電話応対でCS向上コラム

第11回 メールを送る時間帯を意識していますか

メールは、時間や場所を問わずに利用できるツールですが、送るのに適した瞬間があります。同じ内容のメールでも、いつ送るかによって評価を上げることも下げることもできるのです。タイミングを逃すと相手に違和感や不快感を与えたり、迷惑をかけたりする可能性があります。今回はメールを送る時間帯について解説します。

メールは何時まで送っていいのか

 メールは夜の何時までなら送っていいのか。メールを使い始めるとこのような疑問を抱く人が多いようです。人によっては仕事のメールをスマートフォンでも確認していたり、プライベートなメールアドレスに転送していたりすることもあります。メールを深夜に送ったら、相手のスマートフォンが鳴って睡眠を妨害するかもしれません。20時ならいいのか。23時はアウトなのか。

 そもそも、送信者と受信者が互いに仕事でメールを使っていることから考えれば、業務時間内に送るのが基本といえます。相手がいつ仕事をしているかは、月曜日から金曜日に9時から18時までなど、業種や業態、組織や働き方によってさまざまです。一概にいえることではありませんが、当事者が互いの業務時間を意識して、配慮することでバランスをとります。

こんな時、どうする?

 今日中にメールを送る約束をしていたが、気づいたら業務時間を過ぎている。その場合、何時までだったら一般的に許されるのか。人の感覚の問題なので、明確に区切るのは難しいですが、許容範囲は前後2時間でしょう。9時が始業時刻であれば、早くて7時。18時が終業時刻ならば、20時までが一つの目安です。

 ここを外すと、相手に心配されるかもしれませんし、仕事のスキルが低いのではと思われることもあります。メールの送信は仕事なので、その時間も業務時間内と考えられます。場合によっては「こんな時間まで働かせる会社なのか」と思われることもあるでしょう。

 メールは24時間送受信ができる便利なツールですが、対応するのは24時間ではありません。翌日まで持ち越せるメールを、あえて業務時間外に送る必要はないのです。

 また、遅い時間の急なメールも、相手をずっと追いかけ、プライベートな時間を奪っているような印象を与えることもあります。

 もちろん、仕事のために必要であったり、その必要性を互いに理解していたりすれば、送る時間や曜日は問われません。緊急の連絡で深夜にメールを送る、休日にメールを送らざるを得ない、そのような時もあるでしょう。相手や状況に応じて適宜判断する柔軟さも必要です。

遅い時間の返信は立場を悪くする

 遅い時間のメールには注意が必要です。「メールを送ってきた=業務時間」というように相手が認識するからです。いつでも遅い時間にメールの対応をしていると、相手に「早く返信してもらえる」と期待させます。

 例えば、20時にメールが届いて「今日中に返信してください」と書かれていたらどうでしょう。そのようなメールに何度か対応していると、いつでも遅い時間でも返信してくれる人だと期待されるかもしれません。

 仕事を円滑に進めるためにも、業務時間外の過度なメール対応は避けるべきです。無理をして対応していたのに、たまに返事が翌日の昼くらいになると、それだけで「遅い」と思われてしまう可能性があります。次回はメールを送るまでの間隔について解説します。

直井 章子氏

一般社団法人日本ビジネスメール協会 株式会社アイ・コミュニケーション 専任講師。ビジネスメール教育の専門家。ビジネスメールの教育研修プログラムの開発、実態調査や検定試験に携わる。官公庁や企業などでのビジネスメールや文章に関する研修やセミナーでの講演回数は100回超。新聞や雑誌、ウェブ媒体などでの掲載多数。著書は『このフレーズが決め手!伝わるモノの書き方のコツ』(ナツメ社)など3冊。

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