電話応対でCS向上コラム

第19回 開かれた質問、閉じた質問を、うまく使い分けよう

自己表現やコミュニケーションは、相手があってこそのものです。相手のことを理解するためには質問をすることが必要ですが、皆さんは質問には2種類あることをご存じですか?それは「開かれた質問」と「閉じた質問」です。二つの特徴を知り、相手や場面での使い分けができれば、コミュニケーションをより深めることができます。今回は、開かれた質問、閉じた質問をうまく使い分ける方法を紹介していきましょう。

質問には「開かれた質問」と「閉じた質問」がある

会話の中では、多くの質問や問いかけが使われます。特に初対面の時、人は質問をたくさんしながらお互いに近づいていきます。質問には、「開かれた質問」と「閉じた質問」があります。「開かれた質問」とは、質問された相手が、「はい」「いいえ」だけでは答えが済まない質問のことを言います。一方、「閉じた質問」は、「はい」「いいえ」で答えが済んでしまうような質問、ほんの数語で返答ができる問いかけを言います。

閉じた質問は、物事をはっきりさせたい時に有効

では、ここで2種類の質問について、例をあげて考えてみましょう。一つは、「休みはどこに行くの?」といったタイプの質問です。これには「山」の一言が返ってきます。「紅茶は好きですか?」の質問にも「はい」か「いいえ」という簡単な答えが返ってくることが多いでしょう。このような質問を「閉じた質問」と言います。初対面の相手や知り合って間もない人と話す時、物事をはっきりさせたい時に有効です。時には、なかなか話が盛り上がらないこともあります。そこで、「どんな山ですか?」「どんな山が好きですか?」など、その先につなげていくことも必要になります。

開かれた質問は、思いもよらない返答も引き出せ、新たな視点を提供する

多くの答えがほしい時は「開かれた質問」がおすすめです。それは例えば、「お仕事はどうですか?」「休暇はどうする予定ですか?」といったようなものです。「開かれた質問」は、答える人が話したいことを選択する余地があり、質問する側が思いもよらなかった話が出てくる可能性も含んでいるので、情報が多く得られ、話を広げ、新たな視点や考えを引き出すのに役立ちます。そのため、「お客さんが多くて大変だった」「気分転換のために海に行くことにしたよ」といった、一言ではない多様な答えが返ってくることが多いでしょう。

質問は目的に応じて適切に使い分けることが重要

話が弾まないと感じたら、自分が知りたい気持ちと、相手が話したい気持ちのバランスを考えながら、2種類の質問をうまく活用して、相手への理解を深めましょう。質問は目的に応じて適切に使い分けることが大切です。質問の仕方によっては、要求された答えをするだけではなく、質問に関連したことや自分の関心のあることを付け加える「おまけの情報」が引き出せることがあります。

※アサーションは、「もしもし検定」のカリキュラムに導入されています。

平木 典子氏

日本電信電話ユーザ協会 電話応対技能検定委員。立教大学カウンセラー、日本女子大学人間社会学部心理学科教授、跡見学園女子大学臨床心理学科教授を経て、統合的心理療法研究所(IPI)顧問。専門は臨床心理学、家族心理学。日本カウンセリング学会理事。

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