電話応対でCS向上コラム
-ダイキン工業株式会社 東日本コンタクトセンター-第5回 心を届ける電話応対
記事ID:C10067
私が勤務するダイキンコンタクトセンターは、取り扱い製品の修理受付や部品の販売、技術的なご相談など、さまざまなご依頼を承っています。私は現在、品質管理を担当していますが、チームを立ち上げたばかりの頃は、何もかもが手探りの状態。マナー本を教科書に、「自分たちはどうあるべきか」という議論を繰り返しながらも、明確な答えを見つけられずにいました。これはそんな時期のお話です。
スキルの高い応対=満足度の高い応対?
ある日、コミュニケーターの電話応対の様子をモニタリングしていた私は、お客さまの反応と採点したスコアに違和感を覚えました。
A さん:「さようでございますか。それは大変申し訳ございません。とんでもないことでございます」と丁寧な言葉と綺麗な声で澱みなく応対しています。モニタリングスコアは上がるのですが、お客さまとの間に温度差があり、距離を感じます。一方、Bさんの応対は、Aさんとは全く違うものでした。
B さん:「あぁ、そうなんですね。それは困っちゃいますよね。電源の抜き差しは試してみましたか?……え、直りました?ああ、良かったです!また困ったことがあったらいつでも連絡くださいね」
カジュアルな応対で、スコアは伸びないのですが、お困りごとをじっくり聴き、反応を確認しながら説明し、不具合が解消したことをお客さまと一緒に喜び合っていたのです。
「大切なこと」を教えてくれたコミュニケーター
私がお客さまだったら、どちらの応対が嬉しいのだろう?それは明らかに、自分の言葉で親身に応対してくれるBさんのほうでした。そこで、私はBさんに、普段どんなことを大切にしているのか聞いてみました。
「僕が大切にしているのは、お客さまの気持ちの側で一緒に考えることかな。そうすればお客さまも心を開いてくれる気がするんだ。でもゴメンね。いつもモニタリングの点数が上がらなくて。スクリプトの言葉って丁寧すぎて、うまく気持ちを伝えられないんだ」
これまでも気持ちに寄り添うことの大切さを伝えてきたつもりでいましたが、実際は教科書通りの評価に傾いていたと気づいた瞬間でした。お客さまの心に届くのは「綺麗な言葉や声」よりも、そこに「温かい心が感じられるか」です。あるべき姿をBさんは私に教えてくれました。
その後、電話応対コンクールや電話応対技能検定(もしもし検定)に出会い、少しずつダイキンらしさをお届けできるようになってきましたが、今でもお客さまやコミュニケーターに教わることはたくさんあります。今後も私たちの応対で「ダイキンを選んで良かった!」と笑顔になっていただけるよう、コミュニケーターと一緒に考え、成長していきたいと思います。
徳山 牧子氏
ダイキン工業株式会社 東日本コンタクトセンター 品質管理チーム所属。コミュニケーターの電話応対品質の向上、サービスエンジニアやグループ会社の電話応対及びマナーの向上業務に従事している。日本電信電話ユーザ協会 電話応対技能検定指導者級資格保持者。