電話応対でCS向上コラム

-キヤノンマーケティングジャパン株式会社-
第66回 電話の名乗り第一声

記事ID:C10114

第一声の印象

 社内で新入社員研修をしていると、社名の名乗りの部分で自信のない応対に気づくことが多々あります。現代の新入社員が育った時代は、もはや一人一台の携帯電話を持っている時代の背景から、誰からどこへかかってきている電話か瞬間的に分かっていることが多く、第一声の名乗りもない状態での電話応対の世の中に変わりつつあります。
 ただし、ビジネスの世界では、電話の第一声である社名の名乗りは、私共の会社に電話をかけていただいた「welcome」の気持ちを表す最も大切な部分です。私自身も、お取引先に電話を差し上げた時に、とても気持ちの良い会社名の名乗りに出会うことがあります。そんな時は、こちらの会社に電話して良かったと心から思い、この一日がとても素敵な一日になります。ビジネスシーンでの「いつもお世話になっております」と感謝し、おつき合いを大切にしていきたいと思う瞬間です。
 会社の社名には愛情を持って大切に接し、お忙しい中メールやウェブからのお問い合わせではなく、お電話をかけてきてくださったお客さまに、第一声から感謝の気持ちを表し、「私が会社の代表として電話を受けます」という気持ちで応対するように指導をしています。

え?元気すぎる応対?

 社内で電話応対の指導をしていると中堅社員から「電話応対が明るすぎていかがなものか。何でもかんでも元気が良すぎて、声も大きすぎるため周りの社員も困っている」という内容の問い合わせが入りました。長年の指導経験から、声が小さすぎる、応対が暗く元気がないという電話応対に関しての相談は事例としてはあったものの、元気が良すぎるという相談は初めてでしたので驚きました。
 早速、該当の職場での応対の音声を確認してみると、とても明るく元気に応対をしているものの語尾が強く、場合によっては高圧的な印象を受けてしまう可能性があり、電話応対に関して雑に扱っている印象を受けました。会社の代表として電話を受けるわけですから、語尾は丁寧にお客さまのペースに合わせて応対をするように指導したところ、とても印象が変わり、周りの社員からも好感の持てる応対に変えることができました。

社内での伝染

 電話応対は社内中に、周りにも伝染するものだと思っています。よりお客さまの立場に立った丁寧な応対は周りにも影響します。隣の人から隣の人へ伝染していきます。電話応対の第一印象である第一声から丁寧に応対することで、素敵な応対の波及効果が高まることを信じ、私自身も日々精進をしています。

伊地知(いじち) 広美氏

キヤノンマーケティングジャパン株式会社に勤務。日本電信電話ユーザ協会電話応対技能検定指導者級資格、国家資格キャリアコンサルタントを保持。新入社員研修をはじめ、もしもし検定、電話応対コンクールの指導及び模擬応対者として従事。

「次回の講師は、合同会社石亀美夜子オフィス 代表社員 石亀 美夜子さんです。音声表現の指導をはじめ、コミュニケーション力を高める講義は受講生のファンが多数いらっしゃいます。落語家の一面もありながら、とても可愛らしくて、私の尊敬する講師です」

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