企業ICT導入事例
-株式会社第一不動産販売-お客さま満足向上のため「お待たせしない電話応対」と「高いセキュリティ」を実現
「外出などでお客さまの電話に対応できないこと」は、機会損失だけでなく、お客さまをお待たせすることにもなります。株式会社第一不動産販売は、営業スタッフがどこにいても会社あての電話を受けられる「クラウドPBX※ 1」を導入、同時にセキュリティ向上のため社内システムも一新しました。
【導入の狙い】いつでも電話に出られる体制の構築でお客さまのさらなる信頼を獲得する。
【導入の効果】お客さまニーズに応じた対応を実現、業務効率化と伝達ミス削減も達成。
創業当初よりICTの積極導入を進めたことが成長の足がかりに
▲総務調査部長 倉田 一成氏
三重県鈴鹿市に本拠を置き、県北部を主な営業エリアとする株式会社第一不動産販売は、土地や建物の開発と分譲を業務の中核とする不動産会社です。
「2003年(平成15年)に創業した当社は、お客さまに『信頼される存在』『喜ばれる存在』『なくてはならない存在』を目指しております。この間、右肩上がりで成長を続けることができたのは、そうした姿勢がお客さまに高くご評価いただいたこと、そして創業当初よりICTの導入による合理化、効率化を進めてきたためだと自負しております」(倉田氏)
同社創業当時、不動産業界では紙ベースの物件管理が一般的で、お客さまやお取引先さまとの連絡も、電話とFAXに頼っていました。
「そうしたアナログな商慣習が残る中、弊社だけが業務フローをデジタル化することは困難です。しかし、物件のデータを紙ではなくパソコンのデジタルデータとして管理し、FAX送信もパソコンのFAXモデムから複数の宛先に同時送信できるようにするなど、当時としては考え得る最新のものを導入いたしました。こうした業務の効率化で、少人数でも多くの物件を扱えるようになったのです」(倉田氏)
もっとも重視したのは「お客さまをお待たせしない応対」の構築
こうしたシステムは随時見直し、アップデートを続けてきましたが、やはり導入から15年という月日と営業規模の拡大により、同社はより根源的なシステム更新を迫られることになります。
「システム更新において最も重要視したのは、お客さまからいただいたお電話に担当の営業スタッフが常に応えられる体制の構築でした。お客さまのお電話に折り返しの連絡で対応することはもちろん可能ですが、それでは何らかのご事情で急いでいらっしゃるかもしれないお客さまを必要以上にお待たせしてしまうことになります。また不動産のお取引というのは、お客さまと営業スタッフが、時には2年、3年という長いお付き合いを続けることで生まれる信頼関係の上に成り立つものであり、たとえ上司であっても、ほかの者が代行するというわけにはいかないのです」(倉田氏)
同社は検討の結果、PBXの機能をクラウドに置き、社内のPBXやビジネスフォン主装置を不要とする「ひかりクラウドPBX」の組み合わせを選択、今年秋のオフィス移転を機に、「フレッツ光オフィスA」「スマート光ビジネスWi-Fi」と合わせて導入しました。
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▲新社屋1Fに設けられたラウンジ
「『ひかりクラウドPBX』では営業スタッフの持つスマートフォンを、社内外のどこにいても内線電話のように取り扱うことができます。この機能のおかげで、営業スタッフはお客さまのお電話にいつでもどこでも応対できるようになりました。また内勤スタッフが外出中の営業スタッフに電話連絡したり、メモを残したりという業務からも解放されたことで、業務効率が向上するとともに、伝達ミスの発生も抑えられています」(倉田氏)
業界標準を満たしていたセキュリティもさらに堅牢なものへ
またこのシステム更新においては、お客さまの情報をお預かりするという業態に求められる、堅牢なセキュリティの導入にも踏み切ります。
「従来のオフィスでは、社内LANとインターネットとの接続点にファイアウォールを置き、さらにそれぞれのパソコンにアンチウイルスソフトをインストールするセキュリティ対策をとっておりましたが、新オフィスでは新たに『Biz Box UTM※2』経由でインターネットに接続することとし、マルウェア※3やフィッシングメール※4など外部からのリスクに対抗できる仕組みとしています。また業務データを確実に保護するため、社内のNAS※5に10世代のバックアップ履歴を、さらにクラウドにもコピーを保存する仕組みも導入しました。これにより、万一のトラブル発生時にも円滑に業務を継続できる環境が構築できたと思っております」(倉田氏)
そして新社屋の1Fには、ソファやモニターを十数人が同時に利用できるラウンジも設けました。
「このラウンジは、弊社のお客さまのほか、この地域の方々が集会や会合に自由に使えるスペースとして設けたものです。使い勝手を考える上でWi-Fiの設置は必須ですが、業務用のWi-Fi環境との共用はセキュリティを大きく損なってしまいます。そこで『スマート光ビジネスWi-Fi』により、外来者が利用するWi-Fi環境と業務環境とを区分しています」(倉田氏)
リモートでの管理が安心して業務に活用できる環境を実現
倉田氏は、これらのICT環境が、NTT西日本によりリモートで管理されているところに安心を感じていると言います。
「せっかく充実した環境を導入しても、トラブルに気づかずに業務に大きな支障が出てしまうようでは不十分です。今回導入したシステムはNTT西日本が監視し、サポートしてくれるため、私たちは安心して業務に打ち込むことができるのです」(倉田氏)
同社は今後も地域密着型の不動産業を続け、将来的にはほかの都市への展開も考えていると言います。その時も、このようなICTによる支援が大いに役立つことになるでしょう。
※1 PBX:会社内に設置する電話交換機。
※2 UTM:統合脅威管理装置。ファイアウォールやアンチウイルス機能などを統合した装置。
※3 マルウェア:不正かつ有害に動作させる意図で作成された悪意のあるソフトウェアや悪質なコードの総称。
※4 フィッシングメール:メール受信者を騙してパスワードなどの情報を入手するために送られるメールのこと。
※5 NAS:ネットワークに直接接続して使用するファイルサーバー。
会社名 | 株式会社第一不動産販売 |
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設立 | 2003年(平成15年) |
所在地 | 三重県鈴鹿市桜島町7丁目16-3 |
代表取締役 | 安田 武史 |
事業内容 | 宅地の造成・分譲、事業用地の造成・開発、マンション・戸建住宅の開発・分譲、建築・土木工事の請負、不動産の売買・仲介・調査、会員制サロンの運営ほか |
URL | http://www.daiichi-re.co.jp |
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