電話応対でCS向上コラム

第18回 「買う身になって」の実現-株式会社 Mizkan Partners-

「買う身になって まごころこめてよい品を」

 「買う身になって まごころこめてよい品を」これは、弊社の原点であり、私がこの会社で働きたいと思った理由の一つです。

私は現在、MIZKAN MUSEUMという企業博物館で働いていますが、以前はお客様相談センターに所属し、そこで電話応対技能検定(もしもし検定)に出会いました。

現在、企業博物館では、課員への電話研修を担当しています。研修を始める際に「買う身になって」の思いから、最初に伝えていることは、「お客さまの立場になって考える」です。予約が取れずお断りする場合も、「数ある企業博物館の中から私共を選んでいただいた」ことを決して忘れず、心を伝えることに力を注いでいます。

お客さまのご指摘

 これは私が相談センターで勤務していた頃の話です。電話を取ると年配の男性が「容器の蓋を開けたら中身が飛び散った。朝5時に起きて作ったお弁当が台無しになってしまった。どうしてくれるんだ」とお怒りでした。お客さまはかなり興奮状態であったため、私は状況確認の前にお客さまの話を聞くことに徹し、お弁当が台無しになってがっかりさせてしまったこと、お掃除が大変だったことなど、お客さまのお気持ちに寄り添いながら20分ほどお話をうかがいました。すると次第にお客さまの声のトーンが落ち着き、穏やかな口調になり、状況を詳しく教えてくださいました。

お客さまの声からの改善

 お客さまからお話をうかがううちに、中身が飛び散った原因が分かりました。冷蔵で保管すべき製品でしたが、ラベルに記載されている「要冷蔵」表示が分かりにくかったので、お客さまが冷蔵せず、常温で保管したために中身があふれて、お弁当や台所を汚してしまったのです。このお客さまの声は、表示を改善するヒントとなりました。この製品は、後に冷蔵庫のイラストが入った分かりやすい「要冷蔵」表示に変えることになりました。お客さまからいただいた貴重なご指摘から、より良い改善が行えたのです。お客さまが製品を使用していて何か不具合が起こったとしても、電話をすることはとても勇気やエネルギーのいることです。今後その製品を使わなければいいと思うほうが大半ではないかと思います。だからこそ、ご指摘いただけることに感謝し、このようなご意見を大切にし、電話をかけてくださるお客さまの気持ちに寄り添い、その声をしっかりと受け止めることが大切だと考えています。

 「買う身になってまごごろこめて よい品を」の原点を常に忘れずに、心ある応対ができる人材育成ができるよう指導を続けていきたいと思います。

次回の講師は、日本ATM株式会社の内田 佐也子さんです。SNSを巧みに使いこなし、優しいきめ細やかな指導をされる指導者です

吉田 朱里氏

株式会社Mizkan Partners MIZKAN MUSEUM 所属。2009年から2018年までお客様相談センター所属。お客様相談センター所属時に電話応対技能検定(もしもし検定)指導者級資格を取得。指導者級資格保持者20期生。現在MIZKAN MUSEUM にて電話研修を担当。

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