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電話応対でCS向上事例

オンライン 座談会
-コロナ禍により、電話応対はどのように変化したのか-
~企業電話応対コンテストに入賞された実績のある4社のリーダーに聞く~

座談会

公開日:2021/01/19



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 開催概要 
 
 
 
 開催日時:2020年12月3日 14:00-16:00   参加企業   株式会社健康家族
 MSD株式会社
 開催方法:ウェブ会議によるオンライン座談会    ほけんの窓口グループ株式会社  
 ダイキン工業株式会社

司会者:本日はお集まりいただき、ありがとうございます。はじめに、皆さんの会社とお仕事の内容をご紹介ください。

  • 株式会社健康家族
    カスタマサポート部
    カスタマ課
    課長
    福留 久司氏

    福留氏:株式会社健康家族は鹿児島県に本社があり、今年で創業45年の会社です。創業者の本多荘輔の「家族全員が続けられる、低価格の商品を届けたい」という想いから、自社農場でオーガニックにんにくを育て、それを主力とした商品を中心に通信販売をしています。

  • MSD株式会社
    メディカルアフェアーズ
    カスタマーサポートセンター
    マネジャー
    内藤 裕子氏

    内藤氏:MSD株式会社は、医薬品とワクチンの製造販売会社です。カスタマーサポートセンターでは、自社の医薬品、ワクチンに関する学術的な問い合わせに対応しており、医師や薬剤師などの医療従事者に加え、一般の患者さまやご家族からの問い合わせにお答えしています。医薬品は生命に直結するものなので、十分な学術知識を持ち、的確な情報を提供する使命があると思っています。

  • ほけんの窓口グループ株式会社
    カスタマーセンター
    カスタマーサービス課長
    松島 稔真氏

    松島氏:ほけんの窓口グループ株式会社は、お客さまに合う保険商品を一つの窓口で選べるよう生命保険、損害保険を合わせて40社以上の商品を取り扱う保険の総合代理店です。カスタマーセンターでは保険にご加入いただいたお客さまからの質問や、契約のアフターフォロー、個人情報の変更など問い合わせに日々丁寧に応対しています。

  • ダイキン工業株式会社
    サービス本部
    東日本コンタクトセンター
    CS担当課長
    大口 夏子氏

    大口氏:ダイキン工業株式会社は大阪に本社を置く空調機メーカーです。コンタクトセンターでは「応対を通じてダイキンのファンになっていただく」ことをモットーに、修理依頼や技術相談、部品の購入などの問い合わせを承っています。

感染リスクを下げながら応対品質を維持するために、さまざまな工夫をこらす

司会者:今回のコロナ禍で、通常とは異なる状況下で、電話応対品質をどのように維持・向上させるかが課題になったと思います。具体的にどのようなことがありましたか。

  • 福留氏:感染リスクを下げながら、これまでと変わらない電話応対をすることが最大の課題でした。応対者が密にならないよう時差出勤するなどの対策を取りましたが、人数が足りず、企画部門や、総務部門などほかの部署にも協力してもらって、感染予防対策をしながら「お待たせしない応対」に努めていました。日ごろから全社員が応対できるスキルを養っていたことが功を奏しました。

  • 内藤氏:弊社は医薬品を扱っていますので、健康家族さんのように全社員が対応することはできません。副作用発生時の問い合わせ対応などのためにコールセンターを大阪と東京の2拠点に置くなどBCP対策は取っていましたが、薬剤に関する学術的な文献などを机の周りに置いて対応していたので、最初は「在宅勤務なんてとんでもない」という反応でした。幸い、電話やCRMのシステムはクラウドを導入していたので、2週間程で在宅勤務の体制を整え、緊急事態宣言が出た20年4月には課題を克服し完全リ
    モートワークを実現しました。

松島氏:MSDさんのように弊社でも在宅コールが課題として浮き彫りになり、4月の緊急事態宣言中は、週3日出勤というシフトを組んでいましたが、3~4月の受電数は前年比で120%と、スタッフが心身ともに疲弊するような状況でした。弊社は来店型の保険ショップですが、コロナ禍ではオンラインで相談したいというご要望が増え、オンライン保険相談を全国で展開するため急きょトークスクリプトを作るなどの対応に追われました。

大口氏:コンタクトセンターではパーテーションを設置し、分散拠点を活用しながら感染対策を徹底しています。応対品質の維持という点では、応対指導の講師とコミュニケーターが「できることを最大限やってみよう」と同じ思いでリモートでの応対指導にも積極的に取り組みました。その結果、お客さま満足度調査では2019年を上回る評価をいただきました。

各社が取り組んだコロナ対策

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会社/氏名 
 
コロナ対策
 株式会社健康家族
 福留 久司氏
 •出勤体制の見直し。オペレーターが密にならないよう時差出勤をした 
 •他部署に協力してもらい、社員総出で電話応対をした
 •社内でのリモート朝礼、リモート会議
 •フロアを増設し、人の分散化を図った
 •感染予防対策の強化として、マスク着用、入室時の消毒、飛散防止のパーテーション設置(業
  務時・食事時)、日々の検温を徹底、換気、温湿度管理、清掃
 MSD株式会社
 内藤 裕子氏  
 •全社的な在宅勤務要請をうけて、在宅コールセンターを整備した
 •緊急事態宣言後の4月以降は、完全リモート化を実現した
 •応対に必要な学術資料や手順書を「One note」に集約するなど、リモートでのアクセスを可能にした
 ほけんの窓口グループ 
 株式会社
 松島 稔真氏
 •週3日のシフト勤務に切り替えるとともに、換気、消毒の徹底とアクリル板設置などで感染リス 
  クを低減した
 •3~4月は前年比120%の問い合わせに、少人数で対応した
 •IVR※1で入電を振り分け、一部の問い合わせのみセンター内別部署からの応援で対応
 •コロナ禍ならではの質問へのトークスクリプトを整備し、話法の統一化を図った
 ダイキン工業株式会社
 大口 夏子氏
 •コンタクトセンター業務を一部社内外の会議室に移すなどの分散運営を行った
 •マスク着用、飛散防止の3面パーテーションを全席設置、日々の検温などを実施した
 •オンラインツールを活用したロールプレイングや研修を実施した

コロナを機に、スタッフが積極的に情報収集し、業務改善に関与するようになった

司会者:各社各様の課題があったようですね。コロナ禍での情報共有や教育、モチベーション維持はどのようにされましたか。

福留氏:複数名で集まる機会が持てず、情報共有が難しくなったので、社内のグループウエアの利用頻度が高まりました。一対一のコミュニケーションが増えたことで、オペレーターの意識が変わりましたね。例えば、今までは全体に対して「こういう間違いがありました」と伝えてもどこか他人事だったのですが、一対一で伝えるとすぐに改善されるようになりました。これはコロナの思わぬ副産物だと思います(笑)。

内藤氏:私も同様に副産物という意見に共感します。今までは見もしなかったような情報を自分から積極的に取りにいったり、問題が起きた時に自発的に解決するという動きが出てきました。これは継続中の課題なのですが、完全リモートにするとスタッフが孤立してしまうので、対策の一つとしてチームごとにオンライン朝礼を行い、発声練習をしたり、一言ずつ話したりすることでチームワークを高めるなど良い成果が出ています。

大口氏:福留さん、内藤さんのお話のとおり、コロナは暗い面だけではなく、若手が積極的に意見を出したり、日々のチャットでのやりとりで改善の声を出しやすくなったと思います。教育という観点では、フィードバック面談や研修をオンラインで実施したり、新たに動画を作成してeラーニングを取り入れたりして、この時期でも教育を止めないことを意識しています。

  • 松島氏:弊社の場合は残念ながら、少ない人数で業務を回すので手一杯になってしまい、教育がおろそかになってしまったことが反省点です。コロナ禍では電話応対の重要性が見直された一方で、LINEやチャットbot(自動会話プログラム)を使った新たな顧客接点の必要性も感じています。とはいえ、チャットbotなどの自動応答では対応できないような高度な問い合わせに対応できるのは、人ならではだと思います。これからは高度な知識やスキルを持った上で、お客さまの悩みに心から寄り添えるようなスタッフを育成したいですね。

福留氏:社員のモチベーション維持という観点では、この時期なので明るく応対ができるようにと、「一日一褒め」という取り組みをしています。スタッフの応対を見て、良かったことを毎日一つ以上伝えるのですが、些細なことでも褒められると嬉しくて、モチベーションにつながります。管理側も今までよりもしっかりと見なければならないと意識が高まるので、コミュニケーションが以前よりも密になったと感じます。

デジタル化が進むと、人が対応する電話応対の役割がより明確になるだろう

司会者:アフターコロナに向けての課題や、取り組もうとしていることを教えてください。

内藤氏:今は電話応対が主流ですが、今後はリモートのコミュニケーションチャネルを増やそうと、ウェブページの充実やチャットbotにも取り組んでいます。情報提供やコミュニケーションの方法は変わっていきますが、それ以上にスタッフの応対品質向上の取り組みにも目を向けないといけないと思っています。先ほど大口さんからeラーニングを取り入れたお話を聞いたので、弊社でも取り組んでみたいと思います。

松島氏:そうですね。弊社も継続的なサービスができるよう、在宅コールセンターなどコロナ禍に耐えうるようなコールセンターを作らねばならないと感じております。音声チャネル以外にLINEなどのテキストツール、またIVRなどを使った音声の自動化などを検討しています。在宅コールが実現すると、生活音による苦情の対応、短時間勤務の管理方法、SV※2の新たな役割設定など、在宅勤務を管理するための仕組みが課題になると思っています。

福留氏:皆さんのお話の通りデジタル化の波にしっかり対応する一方で、時代が変わっても電話応対の品質だけは落としたくないという想いもあります。制度や設備は進化しても、心の通った応対という点では何ら変わりがないと思います。カスタマーサポートとしては、自動化、効率化を進めながらも、お客さまの気持ちに寄り添った応対をするために、どのように両立していくべきかをしっかりと考えたいですね。

大口氏:私も同感です。デジタル化は進んでも人のつながりは絶対になくならないので、人が対応することの価値を高めていきたいです。共感力や相手を知る洞察力は、今まで以上に求められるようになりますが、電話応対の基本は変わらないのかなと思います。このやや殺伐としているご時勢の中、心がこもった温かみを感じるような応対が、今後より一層求められていくのだろうと思います。

企業電話応対コンテストは、短期集中でスキルアップできること、自社のレベルを客観的に把握できることが魅力

司会者:最後に、2020年度は中止となりましたが、「企業電話応対コンテスト」参加の目的や意義をどのようにお考えでしょうか。

福留氏:弊社は、第2回から22年連続で参加しています。個人のスキルアップと電話応対全体の底上げを目的として参加していますが、それとは別に社員が楽しみにしているイベントでもあります。その時期は社内がとても盛り上がるんですよ。もちろん普段から丁寧な電話応対を心がけていますが、コンテストの時期はより緊張感や期待感が高まり、電話応対への集中力が上がるので、その意味でも参加する意義があると思います。

  • 大口氏:私たちもお客さま満足に繋がっているか客観的に確認できるという点で貴重な機会だと思っています。日ごろからどのような応対がお客さまに喜んでいただけるかを意識していますが、コンテストでは自分自身の応対がお客さまに伝わるか、喜んでいただけるかを改めて考えるようになります。いただいたフィードバックを基に今後どのように応対をすればよいか、また、点数、コメントのばらつきがありますので、センター全体として応対力を上げていけるよう考えながら参加しています。

内藤氏:お客さまの信頼を高める電話応対のためには、高い製品学術知識に加えて、お客さまの真のニーズを聴き取り、的確に回答するコミュニケーションスキルが重要と考えています。知識とスキルの両面が試されるコンテストをチームの成績表ととらえて、毎年参加しています。コンテストの成績だけでなく、具体的なフィードバックの内容を検証して、翌年の取り組みに活かしています。

松島氏:弊社も皆さまと同じように、他社と比較した自社の電話応対評価の位置づけを知ることや、客観的な視点でご指摘いただくことで、お客さま目線での課題に気づくことができるというところを、参加の意義と感じています。また、コンテスト審査結果を基に翌月の全体研修で音声を全員で聴き、良かった点や改善点などを議論し、全員が同じ課題認識を持って電話応対に取り組むための教材としています。

司会者:今年は、企業電話応対コンテストを開催したいと考えておりますので、ぜひご参加ください。本日は貴重な情報やご意見をいただき、ありがとうございました。

※1 IVR:Interactive Voice Response の略で、顧客からの入電の際、あらかじめ用意された音声による案内や、顧客の入電理由に応じた番号入力でコミュニケーターへ対応の振り分けを行うシステム。
※2 SV: supervisor(スーパーバイザー)の略称で、チームリーダーの管理や育成が主な役割。業務上の数字の管理だけでなく勤怠や従業員の管理なども行う。

コミュニケーションで工夫したこと、今後の目標・課題

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コミュニケーションで工夫したこと
今後の目標・課題



  株式会社健康家族
  福留 久司氏




 •お客さまに感謝の手紙を書くなど、この時期な
  らではのスタイルで、お客さまとの絆を深めた

 •「一日一褒め」制度を取り入れ、スタッフのモチ
  ベーション維持に努めた

 •面談の機会を増やした
  
 •電話応対業務のデジタル化と、心の通っ
  た人間味のある応対(聴く力、察する力、
  伝える力、寄り添う力)の両立

 •人材育成、オペレーターによる応対の質
  の差をなくす
  MSD株式会社
  内藤 裕子氏  
 •チームごとにウェブ朝礼を行い、発声練習や情
  報共有をすることで、スタッフの孤立を回避

 •有事だからこそ、コミュニケーションを密にとる
  ようにし、積極的に業務改善につなげた

 •部門全体としてウェブサイトの拡充や
  チャットbotの導入による自己解決型の仕
  組みの構築

 •オンライン面談やeラーニングの活用な
  どによる、スタッフ教育の充実
  
    
  ほけんの窓口グループ  
  株式会社
  松島 稔真氏

 •チームワークをより高めるため、「サンキューパー
  ソン」と称して感謝の言葉をメッセージカードに書
  いて、全員から一人に渡す取り組みを行った

 •終礼時に「ファインプレー」「良い言い回し」「素敵
  なフレーズ」など、同僚の応対で良かった点を褒
  める取り組みを行った  
  
 •ウェブサイトやLINEなどのテキストコミュ
  ニケーションの拡充

 •在宅コールセンターの実現に向けた設備
  の増強と、運営制度の整備

 •コミュニケーターの早期育成
  ダイキン工業株式会社
  大口 夏子氏

 •コミュニケーターの表彰式をオンラインで開催
  し、関係各所から多数参加いただいた

 •若手が積極的に改善策を提案し、eラーニング
  の仕組みを取り入れた

 •オンラインツールを活用し、業務の役割分担や
  分担先の進捗状況をリアルタイムで共有した  
  
 •テレワークの実現と、ハイブリッド型の
  コールセンター運営

 •BCP対応のさらなる見直し

 •多様化する働き方への対応

電話応対でCS向上コラム

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