電話応対でCS向上コラム
-京阪電気鉄道株式会社-第39回 心が通い合う応対を目指して
記事ID:C10034
京阪電車は、大阪・京都・滋賀の都市間輸送を担い、通勤・通学そして観光のアクセスとして年間2億人以上のお客さまにご利用いただいています。
私が所属する「お客さまセンター」は、安全・安心な輸送サービスの提供に加えて、より一層お客さまにご支持いただくことを目的として、2007年(平成19年)に関西の私鉄として初めて開設されました。鉄道利用に関するお問い合わせやご意見・ご要望はもちろんのこと、バスや流通、ホテルなど多様な業態で事業を展開している京阪グループ全体の「総合窓口」としての役割も担っています。
自分が変われば、相手も変わる
配属された当初は、電話応対が苦手で、正直“嫌い”でした。多岐にわたるお問い合わせやご意見に応対できず、お客さまから「あんたの説明は分かりにくい」「ほかの人に代わって!」など、厳しい言葉をいただくことが多かったからです。電話のベルが鳴るたびに「また叱られたらどうしよう」という恐怖心でいっぱいでした。自分なりに一生懸命応対しても伝わらないもどかしさと、そこから抜け出す解決策も見つけられず、苦しい日々を過ごしていたのです。
そんな私が「電話が大好き!」になれたのは、電話応対技能検定(もしもし検定)と電話応対コンクールとの出会いがきっかけです。ある企業のコールセンターへ見学にうかがった際、もしもし検定や電話応対コンクールに取り組んでいることを教えていただき、早速、両方に挑戦。そこで、ようやく探し求めていた「自分の応対を変える」糸口を見つけることができたのです。
それまでの私の電話応対は、お客さまの気持ちを考えようともせず、聞かれたことに答えるだけの事務的なものだったと気づいたのです。「お客さまは、どのようなお気持ちでいらっしゃるのか」、「自分がお客さまの立場なら、どんなことを望むのか」を常に考え、話す言葉や声の表情を意識するように変わっていきました。
そしてある日、定期運賃のご案内をしたお客さまから「ありがとう。君の言葉で私は嬉しくなった。その心、これからもずっと持ち続けてくださいね」と、思いがけず優しいお手紙をいただけたのです。この言葉は、私の応対の指針になっています。
喜びの輪を広げる
言葉の後ろにある「お客さまのお気持ち」に応えていくことで心が通じ合い、自分の喜びになることをもっと多くの人と共有したい。その思いで京阪グループ内での研修や電話応対技能検定の実施を始めました。同じ思いで電話応対業務にあたる仲間も少しずつ増え始めています。これからさらに電話応対技能とマインドを高め、京阪電車、そして京阪グループのCS向上に役立つよう活動を続けていきます。
安田 良子氏
京阪電気鉄道株式会社 広報部 お客さまセンター所属。電話応対技能検定指導者級資格保持者。グループ会社を含めた社内での電話応対研修、電話応対技能検定実施などの企画・運営を担当(お客さまセンターでの電話応対業務にも従事)。第56回から3年連続電話応対コンクール全国大会出場。