電話応対でCS向上コラム

第23回 電話の向こうの笑顔のために-株式会社ムジコ・クリエイト-

お客さまから学ぶCS向上

公開日:2020/05/21

電話の向こうの笑顔のために

 青森県内で自動車教習所を4校運営している弊社は、運転免許取得教習をはじめ、交通安全講習、高齢者の方への講習や適性診断、交通安全コンサルティングなどを行っています。

 平成10年より70歳以上の方は運転免許の更新時に高齢者講習の受講が義務化され、講習は自動車教習所で実施しています。青森県は約三人に一人が高齢者という、全国的にも高齢者が多い地域で、それに比例するように電話の三件に一件が高齢者講習の予約電話です。しかも、県内の70代の約9割が“津軽弁”を話すため、標準語の応対マニュアルはあまり通用しません。ご予約いただけることは非常にありがたいのですが、お耳の遠い方、身の上話を始める方におつき合いして予約を取るのに20分以上かかることもあり、応対時間の短縮や目上の方への言葉づかいなど、注意すべき点もたくさんあります。

この人に会いたいと思わせる電話応対

 ある日、同僚から「さっき受講者の方から、電話予約した人の電話応対がとても良かったと言われたけど、小田桐さんのことじゃない?」と言われました。うきうきしながら予約票を確認したところ、それは私ではなくパート社員のCさんでした。また別の日に予約日を確認したいという電話を受けた私は「〇日で間違いありません」とお伝えすると、「よかった。この前応対してくれた女の人が親切で、忘れられないのよ」とおっしゃいます。確認すると、それもCさんでした。講習当日に、「Cさーん」とお声がけしてくださるお客さまもいらっしゃいます。そんな人気者のCさんの魅力とは何か、電話応対をよく観察してみました。

電話の向こうに笑顔が見える

 Cさんの応対は、まさに「この人に会いたいと思わせる電話応対」そのものでした。例えば、折り返しの電話に「○○さん遅くなってごめんね。あたし電話するの忘れちゃってた。それで予約なんだけど……」という出だしで話すのです。スマートに、都会にも通用する応対を!敬語を練習!と日々新入社員に話している私としては冷や汗ものの応対です。でも、それがクレームになることはなく、何よりも温かいのです。電話が遅くなったのはあくまでも自分のせい。お客さまに気をつかわせず、上手に自分の土俵で仕事する姿勢がうかがえました。また身の上話がなかなか終わらないお客さまに「うん、分かった。その続きは(講習に)来た時に教えてね」と、相手を傷つけず上手に電話を切り上げます。満面の笑顔で会話する彼女はまるで、遠く離れた親と話しているようです。電話の向こうのお客さまの笑顔も浮かび、きっと講習を受けに来るのが楽しみになったはずです。

 実はそのCさん、昨年、病気で帰らぬ人となりました。大きな笑顔で「当日お待ちしております」と話す声を二度と聞くことはできなくなりましたが、相手に合わせることとはどういうことかを、職場の皆に体現して教えてくれたのです。

 青森は、場面によって津軽弁と共通語を使い分ける、バイリンガルといえる電話応対をする地域です。だからこそ、基本の応対を身につけた上で、地域に合わせた応用力が求められるやりがいのあるエリアと前向きに捉え、新入社員には現場でのギャップに戸惑わないように、どちらの大切さも伝え、今後も指導していきたいと思います。

次回の講師は、NTT 西日本グループ テルウェル西日本株式会社四国支店 香川営業支店の髙木 和美さんです。出会った時から変わらない優しい笑顔と話し方はこちらをホッとさせてくれます。説明が分かりやすく、こんな先生に教わりたいと思わせてくれる指導者です

小田桐 邦子氏

株式会社ムジコ・クリエイト経営管理部所属。自動車教習所のフロント業務に長く携わり、社内外の研修講師を務める。電話応対コンクールの指導者。電話応対技能検定指導者級資格保持者16期生。

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