電話応対でCS向上コラム

-株式会社SHARP COCORO LIFE-
第36回 お客さまとの「ハートのキャッチボール」

記事ID:C10027

家電製品だけでなくマスクの応対も

 弊社は家電メーカーのCS部門として、ECサイト「COCORO STORE」の運営や、スマートライフを実現する各種サービスの提供、そしてカスタマーサポート業務を行っています。
 カスタマーサポート業務では、主に家電製品の使い方相談や故障診断、修理受付など、さまざまなお客さま応対を、電話やメール、チャットなど、さまざまなチャネルで行います。
 昨年、新型コロナウイルスの感染拡大の影響でマスクの品薄状態が続き、政府からの要請を受けて、シャープはマスクの生産を開始しました。
 そして、2020年4月からECサイトで抽選販売を行い、家電製品だけでなく、マスクに関するお客さまの応対も行うようになったのです。
 おかげさまで、非常に多くのお客さまにご応募いただき、ECサイトの操作に不慣れな方から多くのお問い合わせを受けるようになりました。

海外からのお問い合わせ

 昨年の秋、私は欧州に駐在されている日本人のお客さまから、メールでお問い合わせを受けました。昨年の春には日本にいらっしゃったようで、マスクの抽選にご応募になり、秋になって当選のお知らせメールを受け取られたとのこと。しかし、購入手続きをすすめようとしても先にすすめないとおっしゃるのです。
 実は弊社のECサイトは、海外からの不正購入を防ぐため、アクセスの制限をしています。また、毎週抽選を行っていますので、その都度購入期限も決まっています。私は事情を説明し「どなたか国内で代わって手続きを行っていただける方はいらっしゃらないですか」とおうかがいしました。しかし、残念ながらどなたもいらっしゃらないとのことでした。お客さまは欧州のマスク事情をお嘆きになり「国内の人々の安全が最優先ですから、その方々に先にマスクを回してもらいたい。ただ、冬場に一時帰国した際に、国産で安心できるシャープのマスクを購入できるよう、できれば取り置きをしてもらえないでしょうか」とのお返事がありました。
 私は社内で相談し、「帰国された際に購入いただけるようにするので、ご連絡をいただきたい」旨をお伝えしました。すると、お客さまはとてもお喜びになり、私と弊社の社員の健康にお気遣いの言葉をかけてくださったのです。ご自身だけでなく、国内でマスクを求める方々や、私共にまでお気遣いいただき、とてもありがたく心が温まったものです。
 そのお客さまは、冬場の一時帰国はかなわなかったものの、今春帰国され、無事にマスクをご購入いただくことができました。その時にもまた温かい言葉をかけてくださったのは、言うまでもありません。
 このような状況だからこそ、人の温かみがより一層ありがたく尊いものに感じます。

さまざまなチャネルでお客さまと心を通わす

 最近は、電話だけでなくメールやチャットでのお問い合わせが増えてきました。お客さまのライフスタイルの多様化により、選ばれるチャネルも異なってくるのでしょう。私はいずれのチャネルでも、お客さまとの「言葉のキャッチボール」を通じて「ハートのキャッチボール」を行うように指導しています。
 これからも、心(COCORO)温まる言葉のキャッチボールで、お客さまに喜んでいただける応対を目指して精進し、指導を続けて参ります。

次回の講師は、有限会社ビジネスエイドの荒木 博美さんです。長く勤務されたNTTでのご経験を基に、多くの企業や支部でビジネスマナーや話し方の研修、電話応対診断などを行っています。マナーは『心をこめる、これがすべての基本』をモットーにご活躍中です。

印南 承代氏

株式会社SHARP COCORO LIFE COCORO サービス部。株式会社シャープにて、ワードプロセッサー「書院」のインストラクターのアルバイトをきっかけに、女性セールス1期生として入社。コールセンター設立後、営業経験と教員資格を評価され、応対教育担当。現在、電話応対技能検定指導者級資格保持者として、企業内での検定を実施。クレーム応対からメールやチャットでの応対指導まで幅広い研修業務を企画・運営している。

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