電話応対でCS向上コラム
-ダイキン工業株式会社 西日本コンタクトセンター-第81回 想いを巡らせ、納得を引き出す
記事ID:C10163
突然の水道トラブル
自宅マンションの水トラブルで、業者に問い合わせた時のことです。8月のある朝起きてみると、脱衣室の床に5cmほどお湯が溜まっていました。洗濯機の防水パンの排水口から逆流しているようで、朝にシャワーを浴びている方が多いのか、ひっきりなしに溢れてきます。朝から気温も高く、湯気がこもりじっとしているだけでも汗が吹き出します。その中で高齢の母が一生懸命溜まったお湯をかき出していました。熱中症も心配で、交代して母に業者への電話をお願いしました。
温度感の違い
ところがどうも話がかみ合っていない様子。電話を代わり改めて状況を説明したところ、「先に管理会社様に連絡してください」「費用の支払者が確定しないと手配できない」の一点張り。管理会社が開き次第連絡することや、支払いも問題ない旨を伝えたにも関わらず、その方は淡々とした口調で、同じラリーが4回続きました。あまりに腹が立って「上の方に代わってください」と伝えると、無表情な「はい」というひと言の後にすぐ保留音が流れる始末で、開いた口が塞がりませんでした。幸いなことに次に出られた方(おそらくスーパーバイザーさん)が温かみのある声音で寄り添い、こちらの状況や気持ちをしっかりくみ取ってくださったおかげで溜飲を下げることができました。
「説得」ではなく、「納得」
私が一番感じたのは、こちらの状況や思いがまったく伝わらない(受け取ってもらえない)歯がゆさでした。復唱で理解を表現し、気づかいを言葉と音で伝えてくれるだけで、私ももっと聞く耳を持てたと思います。ただ、経験上真面目なコミュニケーターほど、「間違ったことを伝えてはいけない」という思いからルールに則った案内に固執してしまい、お客さまとの距離が遠のく…といったケースも少なくないと感じています。社内の研修では「たとえ案内する内容が間違っていなくても、理屈を押しつけるような応対はお客さまにとっては『企業側の都合』『説得』でしかなく、必要なのはお客さまの『納得』を引き出すこと」「お客さまの物理的ニーズだけでなく、心理的ニーズも満たすことが大切」と伝えています。これからも、自身の体験や体感を交えながら、電話の向こうに想いを巡らせ、『納得』を引き出す応対の大切さ、体温が感じられるお客さま対応の必要性を伝え続けていきたいと思います。
田中 久子氏
ダイキン工業株式会社 西日本コンタクトセンター 品質管理チーム所属。電話応対技能検定指導者級資格保持者(24期)。トレーナーとして、コミュニケーターの応対品質指導やスーパーバイザーの指導力向上、サービスエンジニアやグループ会社に向けて電話応対スキル及びビジネスマナー研修等を担当。また、電話応対コンクールやもしもし検定の指導にも携わっています。
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