ICTコラム

知っておきたい SNS の注意点《第13回》

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個人利用や業務利用、地域や学校などでも広く使われ定着した SNS。電話や Eメールに代わるコミュニケーションツールとしても日常的に使われており、SNSのバリエーションも幅広くなりました。かつては投稿を控えていたような情報でも、気にせず投稿・公開している人も見られるようになり、情報に関するリテラシーやモラルも変化してきました。その一方で、情報を公開することによるリスクは、これまで以上に高まっているのが現状です。今回は、SNSで扱われる情報について考えてみたいと思います。

個人情報の投稿・公開に注意

 以前から、「SNSには個人情報を投稿してはいけません」と言われてきました。この原則は今でも変わりません。住所、氏名、会社名や学校名といった文字情報に加え、投稿した写真に氏名や会社名が写りこんでいたり、住所が類推できるような建物が写っていたりすると、結果的に個人情報が漏れてしまうことにも注意しなければなりません。もちろん、自分、友人、家族などの顔が写った写真や動画も個人情報となるため、投稿・公開は控えるべきでしょう。
 その一方で、SNSの中には実名登録が基本となっているものがあったり、動画投稿サイトでは自分の顔を出すことが一般化しているものがあったりと、個人情報を公開することが前提となっているものも増えました。また、自己開示を多くすることで、返報性によって相手とのコミュニケーションが深まるという効果が期待できます。すべての個人情報を公開せずにSNSを使うのは難しいでしょう。
 個人の情報管理は、自己責任となります。投稿しようとしている情報や写真・動画は公開する必要があるのか、公開しても問題ないのかなど、さまざまな角度から検討してから投稿・公開しなければなりません。

気をつけたい 不確かな情報

 「SNSには投稿しない、閲覧するだけ」という人も多いことでしょう。閲覧だけでもSNS を使う価値は十分 に あ り ま す。SNSを閲覧するだけの人でも気をつけないといけないのが、偽情報や誤情報、デマなど、いわゆるフェイクニュースです。本当か嘘かを考えることなく、または見抜くことができないまま、ついついSNSに掲載された情報を信じてしまうことは少なくありません。そればかりか、その情報を家族や仲間内に話したり、SNSで拡散してしまったりすることもあります。たとえ、善意で広めたものでも、フェイクニュースではかえって加害者になってしまいます。
 情報の発信源はどこか、信頼できるほかのウェブサイトに同じニュースが出ていないか、などを確認して、情報の信頼性や正確性を確かめましょう。その上で、正確な情報を皆で共有できる社会にしていきましょう。

知らないところで情報が拡散

 「大勢の人の目に触れるようなSNS は 使 っ て な い。メ ー ル かチャットか、その程度だ」という人でも注意が必要です。メールやチャットでは、1対1か、または数人程度の中でやりとりすることが多く、情報が漏れるリスクは少ないと考えがちです。しかし、受信者がメッセージを他人と共有したり、スクリーンショットや画面キャプチャで画像化したものを他人に転送したりするかもしれません。さらには、SNS などで公開したりすることも考えられます。
 自分の知らないところで、勝手に情報が拡散されてしまうリスクを考えると、たとえ1対1や内輪だけのコミュニケーションでも、個人情報や機密情報を送信することは極力控えるべきです。逆に、自分が受け取った情報は、管理を確実にし、やむを得ず、その情報をほかに使用する時には、発信者に許可を取るようにしましょう。

※2022年5月号7ページの「Android」のクレジットを「Google Inc.」と記載しておりましたが、正しくは「Google LLC」です。お詫びして訂正いたします。

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