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電話応対でCS向上コラム

第18回 初頭効果と“名乗り”

「はい、株式会社○○でございます」「お電話有難うございます。△△協会、佐藤でございます」「おはようございます。□□開発、営業部の山田でございます」「暮らしに夢をお届けする○□企画コンサルタントの田中でございます」「大変お待たせいたしました。ハルケンボーグトランスフォーメーションセンターお客さま相談室の甘内でございます」・・・・。電話を受けるトークは実に様々です。そして大変気になる応対もあります。今回は電話の受けのトークについて考えます。

電話の初頭効果は3秒で決まる

人と人との出会いの評価は、対面を含めて初めの数秒の印象が大きく物を言います。最初に受けた印象があと後まで残るのです。それを初頭効果と言います。電話では、その初頭効果は最初の3秒が勝負なのです。

上記の受けのトークは、よく耳にする5つのパターンです。この第一声を聞くだけで、その会社の電話応対に対する取り組み方、考え方が見えてきます。簡潔に社名だけを名乗る会社。相手が誰であるかの確認もせずに、すべて「お電話有難うございます」というマニュアル化したお礼言葉で受ける会社。名乗る前に、いきなりCMのようなキャッチコピーから入る応対。長い会社名、所属、受け手の個人名までを、早口言葉のように早口で一気に言う会社など様々です。語調はさておいて文言だけで考えたときに、これらの冒頭のトークはどのような初頭効果に繋がるでしょうか。

お客さまはまず何を知りたいのか

電話応対教育では、お客さまが知りたいことに簡潔、的確に答えることが大事だと教えられます。では、電話をかけてこられたお客さまは、まず何を知りたいのでしょうか。それは自分が掛けたところに間違いなく掛かったかどうか、そのことだけです。この時点では電話に出た人が誰であろうとそれはいいのです。ましてや会社の立場でのキャッチコピーや営業トーク、長い社名、部署名までを知りたいわけではないはずです。にもかかわらず、一部のコールセンターの中には、こうしたオープニングのトークがマニュアル化されていて、必ず言うように求められているとも聞きます。それは会社の考え方であり判断ですから、従わなければならないでしょう。ただ、マニュアル応対の一つとして機械的に名乗るのと、なぜ名乗るのか、どこで名乗るのかについての納得は大事なことです。

名乗りは、覚えて頂けるように誠実に

個人名の名乗りについては、「初めに名乗ることで責任を持った応対になるし、お客さまも信頼感を持ってくださる」と言うのが、「名乗り派」の考え方です。それはその通りだと私も思います。ただ、現実には、冒頭に書いたような長いトークを早口で一気に言うために、何と言ったのかまったく分からない名乗りが多いのです。名乗るのであれば、きちんと誠実に伝わるように名乗らなければ、名乗らないのと同じです。それどころか、かえって不快感を残すこともあります。

電話応対での名乗りは必要です。しかし冒頭でなくてもよいでしょう。でも早い段階で名乗って、その上でお客さまのお名前を訊きましょう。そしてお名前を呼び掛けながら会話をしましょう。名前を知り合うことは、人の心を繋ぎます。最後にもう一度きちんと、「自分の名前を覚えて頂くのだ」という強い気持ちをこめて、丁寧に名乗りましょう。

岡部 達昭氏

日本電信電話ユーザ協会電話応対技能検定 専門委員会委員長。
NHKアナウンサー、(財)NHK放送研修センター理事、日本語センター長を経て現在は企業、自治体の研修講演などを担当する。「心をつかむコミュニケーション」を基本に、言葉と非言語表現力の研究を行っている。

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