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第14回 返信が来ない!あなたはいつまで待てる?

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メールを送ったのに返信が来ない。そんな時、あなたはいつまで待てますか。業務時間なら1時間以内に返事ができるだろう。通常ならば1日くらいは待てる。外出などを考慮しても2日が限度。事情があったとしても1週間は遅すぎる……。待てる時間には個人差があり、用件や状況によっても意見は分かれるでしょう。今回は返信をいつまで待てるかについて解説します。

読んでいるのに返事をしない!?

 一般社団法人日本ビジネスメール協会で実施した、仕事でメールを使っている1,552人を対象に行った『ビジネスメール実態調査2020』によると、仕事のメールを確認する頻度は「1日に10回以上」(51.16%) が最も多く、頻繁にメールを確認していることが分かりました。合計すると1日に1回以上メールを確認している人は99.42%で、毎日メールを確認することが当たり前になっていると言えます。つまり、1日以内に返信がないと「読んでいるのに返事をしない」と解釈される可能性があるのです。

メールの返信のボーダーライン

 「送信後いつまでに返信が来ないと遅いと感じるか(急ぐ場合を除く)」との問いでは、返信が来ないと遅いと感じるのは、送信後「1日(24時間)以内」(44.59%)が最も多く、合計すると1日(24時間)以内に返信が来ないと遅いと感じる人は7割を超えています(図参照)。

 それまでに返信が来ないと、仕事が遅いな、対応が悪いな、といった印象を抱かれることにもなりかねません。この結果から、メールの返信のボーダーラインは1日(24時間)以内が一つの目安になり、多くの人が1日(24時間)以内の返信を期待し、心がけていると考えられます。

新基準!? 4時間の返信とは

 仕事を高速に進め、相手からの評価を高めようと考えるなら、4時間以内の返信が一つの目標になるでしょう。4時間以内の返信を目指す場合、1日を3つのブロックに分けて考えます。例えば、朝、昼、夕方の3ブロックです。朝、仕事をスタートしたら届いているすべてのメールに対応します。昼になったら、午前中に届いた残りのメールに対応。夕方は、それまでに届いたすべてのメールに対応。この方法であれば、相手を待たせるのは4時間くらいです。しかも、メールのチェックが3回で済み、まとめて対応する分だけ費やす時間は短くなります。ほかの業務にもしっかり時間が取れて、仕事がはかどります。

 余裕がある時は、業務の合間にメールをこまめに見ることで、処理するべきメールを前倒しで減らせます。メールは、今返信しても、明日返信しても、費やす時間は同じ。それならば、少しでも早く返信して、将来の自分に楽をさせてあげましょう。

 ただし、即レスにこだわりすぎると、かえって時間を奪うことがあります。次回は即レスの問題について解説します。

直井 章子氏

一般社団法人日本ビジネスメール協会 株式会社アイ・コミュニケーション 専任講師。ビジネスメール教育の専門家。ビジネスメールの教育研修プログラムの開発、実態調査や検定試験に携わる。官公庁や企業などでのビジネスメールや文章に関する研修やセミナーでの講演回数は100回超。新聞や雑誌、ウェブ媒体などでの掲載多数。著書は『このフレーズが決め手!伝わるモノの書き方のコツ』(ナツメ社)など3冊。

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