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電話応対でCS向上コラム

第34回「雑談上手になろう!」①

ここ数年、書店をのぞくと「雑談力」という表題のついた本が目につきませんか。「雑談」が注目されているのです。
「雑談」とは一体何でしょうか。辞書を引くと「とりとめのない会話」(広辞苑)、「はっきりした目的もまとまりもない話」(新明解国語辞典)などと説明されています。言葉からみる限り雑談の評価は極めて低いのです。その雑談が今なぜ注目されているのでしょうか。今回から2回、その雑談力について考えます。

生き方が雑談に出る

有能で切れ者のビジネスパースンは雑談を嫌うと言います。彼らにとって、雑談とは無駄な時間なのでしょう。しかし、かつて生保業界のカリスマと言われ、長く日本一の座を守ってきた原 一平さんの営業手法は、ひたすら雑談の積み重ねでした。訪問してお客様に会う。しばし世間話をして帰る。暫くして又訪問する。やはり雑談だけで帰る。保険の話は一切しない。その繰り返しの中で、原さんは「原 一平」という人間を根気よく売っていたのです。雑談にはその人の人間性が出ると言います。世間話という雑談を通じて、原さんは自分を売るだけではなく、お客様の生き方、考え方、趣味嗜好まで掴んで、人間関係を深めて行きました。その信頼があってこそ、最後には大口の保険の成約を可能にしたのです。原さんの雑談には、常に緻密な計算があったのだと思います。雑談の幅は多彩に広がっても、保険成約という不動の目標はゆるぎなくそこにあったのです。

当時と較べれば、社会状況も営業手法も大きく変わっています。しかし、電話の世界でも、話の展開に合わせて的確に対応できるのは、マニュアルを越えて交わす雑談の力だとつくづく思います。本題よりも、雑談の会話をすることで警戒心がほぐれ心が繋がって行くことを、皆さんも多く経験なさっているでしょう。

良い雑談には準備がいる

かつて日本における市民スポーツの父と呼ばれ、衆議院議員や横浜市長を務めた平沼 亮三さんをご存じでしょうか。人を逸らさぬ話し上手としても知られた人でした。平沼さんが亡くなったあと、家人が平沼さんの書斎を整理していると、膨大な量の話題の宝庫が現れたというのです。パソコンなどは無かった時代です。すべて手作業による切り抜きや手書きの情報資料が、ジャンル別に整理されていました。平沼さんは人と会うときには、必ずその中から相手が興味を持ちそうな話題をいくつか取り出し、今日はこう言うことを話そうと準備をして臨んでいたのです。話し上手とは決して天性のものではない。そこには相手を退屈させない心くばりと努力があったのだと、平沼さんを知る人たちは改めて教えられたのでした。

なるほど情報、へえー情報を集める

マスメディアの発達とネットによる情報化の時代。私たちの周囲には、流れ落ちる滝のように、膨大な量の情報が溢れています。これだけ情報が多く、しかもそれが簡単に手に入ると、私たちはその有難さに気付きません。だからこそ、情報をコントロールし管理するのです。取捨選択して、必要情報と捨てる情報とに整理するのです。日本語センター時代、私たちは「なるほど情報、へえー情報」という言葉をよく使いました。書物や新聞からの情報、ラジオやテレビ、ネットからの情報、人から聴いた話など、一日に入る情報量は大変な量になります。その中には、なるほどそう言うことか!とか、へえー面白いね!と思う価値ある情報が沢山あります。ところが、残念なことにそうした情報はすぐ忘れてしまいます。そこでお薦めです。良い情報に出会ったら、項目だけでもすぐにメモをしてください。あとでそれを整理し復習します。でも、それだけではまだ足りません。その情報を6人の人に話してください。「今日こんな面白い話を聞いたよ」と再現して伝えるのです。しかし、はじめの2、3人は「何が面白いの?」としらけさせるかも知れません。そこで諦めず6人までがんばってください。心理学者に聞いたところでは、この6人が大事なのだそうです。6人に話せばその話が自分の話になってきます。そして、折々に人を共感させ、感動させる価値ある雑談として生きるでしょう。

岡部 達昭氏

日本電信電話ユーザ協会電話応対技能検定 専門委員会委員長。
NHKアナウンサー、(財)NHK放送研修センター理事、日本語センター長を経て現在は企業、自治体の研修講演などを担当する。「心をつかむコミュニケーション」を基本に、言葉と非言語表現力の研究を行っている。

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