企業ICT導入事例
-株式会社シンコーメタリコン-独自の業務管理システムの開発で、あらゆる部分を“見える化”し、合理化に成功
多様な溶射材で対象物をコーティングする「溶射」事業を行う株式会社シンコーメタリコン。
独自システム「シン魂」であらゆる部分を見える化し、コストへの意識づけやスタッフの熟練度を高めています。
【導入の狙い】情報をデジタル化し、業務を合理化
【導入の効果】業務に関わるあらゆる部分の“見える化”を実現
▲代表取締役・立石 豊氏
「1933年に創業した弊社は、『溶射』ひと筋で事業を行ってきました」(立石氏)
溶射とは、金属やセラミックなど多種多様な材料(溶射材)を粒子状にし、対象物(基材)にコーティングする表面改質手法です。
「溶射により、基材の表面に摩擦軽減、絶縁、腐食対策など、さまざまな効果を与えることができます。摩耗した部品ですら、復元できるのです」(立石氏)
アナログで情報管理する難しさに直面
しかし材料と手法が多岐にわたる溶射の特性が、一方で同社の経営合理化を妨げていました。
「溶射は、お客さまのご要望により、目的も仕様も千差万別です。その指示書や工程をアナログで管理する難しさに直面していました。また、再施工のご依頼の際も、以前の指示書を探す手間が必要でした」(立石氏)
課題解決のために、独自システムの開発を決断
▲タブレット端末でもアクセスできるので、どこでも確認可能
立石氏は、こうした課題の解決には、受注から納品までをデジタルで管理できるシステムの導入が不可欠だと考えました。
「1990年代後半、古い指示書を画像ファイルにする合理化に着手しましたが、作業量が膨大で頓挫してしまったのです。このことから、まずはベンダーの担当者に『溶射』と弊社の仕事の流れを数カ月の常駐を通じて理解してもらいました。そこから開発に2年間をかけて工程管理と原価管理の部分が完成、業務での利用がスタートしたのです」(立石氏)
「シン魂」により、あらゆる部分を“見える化”
▲同社の工場内で「溶射」作業をするスタッフ
構築されたシステムは“シンコーメタリコンの魂”を意味する「シン魂」と名付けられました。これにより営業スタッフは、納期の確認で工場に足を運んだり、古い指示書を手作業で探す手間から解放されました。
「シン魂は、工程、原価、人材の熟練度まで、あらゆる部分を見える化します。営業スタッフは自分の案件の原価や工場の占有状況まで分かるので、会社への貢献度やコストへの意識づけが強化されます。さらに工場のスタッフは、稼働時間、作業内容が記録されるため、熟練度を自ら測れます」(立石氏)
今後は、CSとESの向上にも注力
シン魂によるデジタル化で合理化に成功した同社は、もう一つの成長のカギとしてCSとESの向上を掲げ、CS向上策の一環として電話応対コンクールにも取り組んでいます。
「電話での質の高いお客さま応対は必須です。その強化を考える過程で電話応対コンクールを知り、すぐに参加を決めました」(立石氏)
デジタルとアナログ、品質とお客さま応対のそれぞれで大きな改革を続ける同社に注目です。
会社名 | 株式会社シンコーメタリコン |
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創業 | 1933年(昭和8年)10月15日 |
所在地 | 滋賀県湖南市吉永405 |
代表取締役 | 立石 豊 |
従業員数 | 76名 |
事業内容 | 各種金属およびセラミックス、サーメットの溶射施工、並びにこれらに付帯関連する一切の業務 |
URL | http://www.shinco-metalicon.co.jp/ |
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