電話応対でCS向上コラム

第32回 「電話応対研修」で理想の職場環境づくりに貢献-株式会社文華堂-

記事ID:C10021

“人に会えない今”も、これからも「電話」は不可欠

 近年、ビジネスシーンにおいて、いろいろな伝達手段が増えてきました。しかし「電話」はコロナ禍で人に会えない今はもちろんのこと、これからも不可欠な伝達手段だと再認識しています。
 私は経営者として、日々いろいろな企業と電話でやり取りしています。例えば、朝一番にA社に電話をすると、電話の向こうから「おはようございます。○○社の△△でございます」と明るく、少し高めの歯切れの良い元気な声が聞こえてきます。思わず私まで、ちょっと高めの声で応対しています。続いてB社に電話をします。相手の声のトーンは少し低めで、ビジネスライクな応対です。すると、私まで相手と同じような声のトーンで応対しています。
 電話応対は企業の現状を映すかがみだと思います。社格が高く、お客さまから信用・信頼され、発展していく企業は言うまでもなく電話応対を大切にしています。残念ながら、経営者・幹部は自社の現状が今どのような状況下にあり、周りからどの程度の評価をされているのかについて、(電話応対を含めて)意外と関心が薄いのではないかと感じることがあります。だからこそ、電話応対技能検定指導者級資格を持つ私たちが、電話応対を通じて現状評価をする仕組みを使って改善提案をすることがもっと必要だと思います。

変わりゆく“社風”について

 お客さまとの電話で、私はよく同じ職場の女性と間違えられることがあります。不思議なもので何年も同じ空間で一緒に仕事をしていると、声のトーンや言葉づかい、間の取り方などが似てくるものです。曹洞宗開祖、道元禅師のお言葉に「霧の中を行けば覚えざるに衣しめる良き人に近づけば覚えざるに良き人となるなり」があります。このお言葉のように、爽やかで温かく切れが良くて元気で明るい電話応対を実践していけば、周りも自然にそのような社風に変わっていきます。「電話応対研修」はそのような職場環境をつくるために最適なカリキュラムです。私はこのカリキュラムを活用し、多くの企業が目指す理想の職場環境の実現に貢献したいのです。

難局を乗り越えてCS向上に寄与

 今後、電話応対・受付業務などもAIの活用範囲に入ることが予想されます。しかし、複合的絡みがある仕事は、人の能力がまだまだ必要とされることでしょう。これからは「誰に、何を、どのタイミングで、伝えたい目的、内容は、そして電話よりもメールのほうが適しているか、FAXのほうがいいのか……」などを瞬時に精査する能力がもっと求められると思います。
 ビジネスもプライベートもすべて良き人間関係から発展していきます。これからも自分らしさに磨きをかけ、自ら信頼し得る自己をつくりあげるために仕事を通して学んでいきます。そして、明るくしなやかに日々の細事を重ね、自身及び職場の仲間共々、総力でコロナ禍を乗り越えてCS向上に寄与し、未来づくりに邁進します。

次回の講師は、株式会社イーウェルの高橋 千鶴さんです。アンガーマネジメントファシリテーター※としても活動され、社内指導者の育成や、部門マネジャーとして活動されています。

※ 怒りの感情と上手につき合う方法を教え、講演、研修、トレーニングなどを行うことができる、日本アンガーマネジメント協会の認定資格です。

伊東 由美子氏

株式会社文華堂 取締役会長、株式会社華苑 代表取締役。2002年、夫である前社長の伊東 顕氏他界により文華堂7代目代表取締役就任。20年7月、同社取締役会長就任。同年12月、株式会社華苑を創業。企画・営業・総務・人事・経理の実務をはじめ研修講師としても活躍中。電話応対技能検定指導者級資格保持者。

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