、第11回に「高齢者対応」をテーマに社内応対コンテストを行いました。こうした内容は研修を通じて各チームに周知することが一般的ですが、社内応対コンテストの課題としたことで興味が集まり、いち早く知識やスキルを広げることができたと思います。そして、実際に振り込め詐欺の被害を防ぐことにも複数回成功し、それぞれ警察署から表彰状をいただいています。(内田氏)

社内応対コンテスト上位入賞者には報償といったものはあるのでしょうか。

  • ▲「社内応対コンテスト」表彰式の様子

     金額は申し上げられませんが、本日出場したファイナリスト10名には順位に応じた商品券を贈呈しています。でも、実際にはそうした賞品よりも、決勝戦に勝ち残ることそのものを目指している参加者が多いと思います。ファイナリストを出すことで、センターの一体感やモチベーションも高まりますし、地方から応援に来るスタッフ同士の交流も生まれます。(奥村氏)

電話応対技能検定(もしもし検定)を教育に取り入れ、さらなる品質向上へ

審査員として銀行さまなど外部の方も参加されています。その理由を教えてください。

 内部だけの審査では、自分たちの物の見方で判断しがちです。しかしATMの受話器をお使いいただくのは一般のお客さまですし、お取引先である銀行さまが私どもに求めているサービスとは何なのかを知ることも重要です。そうした観点から、外部の方にも審査をお願いします。(奥村氏)

 見学された銀行さまから「非常に良い取り組みだ」とご評価いただき、実際にそちらの銀行の窓口担当、直営コールセンタースタッフを対象としたコンテスト運営業務の受託にもつながりました。(内田氏)

今後の展望について教えてください。

 社内応対コンテストは、先に申し上げたように“時流に応じて求められる応対やサービス”を取り込み、続けていきたいと思います。また昨年もしもし検定の実施機関となったことで、今後もしもし検定をキャリアアップにつなげる仕組み作りを考えています。すでに4級資格保持者となっている各拠点のSV、教育担当21名と、どのように取り組むべきか、検討を進めていきたいと思います。(内田氏)

会社名 日本ATM株式会社
創業 1999年(平成11年)1月
本社所在地 東京都港区浜松町1-30-5 浜松町スクエア8階
代表取締役社長 中野 裕
資本金 4億8,000万円
事業内容 アウトソーシングサービス、調査・コンサルティングサービス、システムソリューション、人材ソリューション、窓口代行ソリューション
URL https://www.atmj-g.com/

電話応対技能検定実施機関

日本ATM株式会社

https://www.atmj-g.com/

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