電話応対でCS向上コラム

Let’s have a Communication!

よりよい人間関係を築くために欠かせないコミュニケーション。どういう心構えで、どんなスキルがあれば、うまくコミュニケーションが取れるのか、難しく考えたり深く悩んでしまったりする人もいるのではないでしょうか。ここでは「アサーティブ」というコミュニケーションの在り方を軸に、特定非営利活動法人アサーティブジャパン代表理事の森田汐生氏に職場の人間関係がスムーズになるヒントを教えていただきましょう!

アサーティブ

――アサーティブとはどういう意味なのでしょうか。
森田 相手も自分も尊重した自己表現の方法です。自分の考えや「こうしてほしい」という要求を、威圧的でもなく、萎縮することもなく、相手と向き合ってコミュニケーションをするときのマインドとスキルのことです。
 アサーティブなコミュニケーションのスキルを身に付けることは、あらゆる場面での人間関係に役に立ちます。職場では「率直に話し合いのできる人間関係」を築き、対等なコミュニケーションを土台とすることが、風通しのいい社風を作るきっかけになると考えています。
――自分自身が「アサーティブなコミュニケーション」ができているか、できていないかを知る方法はありますか。
森田 「アサーティブ」という言葉自体が分かりにくいかもしれませんね。まずは「チェックリスト」をご用意しましたので、自分自身の自己表現力(アサーティブ度)を測ってみましょう。

■あなたはアサーティブ?チェックリスト

それぞれの設問に対して、当てはまるものを選んで○をし、その点数を合計してみてください。

  • ほとんどできていない、とても難しい

  • あまりできていない、ちょっと難しい

  • 少しはできている、人によって偏りがある

  • ほぼできている、誰に対してもできる

A.自分自身について

自分の気持ちをキャッチして適切に言葉にできる 1| 2| 3| 4
対等な立場で人と接することができる 1| 2| 3| 4
新しいことに挑戦する勇気がある 1| 2| 3| 4
自分の欲しいもの、やりたいことが分かっている 1| 2| 3| 4
短所も長所も含めて、自分のことが好きである 1| 2| 3| 4

計   点

B.主張する力について

要求(要望)を伝えられる、率直に頼める 1| 2| 3| 4
できないことには「ノー」とはっきり断ることができる 1| 2| 3| 4
ポジティブな感情を伝えられる 1| 2| 3| 4
イヤだという気持ち、怒った感情を表現できる 1| 2| 3| 4
相手を建設的に批判できる 1| 2| 3| 4

計   点

C.受け止める力について

人の話に耳を傾けられる 1| 2| 3| 4
人の褒め言葉を受け入れられる 1| 2| 3| 4
正当な批判を受け入れられる 1| 2| 3| 4
不当な批判についてはそれを否定し、自分の感情を伝えられる 1| 2| 3| 4
自分の意見を押し通すのではなく、交渉できる 1| 2| 3| 4

計   点

結果はいかがだったでしょうか?

合計点
● 46点以上の人…かなり自己表現に自信を持っている人
● 20~45点の人…場面によってできたりできなかったりする人
● 20点未満の人…全体的に自己表現が苦手と感じている人
A・B・Cのバランス
Aの点数が低めの人…もっと自信を持って自分を認めてあげましょう。
Bの点数が高く、Cが低めの人…話すのは得意だけれど聞くのは苦手と感じている人。自分が話す前に相手の話に耳を傾け、まず黙ってみましょう。
Bの点数がCの点数よりも低かった人…結果を恐れずに思い切って主張してみる必要がありそう。

森田汐生著「気持ちが伝わる話しかた」(主婦の友社)より引用

――「アサーティブでない」状態だとどうなるのでしょうか。
森田 アサーティブでない状態で相手に何かを伝えようとすると、どんなに良い意見であっても、うまく伝わりません。このアサーティブでないコミュニケーションには代表的なものが3つあって、攻撃的な「おこりキャラ」、受け身的な「ひるみキャラ」、作為的な「いやみキャラ」という3つのキャラクターを、私たちは設定しています。これらは対話ができる関係が築きにくくなるコミュニケーション。私たちがついついやってしまいがちな表現方法です。
 例えば、攻撃的な「おこりキャラ」で上司が部下をいつも怒っていたとします。部下は波風を立てないように「はい」「はい」と言って、その場では物事が終わったかのように見えます。でも、いつも怒られている部下は、だんだん本当のことを言えなくなる。相談などもできなくなってしまいます。
 これは長い目で見ると決してコミュニケーションができている関係とは言えません。本当の意味で職場の活性化を図りたいのであれば、対話をするとき、自分と同時に相手のことも尊重しながら話してみる。そうすることで、話し合いのできる対等な人間関係を作ることができるのです。
 アサーティブになれない場面もあるでしょう。しかし、常に同じパターンで接してしまうと、関係が固定化して率直に話すことが難しくなってしまう。本当に伝えたいことは相手に伝わらず、自分も周りもストレスをためてしまうことになるのです。
 それらを改善するには、対話力を高める必要があります。しかし、実のところ私たちはコミュニケーションについて体系的に学ぶ機会がほとんどありません。これから、こちらのホームページで対話力を身につける方法をご紹介していきますね。よろしくお願いします。

特定非営利活動法人アサーティブジャパン

http://www.assertive.org/index.shtml

これからアサーティブについて考えてみませんか?

代表理事 森田 汐生(もりた しおむ)氏

特定非営利活動法人アサーティブジャパン

一橋大学社会学部卒業。日本社会事業大学研究科卒業後、社会福祉士の資格を取得し、イギリスの精神医療団体でソーシャルワーカーとして勤務。その間、イギリスにおけるアサーティブネスの第一人者、アン・ディクソンのもとで研修を受け、アサーティブネストレーナーの資格を取得。帰国後、アサーティブネスを普及するためアサーティブジャパンを設立。現在、代表理事を務めながら、アサーティブネス・トレーナーとして、全国各地で多数の講演・研修を行っている。日本電信電話ユーザ協会の電話応対技能検定部会委員。電話応対技能検定指導者級養成講座にてアサーションの講座を担当。

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