企業ICT導入事例

-日産自動車株式会社-
SNSを活用しクルマづくり、サービス向上を図る

▲グローバルメディアセンター 小川 正太郎 氏

 インターネットの黎明期から、ICTに積極的に取り組んでいる日産自動車がソーシャルメディア(SNS)の活用を目的に導入している『Social Engage』についてうかがいました。

 「企業ホームページ『羅針盤』を立ち上げたのは1994年。2004年には日本の自動車メーカーとしてはじめてオフィシャルブログを公開し、2009年、Twitterの利用をはじめました。そもそもは、2009年の東京モーターショーへの出展にあたり、販売促進部が独自にアカウントを設けたことがきっかけです。ショー終了後にいったんクローズしたのち、準備期間をおいて日産の公式アカウントとして、広報部が運用にたずさわることになりました。現在は公式、モータースポーツ、電気自動車の3つのアカウントで運用を続けています」(グローバルメディアセンター・小川 正太郎氏)

 「東京モーターショーでのTwitterアカウントには、さまざまな質問が寄せられ、熱心な利用者の方と何度となくやりとりをしました。そうして運用していくうちに、『このアイコンには見覚えがあるけど、どんな質問をいただいた方だっけ?』『前にどう受け答えさせていただいたんだっけ?』というケースが増えてきたのです。そこでTwitterの対話履歴の管理ができるツールを探し『Social Engage』を導入することになりました」(販売促進部・日浅 一之氏)このソリューションは、その後、新たに開設した電気自動車『リーフ』のTwitterで、大いに効果を発揮しました。リーフの発売予定を明らかにしたのは、2010年3月31日で、正式発表は同年12月3日。つまり、いわゆる『ティザー期間』が9カ月ほどあったわけです。この間、リーフの情報は主にTwitterを通じて発信し、『発売されたらぜひ購入したい』という熱心なお客さまからお問い合せも多くいただきました。多い方では、100回ほども、ご質問と回答をやりとりしたと思います。『Social Engage』の履歴管理が、そうしたお客さまとどのようなやりとりをしたのか、スタッフ同士の情報共有に役立ちましたね」(日浅氏)

 「Twitterにおいては、やはり『即時性』が重要です。当社のアカウントをフォローしてくださっていても、ツイートした時刻から時間が経つと、そのツイートを見てくれる可能性はどんどん低くなる。そこで当社では予約投稿機能を使い、Twitterユーザの利用者が多くなる時間帯にあわせ、ツイートを投稿するようにしています。こうすれば、たとえば夜間など、当社のビジネスアワー以外でも、ツイートを投稿することができますから」(小川氏)そしてTwitterからはじまった日産自動車のソーシャルメディア利用は、Facebookにも広がり、より多くの利用者を集めています。最後に両氏に、日産自動車の今後のソーシャルメディアへの取り組みや展望についてうかがいました。

▲販売促進部 日浅 一之 氏

 「私たちは、たとえばTwitter→Facebook→LINEというような“流れ”があるとは思っていません。TwitterならTwitterの、FacebookならFacebookのよさがあり、それぞれのソーシャルメディアに合った情報を発信し、お客さまとの接点を増やしていきたいと思っています。ソーシャルメディアは『人の集まる場所』です。私たちはその場所にコミュニケーションして、お客さまにさまざまな情報を伝えるとともに、お客さまのご要望やお考えをおうかがいし、よりよいクルマづくり、サービスの向上に役立てていきたいですね」(日浅氏)

会社名 日産自動車株式会社
設立 1933年12月26日
所在地 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地
代表取締役社長 Carlos Ghosn(カルロス ゴーン)
資本金 6,058億1,300万円
事業内容 自動車、船舶の製造、販売および関連事業

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