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電話応対でCS向上コラム

第26回 夫婦の会話から考える

アサーション

公開日:2017/09/15

人の話を聞く時、その前提になるのは、相手がどんな人であり、自分とどんな関係があるかを認識していることです。いろいろな立場の人と、アサーティブな関係をつくるにはどうしたらよいのでしょうか。今回から、さまざまな立場の人の話を聞くにはどのような点に注意すればよいのかを順次ご紹介していきます。まずは夫婦の特性を紹介しつつ、夫婦の会話がうまくいく方法を紹介していきましょう。

好き嫌いの感情が入る家族は揉めごとが多くなる

普段、話を聞く相手は、家族、知人、初対面の人、仕事関係の人などです。これらの人間関係の両極にあるのが、家族と仕事関係の人です。家族の場合は、表も裏も付き合っている関係です。一方、仕事関係では、個人的な思いはあまり入らず、仕事をスムーズに進める上でどんな関係をつくればいいかが重要です。その違いを端的に言うと、職場ではあまり好き嫌いの感情に左右されませんが、家族には好き嫌いの感情が入ってくるということ。家族は親密さを求め合うのが第一で、達成しなければならない課題や仕事をする仲間ではありません。だからこそ、家族には揉めごとも多くなるのです。

相手の身になって考えることが大切

夫婦の間では、お互いに言いたいことを言い合って「聴く」がなくなるケースがあります。二人がともに、自分の言い分を聞くことを相手に要求すると、こんな会話になります

「なんで遅いの?」「残業!」「だから、なんで残業になったの!」「忙しいからに決まっているだろう!」「どうせ、うちのことなんか何も考えてないんでしょ!」「誰のために働いていると思っているんだ!」

一方、相手の身になって聞くと、「なんで遅いの」「俺も早く帰ってきたかったんだけどなぁ。残業になっちゃって」「それは大変だったわね」夫が「早く帰ってきたかった」という一言を言えば、妻は「ああ、そう思っていたけれど遅くなったんだ」と分かります。

夫婦の会話の秘訣は、聞く側の「少しの余裕」

専業主婦と働く夫のケースでは、夫が仕事の場と同じ対応をしてしまうことがあります。妻が「隣の奥さんと玄関先で立ち話をしたら、彼女、もう30分も40分もしゃべっちゃって…」などと言うと、「そういうときはこうやって断るんだよ」と教えます。「そんな一日があったんだな」と受け止めるだけでいいのに、アドバイスをしてしまうのです。これは、妻の気持ちにまったく反応していない「聞いていない」典型です。夫婦の会話をうまくいくようにするには、聞く側が少しの余裕を持つことが大事なのです。

夫婦の会話における二つの禁句

そんな夫婦の会話の中で「禁句」と言われている言葉があります。それが「なぜ」「どうして」です。この二つの言葉が口癖になっている人がいます。例えば、夫に対して「なぜ約束の時間に帰ってこないの?」妻に対して「どうして電気をつけっぱなしにしてるの?」子どもに対して「どうして、忘れ物をするの?」こうした「なぜ」「どうして」は、純粋な疑問なのかと言えばそうではありません。「なぜ〇〇なの?」というのが、理由を聞いているのではなく非難になることがあります。ですから英語でも「Why」は注意して使います。言われたほうも非難されたと感じるので、ついきつい言葉で返してしまい、口げんかになってしまうことがあります。

カウンセリングの現場でも使わない「なぜ」「どうして」

カウンセリングにおいては、クライアントに対して「どうしてそうしたの?」とはめったに訊きません。理由を訊くときには「何か理由があったの?」「どんなふうにそうなったの?」などと言います。理由を訊こうとしていることは同じですが、「なぜ」「どうして」という言葉を使わないのは、それが責めているように聞こえる可能性があるからなのです。

※アサーションは、「もしもし検定」のカリキュラムに導入されています。

平木 典子氏

日本電信電話ユーザ協会 電話応対技能検定委員。立教大学カウンセラー、日本女子大学人間社会学部心理学科教授、跡見学園女子大学臨床心理学科教授を経て、統合的心理療法研究所(IPI)顧問。専門は臨床心理学、家族心理学。日本カウンセリング学会理事。

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