電話応対でCS向上コラム

-大同生命保険株式会社-
第84回 お客さまの感情に応えるということ

記事ID:C10172

 生命保険会社である当社は、日々さまざまな「感情」を持ったお客さまからお電話をいただきます。生命保険は、いわば人生とともにあるものです。結婚、出産、就職、病気、けが、後遺症、そして死亡。人生の節目や困難な場面を支えるのが生命保険であり、大切な出来事に関わるからこそ、お客さまのお話には強い感情が伴います。

「丁寧」な対応のはずなのに

 ある日、入院給付金のご請求について、女性のご契約者さまからお問い合わせのお電話がありました。その方は何度も入退院を繰り返されており、請求手続きが複雑になっていたため、どのように請求すればよいかを確認したいとのことでした。
 最初に応対した年次の浅いコミュニケーターは、入院状況やお手元の書類について、一つひとつ丁寧に確認していきました。しかし、入退院の回数が多かったことから確認事項も増え、「この入院も○○でのご入院ですね」といった質問を何度も繰り返すことになりました。するとお客さまは突然、「何回同じことを聞くの! 私はその病気です! ばかにしてるの!」と声を荒らげられました。コミュニケーターはどう対応してよいか分からず戸惑い、お客さまはそのまま電話を切られてしまいました。

お客さまの「変化」

 しばらくして、同じお客さまから再度お電話がありました。今度は別のコミュニケーターが応対したのですが、驚くことに何事もなかったかのように会話が進み、穏やかな雰囲気のまま終話となりました。
 何が違ったのでしょうか。
 通話を確認すると、最初の応対は会社のルールに沿って正確かつ丁寧に行われていました。一方、2回目の応対では、「何度ものご入院でご心配でしたね」「お加減はいかがでしょうか」といった気づかいの言葉が自然に添えられており、お客さまの病状やお気持ちを案じていることが伝わっていました。
 後日、そのお客さまからは感謝のお声までいただきました。

「感情」に応対する大切さ

 振り返れば、そのお客さまは病気のつらさや不安、手続きへの負担を抱えながらお電話をくださっていたのかもしれません。私たちはつい手続きや事実確認に意識が向きがちですが、お客さまは「手続き」だけのために電話をされているわけではありません。その背景には、それぞれの「人生」や「感情」があります。
 チャットボットやAIオペレーターなど、新しい技術が次々と登場する時代です。しかし、お客さまの声の向こう側にある思いを感じ取り、安心を届けられるのは、人だからこそできることではないでしょうか。
 私たちはこれからも、お客さまの言葉だけでなく、その背景にある思いや感情にも耳を傾け、一人ひとりに寄り添う応対を追求していきたいと思います。

宮本 真紀氏

大同生命保険株式会社 カスタマーサービスセンター 部付課長。コールセンターのコミュニケーターとして約10年間お客さま対応に従事。電話応対コンクールには8回挑戦し、2016年から熊本県大会4連覇、2019年には全国大会優勝を果たす。2023年度には「コンタクトセンター・アワード2023」個人表彰部門で「リーダー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。現在は社内外での研修やYouTube配信を通じて、電話応対の価値と魅力を伝えている。電話応対技能検定指導者級資格保持。

「次回の講師は、広島県 府中市 市民生活部 環境衛生課 生活環境係主査の河原 朗さんです。日々、市民の方のさまざまな相談に親身に対応されていらっしゃいます。コンクールをこよなく愛し、選手としてもがんばっています」

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