電話応対でCS向上事例
-株式会社筑波銀行-お客さまの心に寄り添う接遇・マナーを体現し、ファースト・コールバンクを目指す
記事ID:C20051
茨城県を中心に栃木県、千葉県、東京都の一都三県で地域のお客さまに質の高い金融サービスを提供している筑波銀行。今回は、人事総務部の皆さんに、電話応対教育や人財育成の観点で取り組んでいることをうかがいました。
事業概要と電話応対の体制をお聞かせください。

人事総務部 副部長
植田 啓二氏
植田氏:筑波銀行は、茨城県のつくば市に本部を置く地方銀行です。茨城県内を中心に栃木県、千葉県、東京都の一都三県に74の拠点があります。お客さま、地域社会、従業員との“つながり”を強みとして、「小回り」と「質」の高い金融サービスを提供しています。各営業拠点では、法人・個人のお客さまから銀行業務に関するさまざまなご相談をいただきますので、当行では多くの行員がお客さま応対をする機会があります。また、それとは別に、個人向けローンのコールセンターや相続相談など、専門のヘルプデスクも設けています。
コロナ禍で電話での問い合わせが増え、応対教育の重要性を再認識
電話応対教育について取り組んでいることを教えてください。

人事総務部 キャリアデザイングループ
上席主任調査役
菊池 善雄氏
菊池氏:筑波銀行では、『お客さまの心に寄り添うマナー・接遇の実現』に取り組んでいます。コロナ禍では、ご相談のアフターフォローなどで、お客さまと電話で話す機会が非常に増えました。それに伴い、若手行員からは「これまで固定電話で受け答えをした経験が少ないので、話法やマナーが分からなくて不安だ」という声が強くなってきました。ただ、顔が見えない電話だからこそ、お話をした時にお客さまに安心していただくこと、筑波銀行と取引をしていて良かったと感じていただくことがとても重要だと考えています。そのため、昨年度から入行3年目までの若手行員を対象に、「電話応対技能検定(もしもし検定)」を取り入れることにしました。4級の到達目標には「一本の電話が会社の評価を定めるという、職業人意識を持つ」と定められているのですが、この言葉にとても共感したというのも選定理由の一つです。

人事総務部
キャリアデザイングループ
調査役 野村 健太郎氏
野村氏:ご存じのとおり、銀行を取り巻く環境の変化のスピードは速く、お客さまが求めることもこちらが提供するサービスも日々進化しています。その進化に柔軟に対応していくことが私たち行員に求められています。以前のように、すべての行員が画一的に同じことを学ぶのではなく、自分で考えて自律的に行動できる人財の育成を目指して、研修制度も工夫をしています。その一つに「自己啓発ポイント」という制度があります。これは行員自らが率先して自己啓発に取り組めるよう、資格試験ごとにポイントを定めており、その中にも「もしもし検定」を組み入れました。
新入行員研修に取り組み、入行時の応対レベルの見える化につながった
もしもし検定に取り組んで、どのような成果を感じていますか。

電話応対の様子
野村氏:実際に電話に応対する時、自信を持って出られるようになったという声を多く聞きますね。また、若手行員が率先して電話に出るようになると、店内に活気が出てくるといった声も挙がっています。今年度は4月の新入行員研修に取り組み、おかげさまで、全員が4級に合格することができました。入行時は誰が、何を、どこまで理解しているのか分かりにくいので、行員のレベル感を見える化できることも利点の一つだと思います。
ほかの電話応対研修と比較して、どのようなメリットがありますか。

研修の様子
菊池氏:もしもし検定は、4級から段階的にスキルアップできることに加えて、レベルごとにテキストが分かれていて、到達目標に向けて体系的にマナーや話法を習得できる点が良いですね。テキストを配布することで、自主的に勉強してもらえるので、導入に際して運営側の負担が少ないというメリットもあります。また、当行の場合は、こちらの新入行員研修の日程に合わせて試験を実施していただきました。試験日程や会場が事前に決められている場合、業務の合間に会場まで行かなければならず受検者に負担がかかることを懸念していたのですが、この点も大変助かっています。
ファースト・コールバンクを目指して、お客さまの心に寄り添う接遇・マナーを向上させたい
最後に、今後の目標についてお聞かせください。

さまざまなご相談に対応
植田氏:当行は、将来ビジョンとして『ファースト・コールバンク』を掲げております。これは、お客さまが金融機関に何か相談したいと思った時に、最初に頭に浮かぶ銀行を目指そうというものです。同時に、接遇面では先ほどもお伝えした『お客さまの心に寄り添う接遇・マナーの実現』を目指しています。我々人事総務部では、この二つを体現できる人財の育成を目標としています。当行が今日までお客さまに選んでいただけたのは、人と人とのつながりを大切にしてきたからだと痛感しております。これからも、変化していく時代の中でもお客さまの心に寄り添うことで、お客さまの笑顔が増えて当行のファンになっていただけるよう、接遇・マナーの向上に努めていきたいですね。

会社名 | 株式会社筑波銀行 |
---|---|
設立 | 1952年(昭和27年)9月 |
本店所在地 | 茨城県土浦市中央二丁目11番7号 |
頭取 | 生田 雅彦 |
店舗箇所数 | 74箇所(茨城県内67、県外7) |
URL | https://www.tsukubabank.co.jp/ |
〔ユーザ協会会員〕 |
関連記事
-
2024.12.25 公開
-みずほ証券株式会社-
お客さまのつまずきを把握し自己解決を促すためにマルチチャネル化に対応する環境づくりみずほ証券株式会社では金融サービスに関するコンサルティング体制の確立を推進してい...
-
2024.02.26 公開
-株式会社きらぼし銀行-
「お客さまに寄り添える第一人者」をスローガンに業務知識とホスピタリティに満ちたオペレーター育成に取り組む株式会社きらぼし銀行は、2018年に東京都民銀行、八千代銀行、新銀行東京の3行が...
-
2023.11.27 公開
-三井住友カード株式会社-
24時間対応のデジタルツールの拡充とともに「お客さま目線」に立ち「ありがとう」と言われる電話応対を目指す三井住友カード株式会社は、三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)にお...
-
2023.11.27 公開
-きらら保険サービス株式会社-
電話応対の課題を克服し、NTTグループ社員の“保険のかかりつけ医”を目指すきらら保険サービス株式会社は、NTTグループ社員や家族を対象に、がん・医療保険や...
-
2023.10.25 公開
-那須信用組合-
地域密着の信用組合として接客応対力を高め、お客さまとの信頼関係を深めたい那須を中心とした栃木県の北部地域を営業エリアとし、地域経済の発展に寄与することを...
- 電話応対でCS向上コラム(323)
- 電話応対でCS向上事例(265)
- 金融業,保険業(47)
- 学術研究,専門・技術サービス業(1)
- 生活関連サービス業,娯楽業(12)
- 医療,福祉(15)
- 製造業(38)
- 情報通信業(17)
- 卸売業,小売業(25)
- 不動産業,物品賃貸業(6)
- 宿泊業,飲食サービス業(11)
- 教育,学習支援業(17)
- サービス業・その他(51)
- 座談会(2)
- 電話応対品質向上委員会(5)
- 建設業(5)
- 電気・ガス・熱供給・水道業(5)
- 運輸業,郵便業(8)
- ICTコラム(127)
- 企業ICT導入事例(181)
- ICTソリューション紹介(89)
電話応対でCS向上事例 新着記事
-
-株式会社京王プラザホテル-
英語電話応対コンクールの優勝者を輩出したフロントはホテルの「顔」として信頼を築く役割を担う -
-東日本電信電話株式会社 東京事業部-
インサイド×アウトバウンドチームにおける効率的なリレーション維持・向上と生産性向上の両立 -
-指導者級資格保持者のための品質向上研究会レポート-
会議や研修の質を向上させるためにビジネスに欠かせないツールや注目のICTキーワードを理解しよう -
-株式会社タカギ-
浄水器をご利用のお客さまに電話応対を通じてファンになっていただくために -
-江戸川区児童相談所 はあとポート-
電話応対支援システム導入で業務を効率化し子どもと向かい合う本来業務の時間を増やしたい