電話応対でCS向上事例
-尾道国際ホテルグループ-尾道の老舗ホテルとして、一流ホテルに匹敵するおもてなしを
記事ID:C20009
尾道市内に尾道国際ホテル、尾道ロイヤルホテル、尾道第一ホテルの3ホテルを経営し、多くの観光客を迎えている尾道国際ホテルグループ。一流ホテルに匹敵するおもてなしをモットーとし、1日100件以上の電話での問い合わせに応える寺岡氏、岸上氏に同ホテルグループのCS向上の取り組みについてお聞きしました。
47年前、創業者の「尾道にホテルを作りたい」という想いから事業を開始
事業概要について教えてください。
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支配人
寺岡 靖治氏親会社である山陽工業株式会社にはパイプを販売する管材営業部、空調衛生工事部、ホテル事業部の三つの事業部があり、ホテル事業部として尾道市内に尾道国際ホテル、尾道ロイヤルホテル、尾道第一ホテルの三つのホテルを経営しています。尾道は昔から有名な観光地でしたが、旅館や民宿が中心で都会的なホテルがありませんでした。そこで、創業者で現会長の髙橋 貞昭が「尾道にホテルを作ろう」と提唱し、約47年前に尾道第一ホテルをオープンしました。(寺岡氏)
ホテル事業部における顧客接点についてお聞かせください。
それぞれのホテルで、支配人を含めたフロントスタッフや営業スタッフ、事務スタッフの全員が電話応対をしています。三つのホテルを合わせると総勢20人ほどですね。お客さまからはメールでのお問い合わせもありますが、やはり8割くらいは電話によるものです。時間帯にもよりますが、1日に100件以上の電話に応対しています。(寺岡氏)
電話応対コンクールの全国大会出場と、もしもし検定の指導者級資格への挑戦
御社は、もしもし検定の実施機関でもありますが、どのような経緯があったのでしょうか。
接遇課長
岸上 美紀氏
電話応対技能検定(もしもし検定)は、制度が始まって間もない頃から受検しており、実施機関になったのは2019年からです。現在は、社内を対象に2級まで受けられる体制が整っています。尾道市内で指導者級資格を持っているのはおそらく私だけだと思いますが、きっかけは電話応対コンクールへ参加したことでした。電話応対やビジネスマナーをもっとしっかり勉強したいと思い、自費でもしもし検定の上級を目指しました。電話応対コンクールは広島県大会に何度か進んではいましたが、全国大会に出場してみると、参加している方のレベルが圧倒的に違うと痛感しました。最終的に指導者級資格を取得し、5年程経った頃に日本電信電話ユーザ協会の広島支部の方から「尾道国際ホテルグループが実施機関になってはどうか」というお話をいただきました。私個人は、実施機関になることは難しいと思っていましたが、支配人に相談したところ、あっさりと「やってみたらいいのではないか」とのことで尾道初のもしもし検定実施機関になりました。(岸上氏)
スタッフが広島県代表として全国大会に出場することは、ホテルにとっても大変誇らしいことです。これをきっかけに、岸上を接客応対の品質向上を担う接遇課長に抜てきしました。本人の負担は増えたと思いますが、電話応対のみならず、ホテル全体の接客応対の品質を高めるために活躍してもらっています。これからも会社のために働いてもらうには、本人がやりたいことを応援しなければならないと思い、実施機関になることを後押ししました。(寺岡氏)
コロナ禍でも目標を持って挑戦する気持ちに応えたいと、もしもし検定を実施
コロナ禍で、ホテルの接客も変わってきたと思います。どのような工夫をされていますか。
本来、ホテルのサービスはお客さまと接して行うものですが、今は接触機会をできるだけ減らさなければなりません。お客さまとの間にアクリル板を設置し、マスクを着用して応対するので、はっきりした滑舌で、にこやかに会話をするよう心がけています。また、「泊まりに行ってもいいか、どのような感染対策をしているか」などの問い合わせに対して、電話で簡潔に分かりやすく説明できるように、トーク内容を整理しています。今は『GoToトラベルキャンペーン』に関する問い合わせも多く、スタッフが説明している様子を見ていると、Aさんの説明は分かりやすいが、Bさんの説明は的を射ないなどと差を感じるので、説明力の平準化も図っていかなければならないと感じています。(寺岡氏)
また、以前はホテルに関する連絡会議も各部署の代表者だけが狭いオフィスに集まって申し合わせているような状況でした。今は、Web会議システムの『Zoom』を導入したので、どこからでも参加できるようになり、3ホテルで情報共有ができるようになりました。コロナ以前は、リモート会議などは考えたこともありませんでしたが、実際に利用してみると簡単に情報共有ができ、元には戻れないと感じています。ほかにもグループウェアの回覧板機能を使って、部門ごとの細かい留意点などを掲載し、見た人はチェックするような仕組みを導入しました。これによって勤務場所や時間がまちまちで、一斉に従業員が集まることがないホテル内でも、必要な情報を共有できるようになりました。(寺岡氏)
コロナ禍でも「もしもし検定」を実施されたそうですが、その理由をお聞かせください。
2020年の新入社員は、コロナの影響で仕事を覚える機会が減っています。こういう時期だからこそ何か目標が必要だということで、「もしもし検定に合格できるようにがんばって勉強してみよう」と現場では指導をしています。新入社員だけでなく、目標を持って取り組みたいという人はほかにもいたので、通常どおりもしもし検定を実施しました。受検するからには合格してもらいたいという思いは強かったですね。(岸上氏)
お客さまの心に残るホテルになれるよう、接客品質の向上に努めたい
今後の目標についてお聞かせください。
私個人としては、尾道にもしもし検定をもっと普及させたいと思っています。そして、従業員にはビジネスマナーや接客応対の基本を学んだ後で、お客さまと楽しくお話しできるようになってほしいと思っています。電話応対は、「嫌だな」と気持ちの負担になるようなものではなく、お客さまのお話を聞けるよい機会です。お話をよく聞いて、誠意を持ってお応えすれば、おのずと楽しくコミュニケーションが取れると思うので、もしもし検定の受験者が楽しく接客できるようになることを願っています。(岸上氏)
尾道国際ホテル外観
尾道国際ホテルグループは、尾道市内で最大規模のホテルグループです。大都市の一流と呼ばれるホテルと比べて、建物の大きさや設備は引けをとるかもしれませんが、お客さまをおもてなしする気持ちは一流ホテルに負けません。これからも、お客さまの心に残るホテルになれるよう、電話応対に加えて、接客品質向上にもしっかりと取り組んでいきたいですね。(寺岡氏)
会社名 | 山陽工業株式会社(尾道国際ホテルグループ) |
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創業 | 1950年(昭和25年) |
本社所在地 | 広島県尾道市高須町904番地 |
取締役社長 | 髙橋 宏明 |
資本金 | 8,800万円 |
事業内容 | 管材営業、空調衛生工事、ホテル事業(尾道国際ホテル、尾道ロイヤルホテル、尾道第一ホテル) |
URL | https://www.kokusai-hotel.com/ |
電話応対技能検定実施機関
尾道国際ホテル
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