電話応対でCS向上コラム

-ヤマトコンタクトサービス株式会社-
第49回 心に残るおもてなし

記事ID:C10059

 ヤマトコンタクトサービスは、全国に13のコールセンターを構え、お客さまとクライアント企業さまの想いをつなぐコミュニケーション・パートナーとして、最高の感動体験を創造できるよう、応対品質向上に日々取り組んでいます。

お客さま目線で考えるために

 電話応対をしていて何よりも嬉しいのは、お客さまからの「ありがとう」という言葉です。社内研修をする中でも感動体験につながるヒントを探し、多くの学びを得る毎日です。
 これは、あるオペレーターとお客さまとの会話の振り返りをしていた時のことです。オペレーターは、お客さまが既にご存じのことも含めて、一つずつ話を進めることが丁寧な応対だと考えて電話応対をしていました。しかし、お客さまから「それは前に問い合わせたからもう知っている」というご指摘をいただきました。お客さまには、確認事項を順番に訊ねて丁寧な応対をしようとしたオペレーターの心づかいが伝わっていなかったのです。お客さまによっては、丁寧な応対が良いという方もいれば、端的に伝えてほしいという方もいらっしゃいます。私はそのお客さまの件を踏まえ、あらためて「お客さまが知っていると言うことは、既に案内済と捉えて次の話に進んでみること」「どうしても確認が必要な場合は、クッション言葉を添えて訊ねてみること」を提案しました。すると、そのオペレーターはお客さま目線で考えることに気づき、納得した表情で「やってみます」と答えてくれたのです。
 対面であればお互いの表情が見えますが、電話では表情が見えません。だからこそ、言葉のやり取りの中の小さな気づかいがお客さまとの信頼につながります。指導する上ではオペレーターの想いを聴きながら、ともに思索することが大切だと、あらためて気づかされた瞬間でした。

お客さまの「ありがとう」が増えるように

 近年AI化が進み、コールセンターでの応対は多様化しています。AIでは解決できない問題を抱えたお客さまからのお問い合わせが増えています。そんなお困りごとに対して、一人ひとりのお客さまに合わせて問題解決することが私たちの役割です。
 私は社内での応対研修を担う中で、人間だからこそできる応対の大切さを伝えています。電話応対では基本となるお礼やお詫び、復唱や言葉づかい、そして、「お客さまに共感の一言を添えること」「お客さま目線で考え、提案・実行すること」を大切にしながら研修や指導に励んでいます。
 これからも、お客さまが「電話してよかった」「ありがとう」と感じていただけるように、そして、お客さまとオペレーターが笑顔になれるような「心に残るおもてなし」がさらに増えるように、ともに考えながら指導に取り組んでまいります。

次回の講師は、新明和工業株式会社お客さまセンターの新家 健司さんです。社内で電話応対技能検定(もしもし検定)講師や教育を全般的に担当され、ご活躍中です。自主勉強会などにも積極的に参加されている、優しさと熱意あふれる指導者です。

楠見 由佳氏

ヤマトコンタクトサービス株式会社 コールセンター所属。電話応対技能検定(もしもし検定)指導者級資格保持者(25期生)。品質担当として、社内の電話応対研修講師を務め、オペレーターの教育、電話応対コンクール出場者の指導に携わっている。「楽しく」「実践的で分かりやすい」をモットーに、実務に取り入れやすい指導・研修を大切にしている。

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