電話応対でCS向上事例

-株式会社テレコメディア/株式会社ファンケル-
異なる組織で行うダイヤルサービス業務における課題をコールセンター向けシステムの同時導入で解決

記事ID:C20116

コールセンター代行を主業務とする株式会社テレコメディアは、化粧品などの通信販売を行う株式会社ファンケルの電話応対の一部業務を代行・支援しています。顧客応対におけるデジタル活用について、テレコメディアの高田氏とファンケルの原園氏にお話をうかがいました。

それぞれの業務内容とお客さま応対に関する役割について教えてください。

株式会社ファンケル
カスタマーサービス部
カスタマー戦略部
原園 早由里氏

原園氏:ファンケルは、主に化粧品と健康食品、発芽米や青汁など美と健康の領域において、自社で研究・企画・製造した製品を多様なチャネルで販売し、お客さまの声やニーズをすばやく社内へ反映できる「製販一貫体制」で提供しています。製品の相談や問い合わせといったカスタマーサービスに対応する部門(インハウス部門)が社内にありますが、ダイヤルサービス関連の一部をテレコメディアさまに委託しています。

株式会社テレコメディア
お客様サービス部
アネックスセンター長
高田 尚実氏

高田氏:テレコメディアは、テレマーケティングやアウトソーシングを主な業務とする企業です。官公庁や大手メーカーなどのコールセンター業務を行っており、業界・業種を問わず多様なニーズに対応できる体制を整えています。ファンケルさまの事業に関するコールセンター代行を徳島でスタートしたのは2004年頃のことでした。最初は注文ダイヤルを行い、その後カスタマー(お問合せ窓口)のダイヤルへと範囲を拡大させていただいたという経緯になります。現在では、美馬センターと徳島センター、東京センターの三つの拠点において200~250名のオペレーターが、通信販売の注文受付などの応対を担当させていただいています。具体的には、注文センターのダイヤルとカスタマーのダイヤル、そしてテレビや新聞などによる商品のインフォマーシャルCM関連のダイヤルの三つがあり、それぞれ電話による応対となります。応対件数は時期によって増減がありますが、受注では月約4万~6万件、お問い合わせが約12,000~16,000件程度です。最近では、お客さまとのつながり強化を重要視し、深くコミュニケーションを行うためのトークを検討し、提案するといった取り組みを行っています。

応対部門においてどのような課題がありましたか。

笑顔で応対するオペレーター(テレコメディア)

高田氏:これまでファンケルさまの応対代行業務においては、当社の受付部門とインハウス部門がともに同じコールセンターシステムを活用していました。システム的には統一が取れていたのですが、複数の企業からの委託業務を行うなどデータ連携が難しい事情もあり、別々のサーバーを使用せざるを得ませんでした。そうした環境でデータ分析などを行う場合、一元管理ができず、それぞれのサーバーを確認する必要があるなどの課題がありました。例えば、当社の受付部門の対応件数や着信状況などファンケルさまが知りたい情報があってもすぐには確認できない状況で、テレコメディアの受付部門から1時間ごとに数字を整理してメールなどで送るなど煩雑な作業も発生していました。また、従来システムは、サーバーやソフトウェアなどを社内に置くオンプレミス式でしたので拡張面に制約があり、障害対応やメンテナンスを社内で行う必要があるなどのデメリットがありました。

導入までの経緯をお聞かせください。

原園氏:解決したかったのはテレコメディアさまの部門とインハウス部門との情報連携でした。そこで、テレコメディアさまとの協力体制を一層強化し、将来に向けた業務拡張も視野に入れて、新しいシステムを双方で導入することを前提に2024年春ごろから検討を始めました。連携の仕組みを構築することで業務効率化が図れると考え、新しいクラウド型コールセンター向けシステムの導入に踏み切り、第一段階としてPBX(電話交換機)機能の移行を進め、2025年8月に完了しました(図参照)。

【図:コールセンターシステム導入前後(イメージ)】従来は同じPBXを使っていたものの、サーバーがそれぞれにあることなどから情報連携が不十分だった。新システム導入後、クラウド化への移行フェーズが完了したことにより、テレコメディア社・ファンケル社のオペレーターがあたかも同じ場所にいるかのように情報連携・一元管理が行えるようになった。 AIソリューションなどの活用により、将来的には一層の業務効率化を図ることを想定している。

システム導入でどのような効果がありましたか。

電話応対の研修風景

高田氏:導入後、1ヵ月分のデータが取れたところですが、以前と比較してオペレーターの生産性向上が数値として出てきています。これは、パソコン画面に必要な情報が一元化され、また、CMS※1機能によってさまざまなページを画面に呼び出し、自身でカスタマイズできることが大きいと考えています。導入当初、物理的な電話機(ハードフォン)から専用のソフトウェアをインストールしたパソコンによる通話(ソフトフォン)へ環境が変わったことで、オペレーターの負担が増えるのではと懸念していましたが、そうした影響もありませんでした。このようにオペレーターの利便性が向上し、インハウス部門の様子がこちらからも分かるようになったことで、今後さらに便利さを実感できるのではと期待しています。

原園氏:スムーズに機能の移行ができ、こうして業務が遂行できているという点で、第一段階は成功したと感じています。また、テレコメディアさまの部門とインハウス部門で互いの通話を即時にモニタリングできることが、現場でも評判が良いようです。また、クラウド型システムを導入したことによりコールセンターにおけるオムニチャネル化を実現し、複数のサポートチャネルの中からどのチャネルを選択されても、一貫した応対経験を提供できる環境の構築を進め、お客様満足度の向上を図ってまいります。

CX向上に向けた今後の予定を教えてください。

ファンケル社の製品

高田氏:コールセンターに対するお客さまの期待は日々進化しており、「ただ対応する」だけでは選ばれ続けることはできません。今後は、データ活用によるCX分析と改善を重ね、“心に届く応対”をさらに追求することで、ファンケルさまの応対業務においてもCXの質を一段階引き上げられるよう研鑽を重ねてまいります。

原園氏:テレコメディアさまとの業務においては、今後、2社間でのCRM※2機能の連携を図るとともに、ナレッジや教育・評価面での活用も進め、最終的にはデジタルチャネルの統合を実現することで、応対品質の向上を目指します。また、クラウドシステム活用の利点は他システムとの連携が可能な点ですので、今後課題となる働き手不足解消の対策として、オペレーター支援の分野で活用の範囲を広げていきたいと考えています。

※1 CMS
Contents Management Systemの略。コールセンターの運営において、通話データやオペレーターのパフォーマンスを管理・分析するためのシステム。
※2 CRM
顧客関係管理(Customer Relationship Management)の略。顧客との良好な関係を発展させるための経営手法のこと。コールセンターにおいては、顧客サービス業務で使用される、顧客管理と顧客対応の向上を図るためのシステムを指す。
会社名 株式会社テレコメディア
設立 1981年(昭和56年)5月
本社 東京都豊島区高田3-37-10
事業内容 テレマーケティング・アウトソーシング、多言語コールセンター(コンタクトセンター)サービスほか
従業員数 約1,200名(契約社員含む)
URL https://www.telecomedia.co.jp/
〔ユーザ協会会員〕
会社名 株式会社ファンケル
設立 1981年(昭和56年)8月本 社:横浜市中区山下町89-1
事業内容 化粧品・健康食品の研究開発、製造及び販売
従業員数 900名(2025年3月31日現在。契約社員・パートなどは除く)
URL https://www.fancl.jp/
〔ユーザ協会会員〕

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