電話応対でCS向上コラム
第4回 「伝えた」と「伝わった」は違う②「伝えた」ことは「伝わる」と思うのが、コミュニケーションの最大の誤解だといわれます。
前回は、「伝わった」になるための5つのポイントについて説明しました。今回は、さらに何を、どのように話せば「伝わる」ようになるのかを説明したいと思います。
何を話すか
どう話せば伝わるかを考える前に、何を話すかの判断が必要です。そのためには、
-
しっかり話を聞いて何を知りたいかをつかむ
-
その情報をもとに、自分が話したいことを考える
-
これだけは絶対に分かって欲しいことを押さえる
この準備が必要です。
どう話すか
- ①1件2結3詳細 (全体から部分へ)
- 分かり易く伝えるには、まず何の話をするかの「件名」。2番目にひと言で言うとの「結論」、そして最後に「詳細」な説明をします。
- ②聞き手が知りたい順に話す
- 例えば、何の話し? 対象は誰? いつ? どこで? いくら? 申し込み方法は?・・・のように、次々に起こる疑問に順序よく答えて話すと、理解できて記憶に残ります。
- ③項目に整理して話す (3点法)
- 電話でたくさんのことを次々に話すと、聞き手は理解できません。耳からだけ聞く情報を理解できるのは、通常3点が限度だと思ってください。ですから、伝える情報をひとまず3点に整理して話します。もし5点のことを伝えるのなら、まず3点を確実に伝えて理解を確認し、その上で後の2点を伝えるのです。
- ④具体的に話す
- 「話とは具体例だ」と言い切る人もいます。言葉で絵を描くように、具体的に再現してください。抽象的な言葉は残り難いのです。イメージが湧くように具体的に話してください。
- ⑤「間」をとってゆったりと話す
- 聞いた言葉は「間」で理解します。1分間に350字ぐらいを上限にゆったり話してください。
- ⑥聞きとりやすい声で話す
- あいまいな発音にならないように、特に名詞を意識的にしっかり言うようにしましょう。母音のうち「ウ・オ」は暗くなりがちです。口をはっきり開いて話すと明るくなります。
岡部 達昭氏
日本電信電話ユーザ協会電話応対技能検定 専門委員会委員長。
NHKアナウンサー、(財)NHK放送研修センター理事、日本語センター長を経て現在は企業、自治体の研修講演などを担当する。「心をつかむコミュニケーション」を基本に、言葉と非言語表現力の研究を行っている。