電話応対でCS向上コラム
第18回 二つの返信スタイルを使いこなそう記事ID:C10013
メールを受け取って「返信」または「全員に返信」ボタンを押すと返信画面になり、文字を入力できる状態になります。この時、本文の書き方には二つのスタイルがあります。それは「全文引用」と「部分引用」です。それぞれの違いについて解説します。
返信の流れを整理
メールを受け取った人が「返信」または「全員に返信」ボタンを押すと、返信画面になります。メールソフトで「作成」ボタンを押してメールを新規作成する時と同じように、文字を入力する画面が表示されます。例えば、直井が鈴木太郎さんに以下のメールを送ったとします。研修の打ち合わせ日時の相談が主題です。
鈴木太郎様
お世話になっております。
一般社団法人日本ビジネスメール協会の直井です。
ご連絡いただいた研修の打ち合わせ日時についてご相談です。
研修企画がまとまりましたので、
一度説明の時間をいただけませんでしょうか。
こちらの都合で恐縮ですが、本日時点での候補日は以下の通りです。
・1月25日(月)11:00-12:00
・1月26日(火)13:00-14:00
・1月27日(水)15:00-16:00
・1月28日(木)14:00-15:00
場所は貴社またはオンラインのどちらも可能です。
上記日程の他、ご都合のよい日時を複数いただければ調整しますので、
ご希望をお聞かせください。
ご検討よろしくお願いいたします。
(署名)
TOでメールを受け取った鈴木太郎さんが「返信」ボタンを押して、直井に返信します。「返信」ボタンを押すと次のような画面になります。
2021年1月15日(金) 10:28 一般社団法人日本ビジネスメール協会
<info@businessmail.or.jp>:
>
> 株式会社○○○○
> 鈴木太郎様
>
>お世話になっております。
> 一般社団法人日本ビジネスメール協会の直井です。
>
> ご連絡いただいた研修の打ち合わせ日時についてご相談で
す。
>
> 研修企画がまとまりましたので、
> 一度説明の時間をいただけませんでしょうか。
> こちらの都合で恐縮ですが、本日時点での候補日は以下の通りです。
>
> ・1月25日(月)11:00-12:00
> ・1月26日(火)13:00-14:00
> ・1月27日(水)15:00-16:00
> ・1月28日(木)14:00-15:00
>
> 場所は貴社またはオンラインのどちらも可能です。
> 上記日程の他、ご都合のよい日時を複数いただければ調整しますので、
> ご希望をお聞かせください。
>
> ご検討よろしくお願いいたします。
>
>( 署名)
返信画面の本文欄には届いたメールが表示されています。設定によりますが、テキスト形式でメールを使っていれば、行頭には「>」が付きます。
この時、届いたメールをすべて残して、その上に一から返事を書くのが「全文引用」です。一方、「部分引用」では、届いたメールの中で回答が必要な部分を残して、その下に返事を書きます。それぞれ、実際の画面は次の通りです。
「全文引用」の例
まず「全文引用」すると次のようになります。
直井様
お世話になっております。
株式会社○○○○の鈴木です。
ご連絡ありがとうございます。
打ち合わせは、1月26日(火)13:00-14:00、オンラインでお願いします。
使用ツールをご指定ください。
よろしくお願いいたします。
(署名)
2021年1月15日(金) 10:28 一般社団法人日本ビジネスメール協会
<info@businessmail.or.jp>:
>
> 株式会社○○○○
> 鈴木太郎様
>
>お世話になっております。
> 一般社団法人日本ビジネスメール協会の直井です。
>
> ご連絡いただいた研修の打ち合わせ日時についてご相談です。
>
> 研修企画がまとまりましたので、
> 一度説明の時間をいただけませんでしょうか。
> こちらの都合で恐縮ですが、本日時点での候補日は以下の通りです。
>
> ・1月25日(月)11:00-12:00
> ・1月26日(火)13:00-14:00
> ・1月27日(水)15:00-16:00
> ・1月28日(木)14:00-15:00
>
> 場所は貴社またはオンラインのどちらも可能です。
> 上記日程の他、ご都合のよい日時を複数いただければ調整しますので、
> ご希望をお聞かせください。
>
> ご検討よろしくお願いいたします。
>
>( 署名)
今回は打ち合わせ日時の相談が主題なので、提示された日程の中から都合のよい日を選んで指定し、打ち合わせ方法はオンラインを希望することを書きます。この場合、日時などは届いたメールの文章をコピー・アンド・ペーストしてもよいでしょう。
「部分引用」の例
続いて「部分引用」すると次のようになります。
直井様
お世話になっております。
株式会社○○○○の鈴木です。
> ご連絡いただいた研修の打ち合わせ日時についてご相談です。
>
> 研修企画がまとまりましたので、
> 一度説明の時間をいただけませんでしょうか。
ぜひ、詳しい話を聞かせてください。
> ・1月26日(火)13:00-14:00
日程はこちらでお願いします。
> 場所は貴社またはオンラインのどちらも可能です。
では、オンラインでお願いします。
使用ツールをご指定ください。
よろしくお願いいたします。
(署名)
部分引用は、会話をするように返事を書きます。打ち合わせを承諾する言葉を添え、提示された日程の中から都合のよい日だけを残してほかは削除し日付を指定、打ち合わせ方法はオンラインを希望することを伝えます。
「全文引用」は届いたメールが下に残るので、1通のメールの中で送受信の履歴を残したい時に適しています。「部分引用」は相手の言葉に対して返事を添える、一問一答のように書くので回答漏れを防ぎ、入力する文字数は全文引用に比べて少なくて済むという利点があります。
それぞれの方法に優劣はありません。目的に応じて使い分け、効率よくメールでコミュニケーションをとりましょう。
次回は返信がもらえるメールの書き方について解説します。

直井 章子氏
一般社団法人日本ビジネスメール協会 株式会社アイ・コミュニケーション 専任講師。ビジネスメール教育の専門家。ビジネスメールの教育研修プログラムの開発、実態調査や検定試験に携わる。官公庁や企業などでのビジネスメールや文章に関する研修やセミナーでの講演回数は100回超。新聞や雑誌、ウェブ媒体などでの掲載多数。著書は『このフレーズが決め手!伝わるモノの書き方のコツ』(ナツメ社)など3冊。