電話応対でCS向上コラム
-ビューティフルマナー株式会社-第63回 未来へつなぐマナー
記事ID:C10105
押しつけと思いやり
マナーは100人いたら100通り、いいえ200通りのマナーがあるとお伝えしています。それは今、お客さまがどんなことをしてほしいのか、その方によってもその方の状況によっても違うからです。
講師になりたての私は電話応対やマナー研修で伝える情報収集、マナーの学びを深めようと必死でした。知識が増えることが嬉しいのと同時に「マナー違反」をしているお客さまが気になって仕方がありませんでした。「あなたのために言ってるのよ」この言葉と一緒に多くの押しつけをしていたのです。
お客さまからの感想は「ありがたいはずなのに苦しい」という言葉でした。
答えは相手の中にある
「お客さまのことを思っているのは本当なのに、伝わらない。ならば、伝え方を変えなくては」という気づきをいただきました。意識したことは、私の話を聞いたお客さまが「誰でも、聞いたその場で、うんうん分かったと相槌が出るように話す」です。
以前、某小学校にて全校児童に向けてマナー講座を行いました。ある日、その講座に参加された小学6年生の方からお手紙をいただきました。
「今までたくさんの先生が来てくれたけど1年生が寝ないで話を聞いていたのが嬉しかった」「1年生が笑顔でうなずいていたのでびっくりした」「みんなが分かるように話してくれてありがとう」手紙にはそのようなことが書かれており、お客さまのほしい答えに辿り着くためには「
これから頑張りたいこと
新型コロナウイルス感染拡大によって、生活様式が大きく変化しました。多様性という言葉も多く聞かれるようになり、一人ひとりの個性を認めることも大切な時代になりました。おつき合いのある企業や行政からもマナーに関するたくさんの質問をいただきます。変えたほうが良いこと、変わったほうが自然なこと、なぜそれまでそんなやり方をしていたのかをしっかりと考えた上で、今の時代のマナーをご提案していけたらと思います。
マナーは相手のことを大切に思っている心の表現を、目で見える立ち振る舞い、耳で聞こえる言葉づかいで表現します。愛という漢字は人の心を受け入れるという漢字が隠れています。自分に関わる相手の心を受け入れて差しあげることが愛・マナーだと思います。これからも、お客さまから学び、それをしっかりと未来につなげるマナーとして提案し、ご恩送りを続けていきたいと思います。
- ※ 斟酌力
- 事情や心情を汲みとって調整する力
岸田 輝美氏
ビューティフルマナー株式会社 代表取締役。電話応対技能検定指導者級資格保持者。電話応対コンクール全国大会審査員の経験あり。企業や学校へ出向き、マナー、電話応対、コミュニケーション研修などを行っている。チーム力アップの研修が大好きで、スポーツチームや競技団体の講演活動も積極的に行っている。