電話応対でCS向上コラム
第9回 読みやすいメール本文のレイアウトとメールを開封した瞬間に「読むのが大変そうだな」と思ったことはありませんか。メールの読みやすさを左右するのが本文のレイアウトです。今回はメール本文の「レイアウト」について解説します。
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▲【参考文面】①
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▲【参考文面】②
上のメール(参考文面①②)を見てください。①のほうが「読みやすい」「読みたい」と感じるのではないでしょうか。①と②は同じ情報が書かれていますが、見た目は異なります。見た目の違いが読みやすさ、さらには分かりやすさにも影響を与えているのです。
読みやすいメールは、一回読めば内容が頭に入ってきて、すんなり理解できます。一方、読みにくいメールは、文字をしっかり追わないと理解できません。長文になればなるほど、どこを読んでいたのか分からなくなるため集中力を要します。読み飛ばしたり、容易に本題をつかめなかったりして、結局何が言いたいのか分からなくなります。求められていることが不明なので行動に移せないといったストレスを覚えます。読みにくいと分かりにくく、その結果伝わらない、求める行動を引き出せないという悪循環に陥ります。
それでは、読みやすい見た目とはどのようなものでしょう。ポイントは「改行」「行間」「箇条書き」「見出し」の四つです。
改行
①のメールでは、1行の目安は20~30文字程度で、単語が2行にまたがらないように句読点や文節で適度に改行しています。30文字で横幅をピッタリとそろえる必要はありません。そろえると②と同じレイアウトになり読みにくくなります。
行間
行間がないとすべての情報が重要に見えます。挨拶、名乗り、見出し、重要事項、確認事項、結びの挨拶などすべての情報が同じ重さではありません。メールを構造化するためにも同じ意味のものを近づけ、異なるものは行間をとるなどして距離を置きます。
文章のまとまりごとに1行空け、一つのまとまりは5行以内を目安にします。5行を超える文章はどこまで読んだか分からなくなることがあります。
改行と行間によってメリハリをつけて構成したら、1文の長さにも目を向けます。1文が長くなると文意をつかみにくくなることもあるため、最大50文字程度を目安にし、長い文章は2文に分けるなどの調整をします。
箇条書き・見出し
また、箇条書きにすることで端的に伝えることができ、要点をつかみやすくなります。さらに■や●といった記号で見出しをつけると目に留まりやすくなります。─や━などで線を引いて単語や文章を囲んで見出しをつけることもできます。箇条書きでは「人数:30名(予定)」のように敬語を使う必要がないため表現に悩むことが減り、作成スピードも速くなります。メールの読みやすさに意識を向けると、伝わりやすさが変わります。
次回は「添付ファイル」について解説します。
直井 章子氏
一般社団法人日本ビジネスメール協会 株式会社アイ・コミュニケーション 専任講師。ビジネスメール教育の専門家。ビジネスメールの教育研修プログラムの開発、実態調査や検定試験に携わる。官公庁や企業などでのビジネスメールや文章に関する研修やセミナーでの講演回数は100回超。新聞や雑誌、ウェブ媒体などでの掲載多数。著書は『このフレーズが決め手!伝わるモノの書き方のコツ』(ナツメ社)など3冊。