電話応対でCS向上コラム

-新明和工業株式会社-
第50回 この業務をやっていて良かったと感じる瞬間

記事ID:C10064

 弊社はマンションなどに設置している機械式駐車装置メーカーです。私が所属しているお客様センターでは、駐車装置に関する問い合わせ、故障などの受電応対を行っています。スローガンとして掲げている『ワンランク上の「ありがとうと言われる対応」を目指して』を念頭に置き、お客さまのご要望やニーズを上回る応対を心がけています。長年電話応対業務に携わっており、さまざまなお客さまの応対を行ってきましたが、忘れられないお客さまがいらっしゃいます。

お客さまの気持ちに 寄り添いながら想いを伝える

 それはある駐車装置をご使用のお客さまで、オペレーターが「手に負えない」と、エスカレーションで私に電話が回ってきました。お客さまはとてもお困りのご様子で、ご要望を承ったところ、駐車装置の仕様を変更してほしいとのことでした。
 駐車装置には安全にご使用いただくために、さまざまな機能を備えていますが、その中の一つにブザー音があります。お客さまはそのブザーの音がうるさいので、小さくしてほしいとのご要望でした。音に対する感じ方は人それぞれですが、安全にご使用いただくための機能ですので、ご要望を承る事はできません。解決策を探るため、さらにご事情をうかがったところ、「夜間にブザー音が鳴ると響いてうるさい」とのことでした。そこで、「夜間は周りが静かですし、響くと気になりますよね」とお客さまの気持ちを受け止めながら、「なぜ、ブザーを鳴らし、その音量にしているのか?」という、ブザーの意味を説明しました。始めは、聞く耳を持っていただけなかったのですが、「音が鳴らない=注意・危険を促せない」「音が小さい=聞こえないと危険」を根気強く、時間をかけて説明を行ったことで、私の「お客さまに駐車装置を安全にご使用いただきたい」との想いが伝わり、ご理解いただけました。そして、会話の最後には「よし、今度飲みに行こう」と仰っていただいたのです。

お客さまの「ありがとう」が増えるように

 お客様センターとお客さまとの関係は営業職などとは違い、関係が長く続く訳ではなく、一期一会です。そのような短い接点の中で、お客さまのお怒りの感情がおさまって、感謝の言葉をいただけることは、そうそう頻繁にあることではなく、この業務をやっていて良かったと感じる瞬間です。今後もそうした瞬間を感じることができるよう、お客さまから真のワンランク上の「ありがとう」をいただける応対を目指して、日々電話応対や教育に励んでまいります。

次回の講師は、ダイキン工業株式会社 東日本コンタクトセンターの徳山 牧子さんです。もしもし検定の講師、コミュニケーターの方への電話応対品質の向上、サービスエンジニアやグループ会社の方への電話応対及びマナーの向上に尽力されています。困っている時に、そっと手を差し伸べてくれる、とても優しく、頼りになる指導者です。

新家 健司氏

新明和工業株式会社 パーキングシステム事業部 お客様センター所属。電話応対技能検定(もしもし検定)指導者級資格保持者(26期)。もしもし検定の講師及び、教育全般を担当している。

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