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電話応対でCS向上コラム

第33回「初対面のコミュニケーション」

新しい年度が始まる4月、5月は新しい人間関係のスタートでもあります。いろいろな場で、初対面の人と接する機会が多いと思います。こうした場面で、物おじすることなく自分を表現し、相手にも好印象を与えるコミュニケーションの取り方について考えます。

初対面は拒否に始まる

初対面では誰もが緊張するものです。一通りの挨拶が済み、ありきたりの天気の話でもして、そのあと話が続かなくて焦ってしまった。そんな経験はありませんか。そうなるのは、初対面では相手のことを何も知らないからです。どのような性格で、どんな経歴で、どんな家族構成で、どこに住んでいて、どんな特技や趣味を持っているか?初対面では、そのような情報はほとんど持たないでしょう。どういう人か分からないということはとても不安です。ですから、心理学的にみれば、この最初の出会いは基本的には拒否なのだそうです。

出会いがあった昔の汽車の旅

昔の旅行では長い時間汽車に乗りました。そして見ず知らずの隣の席の人と、よく話をしたものです。到着までの数時間、ご挨拶程度の軽い話から、思いがけず同郷であったり、同業であることが分かったりすると、すっかり打ち解けて話が弾みました。出会いがあったのです。しかし最近ではそういうことはほとんどなくなりました。無言で隣席に座り、無言で自分だけの時間を過ごし、無言で別れて行きます。旅行の形態が変わったのでしょうが、淋しい気もします。

ともあれ、初対面の人と気楽に話した経験がほとんどない昨今の若い人たちは、ビジネスや営業の場でも、決められたトーク以外の自然体での会話がとても苦手なようです。

「“同”のゲーム」で共通項を探す

面識のない人同士が集まるセミナーや研修の場などで、初対面同士の会話が弾むようになる簡単なゲームをご紹介しましょう。

まず隣同士でペアを作ってもらいます。「これから5分間で交互にインタビューし合って、お互いの共通項を10個以上探してください」と言うのです。出身地が同じ、出身校が同じ、家族構成が同じ、同じ趣味、同じ血液型、同じ食の嗜好、同じスポーツ、車が好き、同じ美術館、温泉、外国旅行に行ったことがあるなど何でもよいのです。5分後に共通項がいくつ見つかったかを発表してもらいます。意外にも10個見つからないペアもあります。でも見つからなくてもよいのです。このゲームには参加するだけで大きなメリットがあります。ゲームが終わると、緊張していた会場の雰囲気が一気に和やかになるのです。ペアを組んだ二人はすっかり打ち解けて、その後の会話が弾んでいます。未知だった二人がお互いの“同”を見つけた時に、一気に距離が縮まるのです。これを「“同”の効果」と言います。

相手から取材する気持ちが大事

この「“同”のゲーム」の手法は、初対面の営業やビジネスの場でも生かせます。何か話さなければと焦ると、かえってぎごちなくなります。それよりは、自分が話すのではなく相手の人に話してもらおうと思うことです。話してもらうためには訊くことです。この訊く時に、相手の人に取材するのだという気持ちになってください。自分との共通項を見つけるために取材するのです。そこには、初対面の緊張をほぐし、話題を広げてくれる魔法の“同”が必ずあるはずです。

ビジネスでは、会う前に相手のことを調べる

この章の最初に、「初対面では相手のことを何も知らない」と書きました。しかし、ビジネスに限って言えば、この言葉は正確ではありません。調べられる状況であれば、会う前に相手のことをしっかり調べて、情報を持って臨まなくてはなりません。相手の人にとっては、会ってからあれこれ訊かれるよりも、十分に知った上で、謙虚に訊いてくれる方が、はるかに好感が持てるでしょう。「“同”の効果」は、そこにプラスされるのです。

岡部 達昭氏

日本電信電話ユーザ協会電話応対技能検定 専門委員会委員長。
NHKアナウンサー、(財)NHK放送研修センター理事、日本語センター長を経て現在は企業、自治体の研修講演などを担当する。「心をつかむコミュニケーション」を基本に、言葉と非言語表現力の研究を行っている。

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