電話応対でCS向上コラム

-広島県府中市役所-
第85回 電話応対技能検定と電話応対コンクールで、 応対力アップ

記事ID:C10175

 市役所には、市内に住所のある住民の方が、来庁されることはもとより、対面や電話で多くのお問い合わせがあります。役所言葉は、かたくて、分かりにくいので、できる限り容易な短い言葉で住民の皆さまに伝わるよう意識しながら、日々業務に励んでいます。電話応対技能検定の活動や電話応対コンクールに参加することが、住民サービスの向上につながるのではないかと考え、積極的に取り組んでいます。

災害対応と電話応対

 私は市役所に入庁して、もう30数年になるのですが、今までに、国民健康保険、水道、選管事務局、土木課などの部署で、住民の方のお問い合わせに接してきました。
 その中で、一番、印象に残っているのが、総務課在籍時の2018年に発生した西日本豪雨(平成30年7月豪雨)の時の経験です。7月5日頃から、広島でも延々と雨が降りしきり、「これは大丈夫か」と不安に思い始めていました。すると、翌日の日中から、市内の至る所で土砂崩れ、浸水被害などが発生し、市役所にお問い合わせの電話が殺到するようになったのです。
 総務課は一時応対をする部署なのですが、途中から災害対策本部一時応対をする部署になりました。今まで経験したことのないような数の電話を必死で取り続けていたら、いつの間にか朝になっていました。そんな缶詰め状態が3日間続いて、やっと4日目辺りから交替ができるようになったのを記憶しています。
 災害では、時間を追うごとに住民の方からのお問い合わせ、相談内容が変わっていきます。最初の2~3日は、土砂崩れや浸水で消防団の派遣要請など緊急性が極めて高い通報でしたが、雨がやんで、日常生活が戻る過程の中で、「道路が寸断されているので、迂回路を教えてほしい」や「道路はいつ復旧するのか」、そして罹災証明やこれからの生活のことなどへと多岐にわたりました。
 住民の方も突然の災害に遭われ、感情的になられる方もいらっしゃいます。何気ない一言にも傷つかれる方もいらっしゃいます。
 どういう言い方をすればよかったんだろう、こう言えば適切だったのかな、自問自答する日々でした。その時は、適切な応対が思い浮かばなかったのですが、試行錯誤を繰り返すうち、住民の方の背景や心情を想像しなければならないのではないかと気づきました。
 でも、こんなことを考えられるようになったのも、電話応対技能検定や電話応対コンクールで日々、研鑽し、言葉一つひとつの言い方を自然に意識するようになったからだと考えています。

住民サービスの向上に、電話応対技能検定と電話応対コンクールを

 市役所の事務系職員は、人事異動があれば、知識ゼロから業務内容を把握して対応する必要に迫られます。それぞれの課で、業務内容をしっかりと把握して、分かりやすい言葉で伝える。電話応対コンクールも業務内容が毎年毎年変わります。実務で要求されることが電話応対コンクールでも要求される。では、「どういう言い方をすれば効果的に伝わるのか?」電話応対技能検定で学んだことを意識して、実務で繰り返し実践する。実務と、電話応対技能検定や電話応対コンクールは密接につながっていると考えています。これからも、電話応対技能検定や電話応対コンクールを通じて、住民サービスの向上に役立ててまいります。

河原 朗 氏

広島県府中市役所 市民生活部 環境衛生課所属
水道局料金担当だった2010年に、電話応対技能検定に出会い、その翌年から電話応対コンクールに参加している。その内容を、普段の業務でも共有化して、窓口での応対力アップに活かしている。日本ICTテレコムユーザー協会 電話応対技能検定指導者級資格保持者。

「次回の講師は、株式会社オフィスキュー代表の澤 直美さんです。企業や自治体を対象とした電話応対・マナー講師として、精力的に指導にあたられています。たおやかなたたずまいと、細やかな心づかいで人々を魅了し、組織を引張っておられます」

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