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企業ICT導入事例

ICT導入事例 -株式会社京都工芸-

プロモーション

公開日:2016/05/24

「たかがタオル、されどタオル」を「三方よし」の理念で、まごころとともに届ける通販サイトを運営

周囲が反対する中で立ち上げたタオル専門通販サイトで、販売枚数のべ約300万枚、年商1億2,000万円を達成した株式会社京都工芸。成功の秘訣は、お客さまや取引先との感動共有でした。

逆風の中で家業を継ぎ、通販サイトを立ち上げたものの…

▲代表取締役・寺田 元氏

京都でギフト品販売をしていた、株式会社京都工芸。滋賀に移転した後、寺田氏が父親から経営を引き継いだのは2001年、33歳の時でした。商売は逆風にさらされ、取引先の事情で売上が激減するストレスで自身もパニック障害に見舞われ、再起の道は見えませんでした。そんな折、ふと興味を持ったのが、商工会連合会が主催するインターネット通販の勉強会「Eビジネス道場」でした。

「2004年に勉強を始めた当初は、『ホームページを作れば商品が売れる』と安易に考えていました。でも講師から『インターネットでは“幕の内弁当”は売れない。自分の専門=強みを絞り込め』と言われ、それを見つけるのに時間がかかりました」(寺田氏)

寺田氏の専門となるタオルとの出会いは、ある日、量販店でタオルを買っている女性を見かけたのがきっかけでした。

「タオルは贈答品などでもらうことも多いのに、わざわざ買う人がいるのか、と考えさせられました。そういえば野球少年だった自分も赤いタオルがお気に入りだった。よし、タオルに絞ってみようと思いついたのです。ただの予感です」(寺田氏)

この「タオル専門通販サイト」宣言に周囲は大反対。「どこでも買えるものを、インターネットで買うわけがない」という声を押し切って、2004年10月に「タオルはまかせたろ.com」を立ち上げたものの、中身は「商品カタログ風」。勉強会で教わったサイト運営のいろいろなテクニックを盛り込んでも、思ったほど業績は伸びませんでした。

「私に似合うタオルは?」と問われても即答できなかった

それから2年目、ある女性から1通のメールが届き、「私に似合うタオルはどんなもの?」と聞かれたのです。

「即答できませんでした。ちょっとしたレストランでワインを頼む際、ソムリエがいたら、きっと最適なワインをおすすめしてくれるでしょう。でも、当時の私は、メニューからお客さまが選べば良いという程度の理解で、肝心のタオルのことを知らなすぎると痛感しました」(寺田氏)

そこで、「その翌日には、タオルの名産地である愛媛の今治に出かけた」という寺田氏。野球少年だった幼少期の行動力がよみがえったのです。今治では、タオル製造工程に関わるさまざまな現場に何度も足を運び、サイトの中に「タオルができるまで」というコーナーを設けるほど勉強し、2008年には滋賀県初の「タオルソムリエ※」の認定まで取得したのです。この積み重ねで、「タオル専門通販サイト」は、タオルのことなら何でも相談できるサイトへと生まれ変わりました。

「『たかがタオル、されどタオル』、知るほどに奥が深い世界です。でも、今治だけでなく、量産品に適した産地である泉州も、また独自の織加工技術を持つ産地の三重も、諸外国との価格競争に勝てなくなっていました。止まらない日本のタオル産業の衰退に対して、私たちにできることがないかと考えるようにもなりました」(寺田氏)

「タオルを買うならこのサイト」評価を育てた「三方よし」の実践

  • ▲タオルとともにお客さまに送る
    「感謝の手紙」と「タオル虎の巻」

  • ▲人気の「夢タオル」には
    たくさんの夢が書き込まれています

お客さまが、どういう気持ちで、どんなタオルを求めているのか、を常に考える一方で、「こんなタオルがあったら素敵だろう」とオリジナルタオルの開発にも取り組んできた寺田氏。その姿勢は、お客さまに向き合い寄り添おうとするものです。

「お客さまには、必ず感謝の手紙を添えます。また、やりとりするメール一つでも、言葉を少し変えるだけでフレンドリーになり、お客さまに近づけます」(寺田氏)

こうした工夫を積み重ねている同社のサイトを見れば、使い勝手の良さと行き届いた心配りがすぐに分かります。さらに近年では使い古したタオルの回収とリユースも始めています。

「1枚のタオルがあることで、その家が幸福感で満たされるかもしれない、人生が豊かになるかもしれない、と空想するのが大好きなのです。ただモノを売れば良いだけでは楽しくない。昔から近江商人は『三方よし』という考え方を大切にしてきました。『買い手よし、売り手よし、世間よし』ですね。自分にもそのDNAが流れているのかなと思います」(寺田氏)

一見どこで買っても同じようなタオル、でも買って喜んでもらえるモノだけを扱い、サイトの向こう側とこちら側で感動を共有したいというのが、寺田氏の経営姿勢です。だからこそ、リピーターが着実に増え、「どうせ買うなら“ここ”で」と支持されています。まさしく時間をかけて育んだブランド価値と言えます。

「エバンジェリスト(伝道師)」の道と“まかせたろ.com”のチーム化

サイト開設から12年目にして、販売実績はのべ約300万枚、売上で1億2,000万円を達成した同社。「タオルはまかせたろ.com」は広く評価され、さまざまなアウォードを受賞。特に2008年度の「関西IT百選優秀賞」で、タオルソムリエである販売者の寺田氏が、タオルの生産者とお客さまの声をつないだことへの評価は、まさに「三方よし」の考え方が実を結んだものでした。

最後に、寺田氏に今後への抱負を語っていただきました。

「2020年には東京五輪がありますが、全競技会場が当社オリジナルの『日の丸タオル』で埋まってほしいですね。今、私は48歳ですが、早い段階での引退が理想です。自分たちの体験を若い人たちにも伝えるエバンジェリストの仕事もしたい。また、当社サイトのURLが、『www.makasetaro.com』であることから察せられるように、タオルに限らない身近な日用品を、『ここで買いたい』と思われるチームにしていきたいです。今後とも皆さまに愛されるよう、努力は怠らない覚悟です」(寺田氏)

  • ▲2010年の南アW杯で注文が
    殺到した「日の丸タオル」

  • ▲スポーツ好き寺田氏の一押し
    「勝つためのタオル【vs我】」

※タオルソムリエ:今治商工会議所・四国タオル工業組合が検定試験を行う、タオルについての習熟度を認定する資格。

会社名 株式会社京都工芸
設立 1971年(昭和46年)10月
所在地 滋賀県大津市唐崎1-26-8
代表取締役 寺田 元
資本金 500万円
事業内容 タオル通販・卸・小売業、オリジナルタオル・刺繍加工タオル販売
URL http://www.makasetaro.com/

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