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ICTコラム

第17回 少ない予算でもPDCAを回す三つの重要ポイント

予算が少ないために広告の効果検証ができないと諦めていませんか?
今回は、限られた予算・時間でもウェブマーケティングにおいてPDCAを回していくために知っておいて頂きたいポイントをご紹介したいと思います。

あるBtoBの小規模プロモーション案件の事例を通して説明します。限られた予算でウェブマーケティングのPDCAを運用する参考としてください。

重要ポイント1:
現状分析を元に根拠のある仮説を立てる
重要ポイント2:
検証したい要素を明確にする
重要ポイント3:
スピーディな判定で予算の無駄を省く

重要ポイント1:現状分析を元に根拠のある仮説を立てる

今回の事例では、BtoBサービスのお問い合わせを獲得することを目的として広告を掲載しているものの、問い合わせ件数がほとんどないという課題がありました。

どのような要素をテストし改善するかは、「仮説」から決定しますが、仮説の根拠を示すために、現状分析から表面的に見えている問題点を洗い出す必要があります。

アクセス解析ツールによる現状分析では、新規流入元のほとんどが検索広告によるもので、平均ページ閲覧数は4.97と悪くない値でしたが、お問い合わせフォームに遷移する割合が訪問数の0.3%ととても低い状態でした。

つまり、表面的に見えている問題点の一つとして、「内容は閲覧されているがフォームへ到達していない」ということが挙げられます。

この表面的に見えている問題点の原因について、いくつか仮説を立てました。

  • :フォームへの動線が分かりにくい。

  • :サービス=ソリューションが理解されていない。

  • :ユーザ―が問題点に気づいていない。理解していない。

これらの仮説を元にどの要素がフォーム誘導に貢献しているかを検証することにしました。

重要ポイント2:検証したい要素を明確にする

フォーム誘導に影響のある要素を検証するために、以下の三つのランディングページ(以降LP)を設計しました。LPとは広告のリンク先に設定するページとなります。(点線は想定しているファーストビュー=スクロールしなくても視認できる範囲)

  • すべてのLP:ファーストビューにボタンを入れる。

  • LP1:クライアントが提供するソリューションを最も目立つ形で訴求。

  • LP2:問題提起とソリューションのコピーを順序変えし、問題提起を訴求する。

  • LP3:ソリューション、問題提起を示してからボタンを提示。

PDCAを正確に回すための重要なポイントとしては、テストにより検証したい要素を明確にすることが挙げられます。

今回の事例では、上記の三パターンのLPで以下の二つの要素を検証することになります。

  • ソリューション訴求と問題提起訴求の順序。

  • ボタンの位置。

LP1とLP2の結果を比較することで訴求順序の違いを、LP1とLP3の結果を比較することでボタンの位置の違いを、それぞれ判定します。

このように、一つの要素だけが異なるものをテストし比較することで、その要素に意味があるかどうかを判定できます。

重要ポイント3:スピーディな判定で予算の無駄を省く

今回の結果として、ある年の6月のデータが以下のような数字になりました。

すべてのLPに共通して、フォーム誘導率が大幅に改善されましたが、さらに改善を図りたいと考えています。

もし御社なら、この数字からどのような判定を行い7月にどんなアクションを起こすでしょうか。

  LP1 LP2 LP3
セッション数 1,123 1,109 1,124
フォームセッション数 63 52 43
フォーム誘導率 5.6% 4.7% 3.8%

※セッション数=訪問数、フォームセッション数=フォームへの訪問数

この事例は数年前の事例で実際に行った判定とその反省点を説明します。当時、私が判定しクライアントに提示したのは、以下の提案でした。

LP1とLP2の比較 LP1 LP2
セッション数 1,123 1,109
フォームセッション数 63 52
フォーム誘導率 5.6% 4.7%

①LP1とLP2(訴求順序の違い)の比較におけるフォーム誘導率の差(0.9%)は
誤差の可能性もあるが、差がより明確に見えるまで様子を見る。

LP1とLP3の比較 LP1 LP3
セッション数 1,123 1,124
フォームセッション数 63 43
フォーム誘導率 5.6% 3.8%

②LP1とLP3(ボタンの位置の違い)の比較における差(1.8%)は十分にあるが、
もう1ヵ月、結果を見てLP3の要否を判定する。

その後どうなったかというと、②の検証では翌月も明らかな差がありLP3を停止、①の検証では、数カ月実施するも、ますます差が小さくなり「LP1とLP2の比較は意味がない」となりました。

ここから得られる反省点は、6月のデータの時点で「LP1のみを残し、違う仮説を検証」としていれば、その後の予算を新たな可能性に投じることができたということです。

つまり、スピーディな決断で無駄な検証を省くことができるともいえます。

このように明らかな違いが得られない場合は、サンプル数の少なさを理由に判定を先延ばしにしがちですが、判定を先延ばしにすることは、一方で他の可能性を捨てているということも認識しておく必要があります。

以上三点、少ない予算でPDCAを回すための重要ポイントについて説明しました。
限られた予算の中で広告を運用されている方のご参考になれば幸いです。

小野瀬 友樹氏

株式会社グラタス代表取締役。

NECにて大規模プロジェクトに参画したのち、ウェブ広告代理店エイムスネットを経て現在に至る。
顧客の事業成果に貢献する!をモットーとし、データに基づいたサイト改善と広告戦略を軸にウェブコンサルタントとして活動中。大手から中小企業まで幅広く実務に従事している。
ウェブ解析士マスター。Yahoo!プロモーション広告プロフェッショナル。AdWords公認プロフェッショナル。テクニカルエンジニアNW。

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