電話応対でCS向上コラム

-ダイキン工業株式会社 東日本コンタクトセンター-
第83回 サービスの向こう側にいるのは誰か

記事ID:C10169

社会人としての最初の壁

 皆さんは「サービスの価値」と聞いて、何を思い浮かべますか?
 入社して間もない頃、私は修理受付ではなく、修理費用のご案内や請求書の再発行を担当する部署に配属されました。「機械が壊れたのに督促までしてくるなんて」というお言葉をいただくこともあり、社会に出たばかりの私には正直気が重い業務でした。それでも経験を積むうちに業務に慣れ、処理を完了させることを優先するようになっていきました。「修理が完了している以上、料金をいただくのは当然のことだ」と、事務的に割り切っていたのです。

直ったはずなのに

 そんな中、修理が完了して数日経ってもお支払いがないお客さまに、「まだ不具合があるようでしたら、改めてエンジニアを手配いたします」とお伝えしました。問題解決に向けた前向きな提案のつもりでした。ところが、お客さまから返ってきたのは、意外な言葉でした。
 「エアコンは直ったよ。でも、あんな対応をされるならもう来てほしくないんだ!」
 一瞬言葉に詰まりました。当時の私は、直れば終わりだと思い込んでおり、受け付けをしたコミュニケーターや訪問したエンジニア、そして料金の案内をした私――これまでの修理対応に関わった「人」の存在を考えていなかったのです。修理が完了しても、お客さまが対価の支払いに納得するとは限らない。その事実に初めて向き合った瞬間でした。
 その場で自身の姿勢を反省し、お客さまが何に不満を感じて気持ちが離れてしまったのかを、数日間にわたって丁寧にヒアリングしました。その状況や心情を関係部署に共有し、解決に向けて積極的に動いた結果、「ここまでがんばってくれたから、あなたのために払うよ」と、ご納得の上でお支払いいただくことができました。

誠実さという、もう一つの対価

 皆さんにもう一つお聞きします。サービスという言葉の意味をご存じでしょうか。あの出来事のあと、気になった私は改めて辞書を引いてみました。
 サービスとは、「人のために力を尽くすこと」「商売で客をもてなすこと」。
 私に足りなかったのは、お客さまを説得する正しさではなく、相手を人として思いやる気持ちでした。
 技術的な解決だけでは、お客さまの安心は簡単に揺らいでしまいます。だからこそ、最後に問われるのは「人としてどう向き合ったか」なのだと思います。サービスの向こう側にはお客さまの生活があり、応対する私たちの姿勢も映し出されます。これからもそのことを忘れずに、お客さまと誠実に向き合い続けていきます。

新垣 敦子氏

ダイキン工業株式会社 東日本コンタクトセンター 品質管理チーム所属。センターの電話応対・接遇マナー向上に従事するほか、関係部署やグループ会社への指導も担当する。過去に電話応対コンクール全国大会審査員を務め、昨年より東京地区大会審査員を務めている。日本ICTテレコムユーザー協会 電話応対技能検定指導者級資格保持者。

「次回の講師は大同生命保険株式会社の宮本 真紀さんです。明るくハツラツとしたお人柄が素敵で、いつも元気をいただいています。電話応対コンクール全国大会優勝のご経験を活かし、コンクールの魅力を発信するYouTuberとしても活躍されています」

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