電話応対でCS向上コラム
-株式会社兵庫分析センター-第55回 想像する力を磨く
記事ID:C10079
弊社の概要紹介
弊社は、環境に関わる調査・測定・分析・試験などを行っています。1960年代高度経済成長とともに大きな社会問題となった公害や、日々環境改善に取り組まれている企業さまのお手伝いをしています。さまざまなサンプルを正確に計量し、結果を公に証明する機関として国や県など公的機関の認可を得て事業を行っており、お取引先は官公庁をはじめ製造業を中心とした多くの企業さまです。
お客さまの背景と取り次ぐ先を想像する
弊社への電話は、環境法令や環境に関わるお困りごと、技術的な相談などが多く、技術者が詳しくご説明するような機会が多くあります。初期応対の多くは総務部で行い、技術・営業に取り次ぎます。技術者が直接お客さまに応対し、社内全体でCS向上を目指しています。
あるお客さまが「近隣から悪臭の苦情が来て対応に困っている…」と初期応対で詳細をお話しくださり、「では専門の技術者に代わります」と申し上げたところ「また同じこと言うの?」と言われました。私は誰に取り次ぐのが最適か…と自分のことばかり考えていたのです。その場は技術者に内容を要約して伝え、取り次いだのですが、お客さまの言葉が胸に刺さり、振り返って考えました。
お客さま、応対する技術者、両者の背景を想像すると、お客さまは早く問題解決の提案がほしい、応対する技術者は内容を理解し、質問・提案を考える時間が必要であったと思われます。一旦時間を置くことで問題解決の近道になり、焦って取り次ぐ必要はなかったと反省しました。あの時の私は、相手の背景とその先を想像する力、感謝・思いやり・配慮の気持ちが足りませんでした。お客さま、応対者の背景を想像して、どのような応対が最良か、瞬時に判断する力を備えた臨機応変な応対がCS向上につながります。
相手に関心を持つ
頻繁に電話をくださるお客さまは、忙しそうに早口で「○○会社の□□です。△△さんいる?」と、すぐに担当者に替わってと言わんばかりの口調で電話をくださいます。なので、初期応対で素早く取り次ぐように気をつけています。ある日、いつもの口調でお電話いただきましたが、お声がいつもと違っていたので、「○○さま、お風邪ですか、声がいつもと違っています」と素直な気持ちで申し上げましたら「そうなんですよ…」と口調が変わり、穏やかにゆっくりとお話しになり、最後に“ありがとう”の言葉をくださったのです。お客さまとの距離がより近くなった瞬間でした。
「愛=関心」。相手に関心を持ちコミュニケーションを図ると、互いに気持ち良くなる。これは、電話応対技能検定(もしもし検定)の教えです。敬語で綺麗に固めたマニュアル通りの応対ではなく、お客さまへの関心、感謝と思いやりの気持ちはもちろん、それぞれの状況を想像する力を磨き、相手の立場を考えた臨機応変な応対ができるように日々研鑽し指導して参ります。
巽 里美氏
株式会社兵庫分析センター改革推進室所属。指導者級資格保持者(11期)、キャリアコンサルタント、企業内電話応対技能検定の実施、電話応対指導、新入社員研修、その他の社内教育研修などの実施。お客さまからの研修要望にもお応えしています。