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電話応対でCS向上コラム

第17回 “すぐやる”人は信頼される

「信頼は人生の最も重要な目標である」―この言葉は、ニッサン社長カルロス・ゴーンさんが、少年期に深い感銘とともに聞いた、恩師ラグロボール先生の教えです。この言葉を借りれば「信頼は営業の最も重要な目標である」と言えます。では、お客さまの信頼を得るにはどうすれば良いのでしょうか。ラグロボール先生は、

  • 先ず聴く。聴いたことをもとに考える。

  • 考えたことを分かりやすい言葉で話す。

  • 言った通りに行動する。

という3点を教えました。私はそれにもう1点、加えます。「言われたことはすぐやる」です。

早いメール、早い電話、そして手間をかけた手紙

今日会った人から、家に帰りつく前にお礼のメールが届くことがあります。短い文面であっても、その迅速さは心地良いものです。すぐ礼状がきた。すぐ返事をくれた。すぐ調べてくれた。すぐ動き出した。すぐ報告してくれた。それだけで、仕事が出来る人だなと信頼感を持ちます。

私の新人時代、先輩から「取材や番組出演でお世話になった人には、すぐ礼状を出せ!」と厳しくしつけられました。そのために、常に数十葉のはがきを引き出しに用意しておきました。取材から戻ったら、頂いた名刺を見ながらまず宛名だけ書きます。一段落してから本文を書きます。丁寧さから言えばもちろん礼状は封書です。しかし手紙を書こうとすると、ずるずると一日延ばしになります。「丁寧さより早さ」の大切さを叩きこまれました。時間がない時にはひとまず一本の電話でお礼を済ますこともあります。PHSやケータイメールの今の時代にはそれでも良いでしょう。でも大切なお客さまや目上の方には、メールだけで済ますのはやはり失礼です。メールの時代だからこそ、手間をかけた一通の手紙が、大きな価値を生むのです。

お役所仕事を変えた「すぐやる課」

日本のドラッグストアの草分けである「マツモトキヨシ」の創業者故松本清さんは、千葉県松戸市の市長でした。当時、仕事の遅いことを「お役所仕事」と言われて揶揄(やゆ)された時代です。その悪評を一掃するために、松戸市長は市長直属の組織「すぐやる課」を作りました。「すぐやらなければならないもので、すぐやり得るものは、すぐにやります」というコンセプトで始めたこの課は市民の厚い信頼を得て、全国にその評判が伝わりました。その後6年間に全国315もの自治体に「すぐやる課」が誕生したのです。いつの時代も、どんなに電脳時代になっても、すぐやる人は信頼され、営業成功につながるでしょう。

すぐできない時こそより誠実な対応を

すぐやろうとしても、すぐには出来ないこともあります。その時には、なぜすぐできないかを、すぐに行って説明するのです。出来ないからと言って、放ってはおかないことです。電話での営業でも、すぐに出来ずにお待たせすることがあります。このとき「お待たせ致しました」というお詫び言葉をよく聞きます。ところがこのひと言はマニュアル化して、ほとんど無意識に発していることが多いように思います。10秒お待たせした時も、3分お待たせした時も同じなのです。心理学者に聞きますと、私たちが電話で待たされてイライラが始まる時間は20秒なのだそうです。そのことを知っておくだけでも、「お待たせしました」と言う声の表情が変わるでしょう。

岡部 達昭氏

日本電信電話ユーザ協会電話応対技能検定 専門委員会委員長。
NHKアナウンサー、(財)NHK放送研修センター理事、日本語センター長を経て現在は企業、自治体の研修講演などを担当する。「心をつかむコミュニケーション」を基本に、言葉と非言語表現力の研究を行っている。

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