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第12回 お礼メールを送るのは 早ければ早いほど良い!?

面談が終わった後やイベントが終了した後などに、お礼のメールを送ることはありませんか。このようなメールは、いつ送るかによって効果が分かれます。最も適した瞬間に送れば効果が高いけれど、誤ると逆効果になることもあるのです。今回はメールを送るまでの間隔について、お礼メールを例に解説します。

感謝を伝えよう

 面談後にお礼のメールが届いたら、相手はきっと嫌な気持ちはしないでしょう。互いが時間を有効に使えたことに満足し、時間をとった甲斐があったと思うかもしれません。気が利く人、まめな人という印象を与えることもできます。感謝を伝えることはコミュニケーションの潤滑油となるのです。急ぎではない、相手が都合の良い時に読めばいいようなお礼を伝えるのにはメールが適しています。

 この時、感謝の言葉だけでなく面談内容や相手が知りたいことをまとめて書くと、その後のスムーズな進行にもつながります。誰もが、話したことを忘れず正確に心にとどめておけるとは限りません。話したことをまとめて送れば、誤解を解き、共通の認識を持つことができます。面談内容を整理するという相手の手間も省けます。一通のお礼メールによって、良い関係を築き、合意のもとに物事を速やかに進めることができるという利点があるのです。

お礼メールはいつ送る?

 こうしたお礼メールは、ただ送ればいいというわけではありません。もし、面談から3カ月が経った頃にお礼のメールを送ったら、どうなるでしょうか。相手は面談のことをすっかり忘れているかもしれません。覚えていても、時間が経ってから届いたメールに違和感を覚えるかもしれません。感謝の気持ちはあっても、それが伝わらない可能性があるのです。では、1週間後ならどうか、3日後ならどうか。終了してからお礼のメールを送るまでの適度な間隔を探っていきます。

 感謝を伝えるのは早ければ早いほど良い。間を空けない方が気持ちの強さや誠意を感じてもらえる。そのようにも思えます。しかし、17時終了の面談で、そのお礼メールが17時ちょうどに届いていたら、受信者は自動で送られてきたメールだと瞬時に判断し、雑に扱われていると思うでしょう。その日の22時に届いたら、お礼のメールを送るために、こんな遅くまで仕事をしているのかと心配するかもしれません。

早すぎても遅すぎても駄目

 お礼のメールは早すぎても遅すぎても駄目なのです。午前中の面談なら当日の終業時刻まで、午後の面談なら翌営業日の午前中までに送るのがベストです。これを越えると「普通だなぁ」という印象になり、さらに遅れると「ちょっと遅いなぁ」という印象になり、さらに遅れると「仕事が遅い人だなぁ」というように印象が悪くなっていきます。

 前向きな気持ちを伝えたいはずが、望んでいない印象を持たれてしまうことがないよう、お礼メールでは、何を伝えるか、いつ送るか、この二つがポイントになります。

イベントの参加お礼メール

 イベントに参加してもらったお礼のメールを送る時も同様です。会場に足を運んでくれたことへの感謝や、参加したことによって得られるメリット、その後の展開を伝えます。会場で話したことに触れたり、相手の目的に合った情報を添えたりすれば機械的ではない対応として映ります。信頼関係の土台ともなる感謝の気持ち。メールでもしっかり伝えていきたいですね。次回は催促のメールについて解説します。

直井 章子氏

一般社団法人日本ビジネスメール協会 株式会社アイ・コミュニケーション 専任講師。ビジネスメール教育の専門家。ビジネスメールの教育研修プログラムの開発、実態調査や検定試験に携わる。官公庁や企業などでのビジネスメールや文章に関する研修やセミナーでの講演回数は100回超。新聞や雑誌、ウェブ媒体などでの掲載多数。著書は『このフレーズが決め手!伝わるモノの書き方のコツ』(ナツメ社)など3冊。

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