ICTコラム

大学の授業をインターネットで《第7回》

記事ID:D40019

生涯学習と言われて久しく、何歳になっても学ぶ機会を得ることができるようになりました。加えて、近年では「リカレント教育」といって、大学や大学院で学びなおす社会人が増えています。大学や大学院でなくとも、自らの興味のある分野を探究することは、将来のキャリア形成にも大きな効果をもたらします。今回は、その学び方の一つとして、気軽にすぐに始められるインターネットを通じた学びを紹介します。

日本版MOOC 「JMOOC(ジェイムーク)」

 「無料で学べるオンライン大学講座」として開講されているのが、JMOOC(日本オープンオンライン教育推進協議会・https://www.jmooc.jp/)です。
 2012年前後から、欧米の有名大学がそれぞれに開講していたオンライン講座があり、世界中どこからでも、好きな時に学べる環境がありました。それらを総称してMOOC(Massive Open Online Course)と呼んでいます。
 その日本版として、2014年JMOOC が生まれました。MOOCは英語での講義が中心であるのに対し、JMOOC では日本語のコンテンツが準備されており、大学の授業だけでなく、社会人として知っておきたい基礎知識などすぐに役立つテーマも含まれています。
 会員登録さえすれば、スマートフォンでもパソコンでも、インターネットを通じて、誰もが無料で受講できます。
 大学ではこれまで、平日夜間や休日などに社会人向け公開講座が行われてきましたが、JMOOCでは、それらの内容に比べ、やや専門的であり、講義終了後にミニテストが準備されていたり、レポート提出が求められたりします。
 それらの成績が基準を満たせば、修了証が発行されるなど、学習意欲が高められるようになっています。
 

gacco(ガッコ)と OpenLearning, Japan

 JMOOCの一つとして「gacco(https://gacco.org/)」というサービスがあります。NTT ドコモグループが提供しているサービスです。さまざまな大学の講義が受けられるだけでなく、企業がノウハウを解説する講義もあります。中には、親子で学べるようなコンテンツもあり、幅広く学べるようになっています。
 講師が作成した短い動画教材とスライド教材を見ながら受講します。そのあと、ミニテストで理解度を確認します。これが週1回程度配信され、数週間、継続して受講します。
 スマートフォンでもパソコンでも受講することができるので、ちょっとしたスキマ時間を有効に活用できます。
 JMOOCには、gaccoのほかにも、「OpenLearning, Japan(https://open.netlearning.co.jp/index.aspx)」というサービスがネットラーニング社から提供されています。
 gaccoと仕組みはほぼ同じですが、提供されている講座は異なります。九州大学をはじめとした国内の有名大学だけでなく、マサチューセッツ工科大学、イェール大学など、海外の大学の授業も準備されています。日本にいながら海外の大学の授業が受けられるのが魅力です。

企業内研修にも応用できる

 JMOOC は、基本的には個人を対象にした公開講座ですが、企業内(受講生を限定したクローズな環境)でも利用できるようになっています。
 例えば、商品やサービスの特長や販売方法などを学習する教材を動画とスライドとで作成し、JMOOC のプラットフォームに載せることで、社内限定の社員教育・研修用コンテンツを配信することができます。
 これからは、自己学習による研修が増え、どんどん動画教材が取り入れられていくことでしょう。学習者もそれに合わせて学び方を変え、強制されての学習ではない、自発的に自律して学ぶことが求められます。学ぶ習慣も同時に身につけていきましょう。

※本文中に記載のサービス・製品名は各社の登録商標です。

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