サイト内検索

電話応対でCS向上コラム

第16回 リーダーに困りごとを伝えたい 記事ID:C10093

リーダーに自分の困りごとを相談したい時、遠慮しすぎず、自分の状況を具体的に伝えて相談します。「お互いさま」という視点を忘れず、今後に向けて前向きに話し合います。

自分の状況を正しく言葉で表現することから

 職場の多様性が進むということは、“察して当然”という暗黙の了解が通用しにくくなることでもあります。相手の人となりを知っていれば、状況を察することは難しくありません。相手はきっとこのように感じているのだろうと、自分の身に置き換えることができます。
 一方、自分と異なる相手の状況を理解するのは、簡単なことではありません。察してくれるはず、という無意識の期待はいったん脇に置き、「自分はどのような状況で、何に困っていて、どうしてほしいのか」、自分から言葉にすることを意識することが必要になってきます。

例えば…育休を終えて戻ってきたが…

 育休を終えて職場に復帰した佐藤さんは、現在時短勤務です。佐藤さんが16時半に退社することに対して、復帰後しばらくの間は周囲も気をつかってくれていましたが、最近はほかのスタッフと同様に仕事の量が増えてきていることに悩んでいます。昨日もリーダーから、「これお願い」と時間内に終わりそうにない事務作業を依頼されました。佐藤さんとしては、「リーダーは私が時短だと知っているはずなのに、どうしてもっと気をつかってくれないのだろう」と不満を抱えています。

自分の困りごとを具体的に話す

 「時短の状況は分かっているはず」、ではなく、自分の困りごとと懸念については自分から具体的に伝える必要があります。アサーティブに伝える時のポイントは具体的に話すことです。「いつもギリギリで仕事を依頼されて困っています」と言うのは、非常に攻撃的な表現になるので気をつけましょう。
 「今月に入って、16時頃に新しい仕事を依頼されることが何度かありました。時間内に終わらず翌日に持ち越してしまい、ご迷惑をかけてしまいました。私もできる限り時間内に終わらせるよう頑張ってはいるのですが、忙しい同僚に頼まざるを得なく、非常に心苦しく感じています」
 あくまで、「このような事実があり、具体的にこのような問題が生じていて、自分としては心苦しく、悩んでいる」と、率直に、客観的かつ具体的な話となるよう意識してください。

相手にお願いしたいことと自分ができることを明確に伝える

 状況だけ伝えればリーダーが何とかしてくれるだろうという考えも、いったん外しておきましょう。相手にどうしてほしいのか、自分は何ができるのかについて、具体的な提案をします。ここでは、「相手にしてほしいこと」と「自分ができること」の2点に絞って伝えます。
 「私のほうでも『これは終わりそうにない』と分かりましたら、なるべく早い段階でご相談にあがります。ほかの方にお願いできることを私のほうで整理しますので、リーダーからその方に依頼していただけないでしょうか」
 相手が自分の状況を理解して、“動きやすいように伝える”ことは、自分の側の責任であると考えましょう。

誠実な気持ちを言葉にする

 自分の気持ち、相手の気持ちも言葉にします。職場は業務をこなす場だけではありません。仕事のやりがいを感じて信頼できるチームにしていくためには、自分の正直な気持ちや、前向きな意気込みについても、言語化すると良いでしょう。
 次のような表現を、使える語彙として持っておくことをお勧めします。「チーム全体の調整をいただき、いつも本当に感謝しています」、「同僚に負荷をかけていることは自分としても心苦しく感じております」、「通常業務の勤務に戻りましたら、今以上にチームに貢献したいと思っています」などです。
 職場の中でも、それぞれが努力し精一杯がんばっていることは事実です。“お互いさま”という意識を忘れず、一人ひとりが働きやすい環境となるように協力していくこと。その際には、自分を卑下することなく、相手への敬意を忘れることなく、率直に、誠実に、対等に話し合う姿勢を持つことで、協力し合える関係を作っていくことができるはずです。

森田 汐生氏

NPO 法人アサーティブジャパン代表理事。一橋大学社会学部卒業後、イギリスの社会福祉法人でソーシャルワーカーとして勤務。その間、イギリスでのアサーティブの第一人者、アン・ディクソン氏のもとでアサーティブ・トレーナーの資格を取得。主な著書に『「あなたらしく伝える」技術』(産業能率大学出版部)、『なぜ、身近な関係ほどこじれやすいのか』(青春出版社)など多数。

サイト内検索

関連記事

入会のご案内

電話応対教育とICT活用推進による、
社内の人材育成や生産性の向上に貢献致します。

ご入会のお申込みはこちら