電話応対でCS向上事例

トヨタコネクティッド株式会社トヨタコネクティッドのIT技術を土台に、人と人とのつながりを大切にして、レクサスブランドを支える

2000年に、「ITで顧客との接点を拡大する」ことを使命に設立されたトヨタコネクティッド株式会社。レクサスオーナーを対象としたサポートデスク「レクサスオーナーズデスク」の運営において、AI、IoTなどの分野で先進的なトヨタコネクティッドのIT技術を土台に、人と人との対話を重視する同社にお話をうかがいました。

始めに、御社の事業概要について教えてください。

「弊社は、2000年に現トヨタ自動車社長の豊田 章男が初代社長として設立した会社で、IT技術を活用し、もっとお客さまとの接点を増やしたいという思いから、新車・中古車情報を衛星配信で提供するマルチメディアキオスク端末の販売・運用・保守からスタートしました。キオスク端末を全国のコンビニエンスストアに設置し、車情報に加え音楽のダウンロードやナビの地図データの更新機能などを搭載することで、新たなお客さまとの接点を拡大していきました。現在は、『テレマティクス事業』『MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)事業)』『ディーラー・インテグレーション事業』『デジタルマーケティング事業』の四つの事業を展開しています。従業員は国内約850名で、北米、中国、インド、イギリス、タイ、ドバイのグループ全体で1,300名ほどになります」(松尾氏)

▲コネクティッドセンター
部長
松尾 陽子

「レクサスオーナーズデスク」として、24時間365日の電話サポートを提供

御社の事業と電話応対の関係性についてお聞かせください。

「弊社は、コネクティッドカーと呼ばれる車載通信機を搭載したインターネットにつながる車を通して、ドライバーに多彩なコンテンツやサービスを提供しています。その中で、特徴的なサービスが『オペレーターサービス』です。緊急時やお困り事など、車からワンタッチで私どものコールセンターにつながり、安心・安全なドライブのサポートを行っています。2002年にトヨタブランド『WiLLサイファ』で、初代G-BOOK※1をリリースし、オペレーターサービスを開始しましたので、その歴史は長いですね。車載通信機を標準搭載した車は、当時、とても先進的なものでした。レクサスオーナーズデスクは、レクサス向けのオペレーターサービスで、『レクサス』ブランドを日本で立ち上げた2005年より提供しています。レクサスオーナーズデスクは、レクサストータルケアの顧客接点であり、オーナーのカーライフに関わるあらゆるご依頼を24時間365日承っています」(松尾氏)

「レクサスオーナーズデスク」とは、具体的にどのようなサービスなのでしょうか。

「サービスは大きく三つあります。一つ目はコンシェルジュと呼ばれるもので、車の通信機を利用して目的地や交通情報のご案内、お出かけの際のレストランやホテルのご紹介、ご予約などのドライブサポートを行っています。二つ目は、車が高機能になるにつれて使い方が分からないといったことも増えるため、車の操作や機能のお問い合わせなど、使い方のサポートを行っています。三つ目が、安心・安全のための、事故や故障の際のサポートです。事故が起こった際の緊急車両の手配、故障の際に車両から上がってくる故障診断情報を参考に走行可能かアドバイスを行い、レッカー車の手配や販売店への入庫手配などのサポートを行います」(宮川氏)

▲コネクティッドセンター
オペレーターサービス室
室長
宮川 和隆

「人による応対」を重視。IT技術による自動化はそれを支えるものとして活用

御社では、電話応対についてどのような考えを大切にしていますか。

「弊社では、IT技術の進化でさまざまな自動化が進み、便利になった世の中だからこそ、ヒューマンコネクティッドつまり『人間同士がつながる』ことが大切と考えています。ヒューマンコネクティッドを実感した事例があります。実は事故に遭われたあるオーナーさまの依頼で病院をお探ししたのですが、年末で診療可能な病院が見つけにくい難しいリクエストでした。ただ、最初は動揺されていたオーナーさまが次第に落ち着き、病院も見つかり終話する時には『ありがとう』と心のこもったお礼の言葉をいただきました。オーナーさまの状況を理解し、全力でお困り事をサポートしたいというコミュニケーターの気持ちが、オーナーさまに伝わったのです。ITで便利になっても、人の心を満たすのはやはり、人なのだとあらためて感じました。緊急時やトラブルに巻き込まれた時などにドライバーをサポートする業務では、お客さまの状況を察知して臨機応変に応対する能力が求められます。一方で、コミュニケーターがオーナーさまの状況を感じ取ることに集中できるよう、先進のIT技術によって、人の煩雑な作業を自動化し、サポートしていきたいと考えています」(松尾氏)

時代に合わせて変化するお客さまのご要望を捉え電話応対を見直し、満足度向上につなげた

電話応対の品質を上げるために、御社が取り組んでいることをお聞かせください。

「弊社では、コミュニケーター自身がお客さまの状況を想像し、自発的に考えながら、臨機応変に応対できる力を育てる必要があると考えています。そのために、基礎訓練では、さまざまなシチュエーションを想定したロールプレイを行っています。とはいえ、座学の教育には限界があるため、早めに現場経験を積むことを心がけていますが、マニュアル化はせずに、コミュニケーター自身で判断できるように裁量を預けています。また、コミュニケーター同士で座談会を開催することも効果的だと思います。経験豊富なベテランのやり方を、新人コミュニケーターに共有することで理解が深まり、成長につながります。また、3年ほど前からNPS※2を採用し、オーナーさまにサービスをご利用いただいた日にアンケートを依頼しており、そこからもさまざまな意見が寄せられています」(三浦氏)

実際に、お客さまの声から改善したことをお聞かせださい。

「オープニングトークや、クロージングが丁寧すぎるといったご意見をいただきました。これまでは丁寧さを重視していましたが、オープニングの短縮、クロージングはその時々で臨機応変にできたかを評価の基準に変更しました。また、印象よくワントーン高い声で応対することを教育してきたのですが、相手にとって心地よい声でお話しすることを重視しています。オーナーさまの求めるものが変化してきています。状況にあった臨機応変な対応をすることで、実際にオーナーさまからの評価も上がってきています」(三浦氏)

▲コネクティッドセンター
人材開発室
室長
三浦 英子

レクサスブランドを支える人材として、自発的に判断できるような人間力を高めたい

最後に、今後の目標をお聞かせください。

「これからは、人の応対力とIT技術をどう融合させるかがテーマだと思います。常に先進の技術動向にアンテナを張っています。また人の応対力という点では、マニュアルやルールに頼りすぎるのではなく、自ら考え、判断する力を養うことを大切にしていきたいと考えています。自動化が進めば、『人ならでは』の価値は上がります。その期待に応えられるような『人間力』をどう鍛えていくかが課題であり、マネジメントの楽しみでもあります」(松尾氏)

※1 G-BOOK :トヨタコネクティッドが提供するトヨタ自動車のテレマティクスサービス。

※2 NPS:Net Promoter Scoreの略で、企業やブランドに対する愛着・信頼の度合いを数値化する指標。

会社概要
トヨタコネクティッド株式会社
会社名
トヨタコネクティッド株式会社
設立
2000年(平成12年)10月6日
本社所在地
愛知県名古屋市中区錦一丁目11番11号
代表取締役社長
友山 茂樹
資本金
6億5,049万5千円
URL
https://www.toyotaconnected.co.jp/