企業ICT導入事例

-東信水産株式会社-
iPadと独自アプリにより、業務の効率化を実現

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公開日:2014/06/17

東信水産株式会社は、都内のデパートの食料品売り場、いわゆる“デパ地下”を含め合計42店舗を出店する、大手の鮮魚販売会社です。「創業は戦後間もない1949年、東京都・荻窪で創業。以来、『新鮮な魚を、その品質がおわかりになるお客さまに販売する』というスタンスで店舗を運営しています」(常務取締役/実践女子大学 講師・織茂 信尋氏)

【導入の背景】ICT化を視野に入れるも、衛生面の問題に直面
【導入の効果】iPadと独自アプリの導入により、業務効率化を実現

【導入の背景】遅れていたICT化

▲常務取締役/実践女子大学 講師
織茂 信尋氏

 同社は、2000年以降、鮮魚販売業においてもICTの導入が急速に進むなか、FAXや電話による旧来の業務処理を続けていました。

 「店頭にPCを入れ、売上げの管理や受発注をICT化することは可能でした。ところがPCのキーボードはゴミやホコリが溜まりやすく、またPCのコードはねずみにかじられる可能性があり、さらにPC本体内には虫が住みつく可能性も考えられます。それらが弊社の衛生基準に合致しなかったのです」(織茂氏)

衛生面の課題を考慮し、iPadに注目

▲『Fish Order』の注文画面

 そこで織茂氏が着目したのが、iPadです。

 「鮮魚売り場は常に水を使いますが、iPadは、タッチパネルで入力するため、多少濡れた手でも扱えます。また配線やケーブルなどが必要なく、PCよりも清潔さを保つことができると考えました」(織茂氏)

 そして、搭載するアプリ『Fish Order(フィッシュオーダー)』は、同社のオリジナルです。

 「鮮魚は、個体ごとに重さや大きさが異なるので、市販のアプリでの対応が難しかったのです。カスタマイズも考えましたが、最終的には鮮魚販売に特化したアプリを開発するほうが得策だと考えたのです」(織茂氏)

【導入の効果】iPadと独自アプリの導入により、業務効率化を実現

▲勤怠管理アプリ『Fish Schedule』

 こうして同社は、テスト運用も兼ね、15台のiPadを一部店舗に導入。FAXからの切り替えを進めました。1年後には、全店舗で『Fish Order』を導入しました。

 「業務の効率化、スピードアップは期待通りでした。これまでの紙による情報のやりとりでは、売上げデータをとりまとめ、全店舗にフィードバックするのに2日間かかっていましたが、iPad+『Fish Order』の導入で翌日に売上げデータを配信することが可能になりました」(織茂氏)

 さらに『Fish Order』はMCPC※ award2014奨励賞を受賞。同社は現在、また新たなアプリを開発し、導入を開始しています。それが、勤怠管理アプリ『FishSchedule(フィッシュスケジュール)』です。

 「『Fish Schedule』では、鮮魚販売独特の勤務内容に合わせた勤怠管理ができるよう、iPadを使って出退勤の打刻などを行い、スタッフの稼働状況がオンライン上で完結できるようになっています。このアプリで、鮮魚販売の現場も“見える化”して、より魅力ある職場作りを目指したいと思います」(織茂氏)

テレコムフォーラムへの期待

 「今回の記事も異業種の方に見ていただけることで、鮮魚業界に新たな光が当たるのではないでしょうか。これからもこうした記事、イベントを通じ、さまざまなビジネスを活性化してもらえることを期待したいですね」(織茂氏)

※MCPC:Mobile Computing Promotion Consortium(モバイルコンピューティング推進コンソーシアム)

会社名 東信水産株式会社
設立 1949年(昭和24年)1月
本社 東京都杉並区上荻1-21-21
代表取締役社長 織茂 章則
売上高 108億円(平成24年1月期実績)
従業員数 618名(平成24年1月末時点)
事業内容 生鮮魚介類の小売販売、レストランの経営、宅配デリバリーサービスの運営
店舗数 営計42店(平成26年6月現在)
URL http://www.toshin.co.jp

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